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■かるかん>ブラッド・ダイヤモンド|オール・ザ・キングズメン |
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ブラッド・ダイヤモンド アフリカ、まだまだようわからん |
いや〜、ディカプリオが、こんな汚れ役をやるようになったとは。彼が演じたダニー・アーチャーは武器やダイヤの密輸だけじゃないんです。平気で子どもを撃ち殺すなんて・・・・・、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のファザコンぶりがウソのよう。でも、非情じゃないと生き残れないというのもよくわかり、また、彼の生い立ちを知るに及んでは可哀想でもあり、汚れ役と思っていたダニー・アーチャーを知らぬ間に好きになっていました。この非情な男の顔に少年の表情が浮かぶことがあり、それが哀れさを誘うので、童顔王ディカプリオのはまり役だと思いました。
ジャーナリスト、マディ・ボウエンを演じるジェニファー・コネリーもよかったです。しっとりとした美貌は、スパークするときも美しい。ジャーナリストらしい抑制の効いた演技が、最後の電話のシーンでも生きていました。 お話は、この三人がそれぞれを利用し合うというか助け合うところが面白いです。大会社に紛争ダイヤを売っているダニーはアフリカから脱出するためにピンク・ダイヤが欲しい、ピンク・ダイヤの隠し場所を知っているソロモンは家族がどこにいるか情報が欲しい、難民の情報を手に入れることが出来るマディは紛争ダイヤで儲けている大会社を追求するため証拠が欲しい。この三人に利害を超えた人間的な交流が生まれるところがいいですねぇ。
それにしても、近年、アフリカ絡みの映画が増えてきました。『ホテル・ルワンダ』『ナイロビの蜂』『ロード・オブ・ウォー』『ザ・インタープリター』。見てないけど『ルワンダの涙』『ラスト・キング・オブ・スコットランド』『ダーウィンの悪夢』など。ブッシュマンや人食いライオンの映画とは随分趣が異なります。 TOHOシネマズ高知4 2007/4/7 |
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オール・ザ・キングズメン 知らぬが仏、知ったら地獄 |
これは怖い映画でした〜。あの結末の前にフラッシュバックされる、セイディ・バーク( パトリシア・クラークソン)、タイニー・ダフィ(ジェームズ・ガンドルフィーニ)の表情。彼らがどんな意図があって、誰に何を言ったのか。真実はわからないけれど、この映画の語り部ジャック・バーデン(ジュード・ロウ)が、一瞬にして想像したことが怖い。全ては彼らが仕組んだことではないか!? ウィリー・スターク(ショーン・ペン)を支持したがゆえに、ジャックはとってもひどい目に遭います。そのせいか、映画全体が厭世的というか退廃的な気だるさに覆われており、ゆる〜いテンポで進むので途中ウトウトしてしまい、わからないところもあるのですが、話の内容は大変面白かったです。
狭義での政治の世界は(この映画では)、権謀術数渦巻き、利権に絡む不正で懐を潤す魑魅魍魎の世界です。清廉な出納係だったウィリー・スタークも知事になった途端、同じ穴の狢(むじな)です。この狢、それまでの利権で甘い汁を吸うだけの知事と異なり、道をつけ学校を増やし、病院を無料にしたりと、庶民の幸福を実現しつつあるので絶大な人気です。(もしかして、演説がうまいせいかも?)しかし、庶民の幸福を実現できさえすれば狢であってもいいのかというと、悩ましいところです。 まあ、ジャックにとって、ウィリーが狢になった時点で理想的な政治家は失われたわけです。しかも、他にも色々知ってしまい、理想的な恋人も尊敬する隣人も失ったのです。親友も、親友との思い出も苦いものにならざるを得ないことと思います。 TOHOシネマズ高知3 2007/4/7 |
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