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■かるかん>北の零年|ドリーマーズ
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北の零年
『ラスト・サムライ』のつづき
監督:行定勲(2004年/日本/2時間48分)
吉永小百合|渡辺謙|豊川悦司|柳葉敏郎|香川照之|石田ゆり子|石原さとみ

3時間近くありますが、退屈しませんでした。
次から次へと出来事があるし、明治維新で下々の者がお上に振りまわされて辛酸をなめさせられた様子がわかるし、武士がどのようにして平民になっていったかというのも心情を含めてわかるし、きれいだし、スケール感があったし、なんと、どんでん返し(と私は思う)もあるし、ラストは役人と平民が対峙してどうなる!?と思ったら、そう逃げたかーと可笑しかったし、吉永小百合を中心にして学芸会的配置&幕切れが陳腐とは思っても、スター映画だから納得はいくし、渡辺謙、豊川悦司はカッコイイし(特に悦ちゃん、カッコよすぎ(笑)。)。
満足とはいかないまでも、楽しませてもらいました。丁寧に作られていることが伝わってくるので好印象です。
「夢は信じることによって実現する」という表メッセージと、「男は口先だけ」という裏メッセージもおもしろいですしね(笑)。

TOHOシネマズ高知3 2005/1/23


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ドリーマーズ
映画も革命も夢
THE DREAMERS
監督:ベルナルド・ベルトルッチ(2003年/イギリス・フランス・イタリア/1時間57分)
イザベル:エヴァ・グリーン|テオ:ルイ・ガレル|マシュー:マイケル・ピット

おもしろかったですねー。初めてベルトルッチの作品を見たのは、1981年で『暗殺のオペラ』でして、以後ずーっとベルトルッチファンをやってきてよかったー(笑)。
私がどれだけベルトルッチファンかといいますと、『リトル・ブッダ』でさえ擁護できる!
『リトル・ブッダ』では、CGを使っていたでしょ。あれは、わたくしかなり評価しています。
技術の発展とともに表現手段を徐々に広げてきた映画ですもの、新しい技術に飛びつかずして何の映画監督でありましょう。その点、『八月の狂詩曲』で原爆の目をCGで作った黒澤明もえらい!
『魅せられて』では、冒頭でなめるがごとくにリブ・タイラーを撮り、「わたし、これだけエロおやじなんです」と開き直ったのも大したものです。それまではエロスを描いても高尚だったのに、高尚ぶるのが面倒くさくなったのか、完全に一休み状態。休養中にも映画を撮る!撮らずして何の映画監督でありましょう。
『シャンドライの恋』では、シャンドライが自転車に乗って登場するシーンが、それまでのベルトルッチのリズムとは違っていました。新しいことに挑戦していると思った私は、まだまだベルトルッチは死んでないと思ったものであります。

こうして過去の作品のことを書いたのは、この映画を見て感じた以下のキーワードを、後で書きなおすつもりだったのが面倒になったからなの(汗)。書き直しもせずキーワードだけっていうのも芸がない気がして、私のベルトルッチファン度を書いてみたのでした。

●この映画を見て感じたキーワード

・映画狂(1968年が舞台なので、古い映画が多いのはあたりまえだが、チャップリンとキートン、そして『はなればなれに』くらいしかわからなかった。音楽もドアーズくらい。)
・政治(テオは、社会主義革命を信じた若い頃のベルトルッチ。マシューは、何にしても暴力反対、もちろんテロにも反対という心境の現在のベルトルッチ。)
・マシュー(暴力反対のマシューが、現在もっとも暴力的な国(テロ撲滅を錦の御旗に武力を行使するアメリカ)の国民なのは興味深い。赤くてぽってりの官能的なくちびるは、ベルトルッチのお好みか。『ルナ』の少年(マシュー・バリー)も似たようなくちびる。)
・ドリーマーズ(ガラスを割った石礫によって夢から覚めた3人。でも、テオとイザベルは、また夢にもどって行った。とりのこされたマシューの心境は、ベルトルッチの心境。)
・エロス(いや、なかなか(笑)。さすが、ベルトルッチ。デートリッヒで欲情か……。)
・きょうだい愛(互いに依存。「恐るべき子どもたち」に似ているところがあって、いかにもフランス。)

シネマ・サンライズ 県立美術館ホール 2005/1/25
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