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■かるかん>フォーン・ブース|タイガーランド
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フォーン・ブース
サド・スナイパー、電話でお仕置き
PHONEBOOTH
監督:ジョエル・シューマカー|脚本:ラリー・コーエン(年/アメリカ/81分)
ステュ:コリン・ファレル|レイミー警部:フォレスト・ウィテカー|パム:ケイティ・ホームズ|ケリー:ラダ・ミチェル|狙撃手(電話の声の主):???

公衆電話に呼び出しのベルが鳴ったので、つい出てしまったのが運のつき。もし、電話を切ると、どこからか狙いを定めているスナイパーに撃ち殺されてしまいます。それだけじゃなくて、主人公は殺人の容疑まで掛けられて・・・・・。
彼は、なぜ狙われたのか?絶体絶命の危機を脱することが出来るのか!?

抜群におもしろく、結末のつけ方も素晴らしい!話の展開は、定石と言えば定石なのですが、見ている間は「どうなる、どうなる?」「ひえーっ」とサスペンスでいっぱいでした。
俳優は、端役に至るまで印象的。
主役のコリン・ファレルは、傲慢で浮気な男の虚飾が剥がされ、公衆の面前で丸裸(精神的)にされていく様子をたまらなくイイ(!)感じで演じており、感動させられました。
フォレスト・ウィテカーは、いつものごとく人間味のある役で、安心感がありました。
スナイパーの電話を通しての声は、冷酷で凄みがあり、ステュを支配下に置いて弄ぶ、いやらしい余裕が感じられてイイ!声だけで抜群の演技力です(拍手)。
仕置き人スナイパーは、完全にイカレているのに、常人として世にまぎれることのできる人物であることをうかがわせ、そこが怖いです。

DVD 2005/7/31


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タイガーランド
死にたくない若者の話
TIGERLAND
監督:ジョエル・シューマカー|ロス・クラヴァン、マイケル・マクグルーサー(年/アメリカ/101分)
ボズ:コリン・ファレル|パクストン:マシュー・デイビス|マイター:クルフトン・コリンズ・Jr

とにかく、ボズが魅力的ですー!!!!強くて優しい。他人の弱味に弱い。茶目っ気、リーダー格、一匹狼、繊細、青春の迷い人、死ぬのが怖い臆病者。
死ぬのが嫌だから兵役を何とかして逃れたい彼にとって、パスクトンが志願したというのにビックリ。そのうえ、パスクトンは戦争をヘミングウェイみたいに記録したいと言うものだから、ボズ、頭を掻きむしる(笑)。死ぬ(殺される)ということを想像すらしないパクストンの暢気さは、そりゃもう、頭を掻きむしるに値しますね。
また、同じ小隊の訓練兵カントウェルやマイターの身の上話を聴くときのボズの表情がいいのです。カントウェルのときは、怒っていました。あまり幸せとは言えない人生を抵抗もせず受け入れているカントウェルに。否、辛いことがカントウェルに重なったことに対して、我が事のように思うから腹が立つのでしょう。
マイターのときは、身の上話を聴く前から複雑な表情。それまでも、他人の身の上話に同情したことが度々あったのでしょう。「また、聴かされるのか。だが、これが聴いちまうんだよな」というふうに既に泣きそうな顔を両手で覆う(笑)。いざ、話を聴いて、やっぱり同情深く、半泣き顔でありました。

反面、攻撃的な相手には、徹底抗戦の構えです。ボズ自身プッツンきてしまって、相手を半殺しの目にあわせてしまいました。執拗に絡んでくるウイリアムズに対する本当に迷惑そうな視線、表情、この映画の中で一番好きー!
演じたコリン・ファレルに関して言うならば、上記のようにセリフがないときの表情がとてもいいのです。受けの演技としては派手目ですが、ボズのキャラクターは、こうでなくっちゃ。

ボズ以外のキャラクターもいいんですよ。サディストの教官と、ベトナム帰りの二人の教官。特にベトナム帰りの教官は、異なる個性(Hot&Cool)ですが、二人とも人間味がありました。
ベトナムがどんなところか叫んで(あるいは語って)聞かせる教官に現実味があって、脚本家の一人がタイガーランド体験者というのも肯けます。

ラストシーンは、ある種の切なさで胸が締め付けられるようでした。
小説家を目指していたにもかかわらず、殺すことも殺されることも想像外だったパクストンは、ベトナムさながらの演習場タイガーランドで何を得たのでしょう。
殺されたくないし、殺したくない。そういう健全な精神を捨てさせる場所で、それを捨てなかったボズという親友を得たのだと思います。

DVD 2005/7/31


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