■かるかん＞相棒　絶体絶命！４２．１９５ｋｍ 東京ビッグシティマラソン

泣いた。泣きましたね〜。犯人の思いに。
こういう現実の映し鏡のような娯楽映画が、もう少し多くあってもいいように思います。そして、映像が美しければ、なおよかったです。

●ネタバレ感想

Ｓファイルの内容は、諸刃の剣だと思います。政治家は国民を騙すということを描くには、Ｓファイルが必要だったかもしれません。しかし、Ｓファイルによってわかった事実（ゲリラの人質となったボランティア青年は退去命令を受けていなかった。政府はそのことを知りながら、青年が人質になったのは退去命令に従わなかったためで自業自得だと非難し、救おうとさえしなかった。）が明るみに出て当時の政府が非難されることの裏を返せば、仮に退去命令を受けていながら退去しなかったのであればやはり自業自得であり、政府に救ってもらおうというのは虫がいいということになってしまいます。
要するに、政府（権力者）の言うことに従う者は救い、従わない者は見捨てられて当然という考え方を是とすることになってしまうのです。これはとても危険な考え方なので、Ｓファイルのことはなくてもよかったとさえ思います。犯人を憲法学者にしたうえで、犯人が為政者を憲法違反だと勝手に裁き、成敗、かつ、復讐するということにしたら、更に社会性が深まったと思います。