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■かるかん>愛を読むひと|そして、私たちは愛に帰る |
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愛を読むひと 読む人が語る人に |
監督:スティーヴン・ダルドリー/アメリカ、ドイツ/2008年/124分 ハンナ・シュミッツ:ケイト・ウィンスレット|マイケル・バーグ:レイフ・ファインズ、デヴィッド・クロス|教授:ブルーノ・ガンツ|ローズ・メイザー/イラナ・メイザー:レナ・オリン |
緻密に作られた奥深い作品だと思います。こういうのを名作と言うんだろうなぁ。
ところが、ファーストシーンを見逃したとばかり思って再び観に行って、恋愛映画というよりも、ナチスに荷担した一般市民を戦後生まれの若者が厳しく断罪することを描いて、「過去の失敗を現在の視点から断罪することに益なし」という普遍性を持たせた作品に見えてきました。 ハンナたちが被告となった裁判を傍聴した若者が、ハンナたちのみならず、ナチスへ荷担しながら裁かれずに潜んでいるであろう何千(何万?)という人々をも激しく断罪します。マイケルはハンナと愛し合った過去があるので、身内のことを断罪されている感じがしたと思うのですが、実際は身内ではないわけで、おそらく彼女と関係があるということを知られたくなかったのでしょう、迷ったものの結局、ハンナに面会に行きませんでした。感情ではなく法に従いたまえという教授のアドバイスがあったにもかかわらず。
二度目の面会(ハンナの出所1週間前)のときは、彼はカタルシスを求めていました。ハンナからの「ナチスに荷担したことを後悔している。出所はしても一生を掛けて償う。」みたいな台詞を期待していたのでした(多分)。それで後には、一方の当事者、生き残りのユダヤ人メイザー(レナ・オリン)に「カタルシスを求めているなら映画や小説をご覧なさい」と言われるのですが、その頃には彼は「贖罪と許し」のようなカタルシスは求めてなかったと思います。 斯くして、娘に聞かせる失敗談。それは恋愛話であり、戦争にまつわる歴史の話になるのだと思います。 TOHOシネマズ高知2 2009/6/20 |
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そして、私たちは愛に帰る トルコ・アイデンティティーでグローバル・スタンダードな映画 |
監督:ファティ・アキン/ドイツ、トルコ/2007年/122分 |
死に目に会えない親子は、世の中にたくさんいるでしょう。人間、いつ何時に死ぬかわかりませんから、愛し合っているなら会えるうちに会って、その思いを伝えるべし。そして、親子の愛情にイスラムもキリストもなし、というお話だと思いました。また、例外はあるにしても、親子の愛情こそグローバル・スタンダードじゃないの?と思ったり、それを描いて世界の観客に通じる映画は世界共通語だと感じたり。会い(愛)に帰るって洒落ですか、とも思いました(^_^;。まあ、とにかく見事なストーリーテリングで、トルコとドイツの三組の親子がメロドラマ的に絡み合う展開の面白さに目が離せませんでした。 あたご劇場 2009/6/28 |
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