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■かるかん>エミリー・ローズ|PROMISE 無極
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エミリー・ローズ
良心が神なのだ
THE EXORCISM OF EMILY ROSE
監督:スコット・デリクソン(2005年/アメリカ/120分)
エリン・ブルナー(弁護士):ローラ・リニー|ムーア神父:トム・ウィルキンソン|イーサン・トマス(検事):キャンベル・スコット|エミリー・ローズ:ジェニファー・カーペンター

この映画を観た晩に、金縛りに遇いました(本当)。それで、目覚めたのが午前3時だったら面白かったのにね(笑)。

人間が創った神はいるけど、人間を創った神はいないと思っている私には、法廷で悪魔の存在を云々する映画なんて関心がなかったし、(オカルトものは嫌いじゃないけど)大音響にビックリさせられるのは嫌なので観るつもりはなかったのですが、観たらなかなか面白かったです。

一番面白かったのは、ローラ・リニー演じる弁護士は、ムーア神父を弁護するにつき、当初は功名心(昇進という野心)から弁護を引き受けたのが、神父や証人に接したり、不思議な体験をするうちに、自らの良心に従って弁護をするに至ったことです。
このことを描くために、彼女が過去に弁護して勝訴した悪党のエピソードが効いていました。裁判に勝訴して自分の株は上がったが、悪党を野に放つことになり、新たな犠牲者を出したことに彼女の良心が痛み、弱気になったところへ悪魔がつけ入るという話の流れはよくできていると思います。

また、不可知論者である弁護士が悪魔の存在を証明せざるを得なくなり、キリスト教の信者である検事が信者らしからぬ追及の仕方をするというのも面白い対比でした。
更に、「神は死んだ」と言われて久しい世の中で、神父とエミリーのように本当に神を信じている(だから悪魔に取り憑かれたのですが)、いまだ神は死んでいない人々も存在するのだと改めて認識できたこともよかったです。
最後の判決もおもしろかったなー。
ホラー場面は、「来るぞ、来る、来る」という感じが怖かったです〜。

●ネタバレ感想
判決は、妥当だと思いました。量刑についても情状酌量してあげてよかったと思いました。
情状酌量があったのは、弁護人が被告人の主張(神も悪魔も存在する)に沿って弁護し、陪審員が証言台の被告人の様子を見れたから、被告人の善意が認められたのだと思いました。

人間の作った法は不完全なもので、『ヴェラ・ドレイク』なんかを観ても、現在の視点からすると堕胎を罪とする法自体が不合理だし、裁判も不完全でヴェラのような善人を情状酌量なしの懲役に処してどうするよという感じです。
その点『エミリー・ローズ』の判決と量刑は、人間の法から見ても神の法から見てもバランスが取れていると思いました。

だけど、判事が一人で即日に量刑を決めたことには驚きました。本当にそんなことが出来るの?それだけの権限と責任があるわけですが、単独決裁でいいんですかね?不服なら控訴できるだろうから、よしとしたものなのかな?考えてみたら、大岡越前とか遠山の金さんも単独決裁ですけど(笑)。

(注:『ヴェラ・ドレイク』は、社会派の映画ではないです。あくまでも人物を描くことに徹していました。ラストシーンの太陽をなくした食卓の寂しさ寒さ……。)

TOHOシネマズ高知1 2006/3/11
 
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PROMISE 無極
運命は変えられる!という意気込みは大事
THE PROMISE 無極
監督:(2005年/中国、韓国、日本/124分)
チンション(傾城):セシリア・チャン|クンルン(昆崙):チャン・ドンゴン|クァンミン(光明):真田広之|ウーホァン(無歓):ニコラス・ツェー|クイロン(鬼狼):リウ・イェ

予告編を見て、『HERO』『LOVERS』に続くチャン・イーモウ監督のワイヤーアクション3部作の完結編『PROMISE』登場(わくわく)と勝手に思っていたら、チャウ・シンチー監督のコミック・ムービー『少林サッカー』みたいな作品でしたー--!わはははは!
そして、監督はチェン・カイコー。やってくれましたねー。こういう映画を傑作と言わずして何と言うのでありましょう。

豪華絢爛、荒唐無稽、自由なイマジネーションの大洪水。
映像は綺麗ですが、鮮明すぎて美しいとは言えず、装飾(美術・衣装)は過剰気味。しかし、それが欠点にならず、作品の勢いとなって、見る者を、唖然、呆然、目が点の眼福の境地に送り込み、花鳥風月、水辺を描いて我(ら)こそは東洋のフィルム・メイカー(ズ)なり!と意気があがっています。
話は細かいことは気にしない、ご都合主義でも軸足はしっかり。愛こそすべて、運命は変えられる、死ぬな、しっかり生きてという単純明快なメッセージが力強いです。特に「死ぬな、しっかり生きて」は、『芙蓉鎮』の「豚になっても生き抜け」というセリフを髣髴とさせられ、文化大革命をかいくぐった監督の思いが込められているように感じました。
どのキャラクターも魅力的。クンルンの純粋なこと(ああ、あなたの瞳が眩しい!)。姫がイマイチ私の好みではないですが、裏切り者の刺客クイロンの悲しいこと、ウーホァンは子どものまま大人になった人なのね(扇子さばきグー!)、クァンミンは骨の抜かれ具合が渋い(笑)。
俳優の皆さま、よかったです(拍手)。
驚異の俊足クンルンが夕日に向かって走れば、夕日を追い越し、時を遡れるというのがいいですね〜。単に時空間を移動できるのより、「なるほど!」と思いました。

ウーホァンが鼻血を出していたのが笑えた〜(ツボ)。久々に見た美男と鼻血でした。クンルンも出してたけど、クールなウーホァンが出した鼻血の方が衝撃的でした(笑)。

TOHOシネマズ高知4 2006/3/11
 
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