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アフター・ウエディング 孤独が身にしみる |
主要人物が3人と少ないにも関わらず、大変濃密な心模様が描かれていました。親子、恋人、夫婦という関係性や、過去、現在、未来について、あるいは愛別離苦、共生という状況など、どれを取り出しても語れそうですが、私は「ヨルゲン(ロルフ・ラッセゴード)vsヤコブ(マッツ・ミケルセン)」で行ってみようかと(笑)。
その前に人間、鹿、猫などの目の度アップや、植物の綿毛(種子)をとらえた映像について。 ●以下、もちろんネタバレ〜
内面の美しさや深さが顔に表れているヘレネ(シセ・バベット・クヌッセン)は魅力的な女性です。若い頃はこれほど深くも静かでもなかったろうと思いますが、きっと娘のアナ(スティーネ・フィッシャー・クリステンセン)より自我のある女性だったろうと想像します。 一方、ヤコブと別れたヘレネがデンマークへ帰国後、結婚したヨルゲンは善き夫であり、子どもたちにとっては善き父であります。しかも、莫大な資産があるので、彼が亡くなっても遺族は生活に困らないでしょう。それでも、彼は不充分だと思っていて、自分亡き後、妻と子の心の支えになる人物を傍らに遺そうとします(涙)。そのために必死になります。しかし、そんな彼も他人には、それほどの思い遣りを示しはしないでしょう。仕事では鬼にも蛇にもなったでしょう。駆け引きも上手いはずです。良かれと思えば嘘をつきとおす肝も据わっています。もしかしたら、ヘレネがアナを妊娠中、実父であるヤコブを探しだしておきながら、双方に伏せていたかもしれません。彼は成熟しています。ただし、悟りを開くまでには至っていません。
さて、「ヨルゲンvsヤコブ」、軍配はどちらに!?
「ヨルゲンvsヤコブ」、そりゃ、悟りは開いてなくても成熟しているヨルゲンの方がつきあいやすいですよね。だけど、どうもスザンネ・ビア監督はヤコブに軍配をあげているんじゃないでしょうか?だって、ヨルゲン、殺しちゃってるもん。判官びいきとでも申しましょうか。ヤコブには、もっと修行する機会をあげなくちゃということではないでしょうか?私もどちらかというとヤコブタイプなので、ヤコブよ、共に頑張りましょうぞ!って感じ。 シネマ・サンライズ 高知県立美術館ホール 2008/1/29 |
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