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■かるかん>血と骨|コラテラル
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血と骨
時間が経つと利いてくる、ボディブローを決められました
監督:崔洋一|原作:ヤン・ソギル(2004年/日本/2時間24分)
金俊平:ビートたけし|金正雄:新井浩文|金花子:田畑智子|朴武:オダギリジョー|高信義:松重豊|清子:中村優子|定子:濱田マリ|李英姫:鈴木京香

2時間半もあったとは。そんな時間を感じさせないくらい、次から次へとエピソードが積み重ねられ退屈するヒマはありませんでした。正攻法の堂々とした作品です。さりとて、作品中で感情移入できる人物は一人もおらず、深く心を動かされることはないままに見終わってしまったという感じです。
しかーし、きちんと作られた作品は、どうしても反芻してしまいます。そうこうするうちに、様々な登場人物の生き様がすごいな〜、濃くて悲しいな〜と思えてくるのであります。

予告編を見ての予想では、ビートたけしはハマリ役、鈴木京香はミスキャスト、オダギリジョーは色っぽいと思っていました。ビートたけしは思ったとおり。鈴木京香は、年を取ってからの無表情ぶりは、かなりメイクに助けられていたとは思いますが、彼女には合わない役柄ながらよく健闘していたと思います。特筆すべきはオダギリジョーで、この映画での彼は今まで一番色っぽい、死の匂いのする美しさ。弟の正雄との別れのシーンは、彼もまっとうに生きたかったんだろうなと切ない気持ちになりました。出番が少ないのが唯一の不満ですが、数ある個性的な登場人物の中で印象はもっとも鮮烈でございます。

この映画で感じた主なことは二つありまして、血縁というのは絶ち切りたくても絶ち切れない(あるいは血縁だからと言って思い通りにはならない)如何ともしがたい悲憤と、地上の楽園を夢見て北朝鮮へ旅立つも夢破れることの悲哀です。

島田伸介が傷害事件を起したと聞いて、私が思ったことは、あれほど弁が立つ彼が手を出すということは、相手の女性は彼以上に弁が立ったのだなということでした。
この映画でも口より手が出る(手も早い)俊平は、暴力より他に表現手段を持ってないかのよう。これだけ暴力を振るうということは、彼の思い通りにならないことばかりなわけで、そんな彼が幸せだったはずはないですよねえ。彼の思い通りになったのは、清子だけでした。俊平は清子に頼られるのが快感だったかもしれません。妻英姫は、過去に不倫で工場を追い出されるような芯の強い女性だから、うまく行きっこなかったのね。
こういう男を夫とも父親と思いたくもないだろうと想像できますが、英姫も正雄も、俊平が夫であり父であるゆえの感情や行動から解放されることはありません。また、俊平の方でも花子の通夜に乗り込んで来るあたり、父親としての感情や行動から解放されることはなかったのですね〜。

冒頭で大阪を眼前にして希望に胸をふくらませた若き俊平は、晩年、北朝鮮へ旅立ちそこで亡くなります。暴力で人を支配するってことは、恐れられても理解されることはないでしょう。寂しい最期だったんじゃないでしょうか。正雄もそう思っているかのようなラストシーンでした。

高知松竹2 2004/11/6


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コラテラル
味わい深いサスペンス
COLLATERAL
監督:マイケル・マン|脚本:スチュアート・ビーティー(2004年/アメリカ/120分)
マックス:ジェイミー・フォックス|ヴィンセント:トム・クルーズ|アニー:ジェイダ・ピンケット・スミス

トム・クルーズがターミネーター化して怖かった〜。体の切れは、『ミッション・インポッシブル』以上!殺し屋にしてはしゃべりすぎるけど(笑)。というのは置いといて、先が読めないサスペンスを久々に見ました。こういうオチだろうな〜と思っていたら、まだその先があったり。
また、ロサンジェルスという犯罪が多いと言われる都市を舞台にしていながら、ジェイミー・フォックス(いいですね〜!)の地道に生きる普通の人ぶりがすばらしく、トム・クルーズの殺し屋の勝者(?)の論理との対比がおもしろかったです。お互いに感化されたりして。
もう1回見たいので、早くテレビで放送してほしいです(爆)。

高知東宝1 2004/11/6


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