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■かるかん>微笑みに出逢う街角|ソン・フレール 兄との約束
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微笑みに出逢う街角
笑う角には福来る、笑える女に未来あり
BETWEEN STRANGERS
監督:エドアルド・ポンティ(2002年/カナダ、イタリア/98分)
ソフィア・ローレン|ミラ・ソルヴィノ|デボラ・カーラ・アンガー

ソフィア・ローレン、ミラ・ソルヴィノ、(ダリル・ハンナかと思ったら)デボラ・カーラ・アンガー、ジェラール・ドバルデュー、(スティングかと思ったら)マルコム・マクドエル、ピート・ポスルスウェイトというオールスター映画なのですが、地味でした〜。

ローレン(主婦)、ソルヴィノ(カメラマン)、アンガー(チェリスト)が、それぞれの悩みを抱えてつらい人生を送っているのですが、映画のおしまいまで彼女たちの接点はありません。
もちろん、彼女たちはそれぞれがつらさを乗り切り、最後の最後で出逢いますが、これがね〜、あんまり鮮やかな出逢い方ではないのですね。
脚本も演出も平凡でスターに頼りっぱなし、といった映画でした。(実際、これだけ有名俳優が出ていると退屈しませんでした。)

あ、ミラ・ソルヴィーノは、とてもよかったです。親子二代のフォト・ジャーナリストで、アンゴラの戦火の中で撮った少女の写真によって初めてタイム誌の表紙を飾ったことに父親は鼻高々。でも、本人は、撮った記憶がなくて……。
ここのところは、脚本がおもしろいです。編集者は「君が撮った写真に間違いない」と言いつつ、その写真のネガを見せようとしないし。彼女の方では、記憶がないので自分が撮ったことに確信が持てず不安でたまらない。
いったいどういうことなのか、観客は謎に思うわけですが、だんだんに想像がついてきます。撮ったことを記憶から排除するほど、また、撮った本人に見せたくないほど、悲惨な写真だということが。

結局、話は、写真を撮るより先に少女を救うべきだったという、心あるジャーナリストのお馴染みの葛藤に向かうのですが、さすがソルヴィノ(アカデミー賞女優)は、繊細な演技で魅せます。
なんか、ちょっと、宮沢りえちゃんに似ていました。

シャンテシネ1(日比谷) 2005/3/14


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ソン・フレール 兄との約束
ほっとする死
SON FRERE
HIS BROTHER
監督:パトリス・シェロー(2003年/フランス/90分)
トマ:ブルーノ・トデスキーニ|リュック:エリック・カラヴァカ

この映画は、選択についての話ではないでしょうか。
治療の効果があるかどうかわからないまま、医者の言うことを聞いて検査や手術をすることは、たいへんつらいと思います。(そういうのを見ている家族もつらい。)だから、治療をしない選択をして、大理石の墓標を建ててほしいなどと話せる穏やかな心持で余生をすごすことを肯定的に描いているんじゃないでしょうか。

もちろん、私の好きな兄弟愛ものでもあります。
兄には恋人がいるんだけど、闘病する様子を見ていられなくて去っていくし、兄弟の両親はまったく頼りにならなくて、まるで部外者。兄と弟の関係のみに集中して描いている感じです。
弟にも恋人がいるんだけど(この恋人には驚いた〜)、兄の介護をするために別れるんですよね〜。
ラストのあっけなさは、「最愛の兄ちゃんが亡くなったあとも強く生きる弟」という見る前の予想を、よい意味で裏切ってくれました。

ところで、ここからが本題(笑)。
この映画を見ていて「ツボだー!」と思ったのは、映画が始まって間もなくでした。兄が鼻血を出したんですよ。美男じゃないけど、冒頭で血を見て、「さすが『王妃マルゴ』で、ジャン・ユーグ・アングラードに血の汗を噴き出させたシェロー監督だわ〜」と嬉しくなりました。

でも、せっかくの鼻血シーンも剃毛シーンにはかないません。剃毛ドキュメントと言っていいくらい、かなり長いこのシーン。
正に「まな板のうえの鯉」。なされるがままの肉体が、エロチックなような、悲しいような。それを見ているしかない弟も、エロチックなような、悲しいような。
『王妃マルゴ』では、一体一体ポーズを付けたかのような累々たる屍が印象的でしたが、シェロー監督は投げ出された肉体がお好きなようです。
う〜ん、いい趣味だ〜。

ユーロスペース(渋谷) 2005/3/14


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