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■かるかん>フィクサー|王妃の紋章
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フィクサー

おもしろかったー!開巻、いきなりクライマックスで、何が何だかわからないけれど、登場人物のただならぬ様子にググッと引き込まれます。そのクライマックスから四日前にさかのぼり、出来事の概要が徐々にわかってきます。すなわち、『エリン・ブロコヴィッチ』や『インサイダー』などでも描かれた、大企業が消費者の健康被害の原因が自社にあると知りながら、知らぬふりをして裁判を切り抜けようとする話とわかってくるのですが、いや、まあ、とにかく渋い!渋く苦く深い。ここに描かれた三人の登場人物は、現代社会という巨大な鉄板にギリギリと押し潰されているようです。それが言いようもなく哀しい余韻を残すのだと思いました。
印象に残る風景がいくつかあって、映像としても丁寧に撮られているし、俳優も素晴らしい!アカデミー賞助演女優賞を受賞したティルダ・スウィントンもよかったけれど、ジョージ・クルーニーも演技賞ものでした。
個人的に心残りなのは、大事な伏線と思われる小説「王国と征服」の内容が記憶にないってことです。マイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)の幼い息子の愛読書で、この子は電話で父の親友アーサー・イーデンス(トム・ウィルキンソン)にこの本を読んで聴かせるのですが、アーサーはその内容になにやら啓示を受けるのです。これからご覧になる方は、しっかり覚えておいて、どうかお茶屋にその内容を教えてください。この本の描かれ方からして、重要な内容だと思うので、よろしくお願いします。

●ネタバレ感想

アーサー・イーデンス(トム・ウィルキンソン)
大手法律事務所の辣腕弁護士。どういう経緯かわかりませんが、顧客である農薬会社U・ノースの内部情報を手にして、自分が弁護している会社のあくどさを知ります。おそらく、これまでも顧客である大会社よりも、その訴訟相手の方に同情的で、自分の意に反する側を弁護しなければならないことが心理的圧迫となっていたのでありましょう、8年前にも心を病んだことがあり、親友マイケル・クレイトンの世話になっています。
今回、U・ノース社の内部情報を知って一時は取り乱すものの、良心と恋心に従うことに決めてからは、闘志が湧いてきたんじゃないでしょうか。怖いのは、この法律事務所の社長(シドニー・ポラック)がU・ノース社は怪しいと薄々知りながら仕事を引き受けていることで、アーサーもそれについて思い当たる節があったのかもしれません。法律事務所に対しても非難を浴びせていました。
アーサーの様子を見ていていると、人が心神喪失状態であるかどうかを判断するのはとても難しいと思います。心が壊れかけたと思ったら、まったくの正気に持ち直したり。単にやけになった状態と受け取れないこともないし。とにかく自分の意に反する仕事を長年やってきたストレスは心をむしばむってこってす。

カレン・クラウダー(ティルダ・スウィントン)
U・ノース社の法務責任者。出社前の服選びは、戦闘態勢を整えるがごとき。自らのキャリアを優先し、犠牲にしてきたものも多そうです。家族や恋人、あるいは信仰など精神的支柱となるものを持たず、安定からはほど遠く脆さが垣間見えます。男性社会の中でのし上がって重要ポストを手に入れたものの、雇われ人の域を出ず、その忠誠心は会社に隷属する兵士のようです。
カレンを見ていると、人は悪人だから人殺しをするわけではないということがよくわかります。まじめで職務に忠実。会社と一心同体となってしまっては、自分を見失う一方です。

マイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)

TOHOシネマズ高知3 2008/4/12
 
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王妃の紋章
超弩級の夫婦げんか
ぶわははは!中国〜。白髪三千丈〜。北京オリンピック〜。キンキラキン!いや、もう笑うしかない。圧倒的なビジュアル(音も結構すごかった)は、スクリーンで観る価値があると思います。
チャン・イーモウは『HERO 英雄』で東洋的精神世界をうまく描いていたと思いますが、似たような手法でギリシャ悲劇みたいな話を描いています。だけど、中国でしかありえんわ〜(笑)。コン・リー、チョウ・ユンファはさすがの存在感。次男は須藤元気(笑)?あのマザコンぶりは好きでした。
TOHOシネマズ高知2 2008/4/12
 
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