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■かるかん>ノーカントリー|サッド・ヴァケイション
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ノーカントリー
NO REASON 死神は気まぐれ

う〜ん、眠ってしまいましたねぇ。つまんなかったですねぇ、ワタクシには。私の好きな俳優ウディ・ハレルソンは、テンガロンハットに花束と水色の服がよくお似合い。それが見られただけでもよかったと思いましょうか。

原題の"NO COUNTRY FOR OLD MEN"を見て、アメリカでも老人に安住の地はないのか・・・・などと何となく思ってしまいましたが(笑)。
保安官を引退したベル(トミー・リー・ジョーンズ)が、殺人鬼シガー(ハビエル・バルデム)に象徴される荒んだ世の中と自らの非力を憂い、亡くなった父親の年を優に超えた自分の行く末に待ち受けている死を意識したラストにはアメリカ映画らしからぬ味がありましたが、私は「それがどうした」というくらい冷めた目で見ておりました。
麻薬組織の金をくすねて逃走するルウェリン・モス(ジョシュ・ブローリン)が、めっぽうタフなのはなぜかという疑問には、彼はヴェトナム帰還兵であるという答えが用意されていました。しかし、シガーが殺人鬼となった理由には触れられてなかったと思います。(なんせ眠ったもので、あまり強く言えませんが;;;;。)別にシガーを常人には理解不能の異星人のごとく描いても一向にかまいません。60億人の中にはシガーのような人もいるかもしれませんし。また、世の中に不条理劇がどれほど多くあってもいいと思います。
ただし、犯罪の動機を充分に追及しないまま、犯罪者を自分とは異質であると線引きしたうえで理解不能の烙印を押し、犯罪者を激しく糾弾するようなワイドショーの司会者に同調する人が多すぎると感じている今現在の私には、いささか都合の悪い映画でして(笑)。『ノーカントリー』をご覧になってシガーを理解しようたって無理と思われた方には、対極の内容を持つアニメ『キリクと魔女』を是非ともご覧になって、その思いを中和していただきたいと願っています。

TOHOシネマズ高知5 2008/5/17
 
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サッド・ヴァケイション
息子の負け

泣く子と地蔵と女には勝てないって映画でしょうか(笑)。でもほら、間宮社長(中村嘉葎雄)を見ていると、「負けるが勝ち」じゃないですかね。楽天の野村監督と沙知代夫人を見てても「負けるが勝ち」だし(?)。
とにかく健次(浅野忠信)が魅力的で、その心模様がドキドキするくらい面白く、また、シャボン玉やとぼけた音楽によって醸し出されるえもいわれぬヴァケイションな雰囲気が心地よくも感じられ、心温まる(?)珍妙な映画だったと思います。

千代子(石田えり)の言動、女は理屈じゃないですね〜(笑)。だけど、男も理屈じゃないのです。この映画の登場人物ほぼ全員、理屈では動いてないと思うんです。「人は理屈では動かない」。←実は、息子の敗北よりも、こちらの方をまず感じさせられた映画でした。

とさりゅう・ピクチャーズ 自由民権記念館 2008/5/17
 
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