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■かるかん>大いなる陰謀|麦の穂をゆらす風
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大いなる陰謀
立て、立つんだ、若者よ!

トム・クルーズ、メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォードと大御所が出演している割に渋いんだけど、作り手が日頃思っていることを登場人物に直接しゃべらせ、思いの丈をぶつけたような熱い作品になっていると思いました。
要するに政治家ダメ、ジャーナリストもダメ。爪も牙も抜かれて若者もダメになってきたけど、「希望は君たちだよ、頼むよ、もう(願)!」という内容。

大統領を目指すアーヴィング上院議員(T・クルーズ)は、実績作りと人気取りのためにアフガニスタンである作戦を開始します。対テロ戦争のためのとってもいい作戦ということを市民に知らせてほしくて、自分に好意的だったジャニーン・ロス記者(M・ストリープ)に情報を漏らします。ロス記者は政治家のちょうちん持ちになりたくないし、何か臭うぞと悶々とします。
そうなんですね〜、いい作戦どころか、開始早々戦死者を出してしまうんだものね〜。上院議員は、記者に対しては戦死者が出たことを伏せて、いい作戦(対テロ戦争はやるべき)だと記事にせよというわけです。
戦死者が出たという情報を電話で受けて、悩ましい表情をする上院議員は良心が痛んだのだろうと思いますが、犠牲を払ってでも対テロ戦争をやり抜くという決意を新たにしたように見えます。それを「正しい」と思っていることがリーダーとしてふさわしいのかどうか。作り手の言いたいことはわかります。

また、作り手は単にジャーナリストがダメと言っているわけではなくて、勘の鋭い心ある一人のジャーナリストがいたとしても、組織で働く以上上司との戦いには敗れ勝ちと言っているようです。テレビなどのマスメディア(の役員)は、視聴率が稼げる情報に飛びつくのであって、決して市民の側に立った報道をするわけではないと。

そこで、長年若者相手に講義をしてきたマレー教授(R・レッドフォード)の出番。反戦デモに参加するような教授ですから、現在の政治家に満足できるわけがありません。優秀な学生に政治家になってもらいたい、世の中をもっとよろしく変えてほしいと思っています。しかし、近年の学生は覇気がないのです。見所があると思った学生は、志願して戦争に行っちゃうし。それでも残りの「優秀な」学生に期待を掛けずにいられない。そういう作品だと思いました。(優秀ではない学生も「ちょっとは考える人間」になるように育ててね。>マレー教授)

TOHOシネマズ高知3 2008/4/26
 
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麦の穂をゆらす風
テディをよろしく

3回目の鑑賞です。2回目のとき書いた感想はこちらです
ファーストシーンは、草ホッケー(ハーリング)に興じる主人公たちなのですが、3回目にして初めてテディ(ポードリック・ディレーニー)とデミアン(キリアン・マーフィー)を認識しました(^_^;。だって、大変動きの激しいシーンで人物が入り乱れているので誰が誰だかわからないんです。始まったばっかりだし。
テディはレフリーに何度注意されても言うことを聴かず突っ走るし、デミアンはそんなテディとレフリーの間に入って「まあまあ」って仲裁してる(笑)。ファーストシーンから、しっかりキャラクターの紹介ができてたんですね〜。さすが、ケン・ローチ。

で、3回目もやはり「ずずーん」ときました。
が、感想は軽いです(笑)。
デミアンはシネード(オーラ・フィッツジェラルド)あての遺書に「テディをよろしく」と書きます。初めて観たときは、「よろしく」と書かれた遺書を読んで果たしてシネードはどうするか!?とドキドキしながら観ました。そして、あの結末に「そーでしょーねー」「よろしく、つったってねぇ」と思ったものでした。
しかし、3回目ともなると「よろしく」の意味がわかってきました。それはデミアンにとってテディはあくまでも兄、内戦で敵味方にはなりましたが、本来敵ではありませんから、一義的には「可哀想な兄をよろしく」ということだと思いますが、作り手のメッセージとしては、「テディをよろしく=仲間同士で殺し合っている世界中の人々をよろしく」→「兄弟同士で殺し合っていることに気づかせて(気づいて)ほしい」ということだと思います。

それにしても、この映画を初めて観た直後に「これって、昔の話じゃないねー。今のイラクと同じや。」と言った友人には感心しました。すぐにわかるなんて偉いなー。流石、リバプールのサポーター(?)。

オフシアターベストテン上映会 県民文化ホール(グリーン) 2008/5/3
 
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