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FLOWERS フラワーズ
少子化対策?
監督:小泉徳宏/日本/2010年/110分

私は家族の物語や女性ならではの葛藤を描いた映画が好きだ。そういう映画は家族のよさや、産み育む性としての女性のよさを自然と感じさせてくれる。ところが、たまに「命をつなげていくって素晴らしい。家庭を築くのはいいことなのよぉ。」と訴えかけてくる映画があって、そういう映画に対しては、「そりゃそうでしょうね、産んでなくて、どーもスミマセン」と謝ることにしている(笑)。で、『フラワーズ』は後者だったんだけれど、感動した場面があって、それが『20世紀ノスタルジア』以来贔屓にしている広末涼子がらみだったので記しておきたい。

姉奏(鈴木京香)が、父親のいない子どもを産むことの不安(や何やら)でむせび泣いている。妹佳(広末)は、布団のうえから、子どもをあやすように姉の身体を叩く。姉の状況や心の内は理解できている妹なのだ。何とか力になりたいのだけれど言葉にはならない。ためらいがちに姉に近づくところから、姉の背中をさするまで台詞が全くない。終いには思わず落涙の良いシーンだった。
もう一つは、奏が切迫早産だと医師から聴かされて、父(平田満)が「もしものことがあったら母胎を優先してください」と言うことから始まるシーン。母の命と引き替えに生まれた佳も傍にいたのに、そんなことを言ってしまった父はすぐに後悔して佳に謝る。するとしばらく間があって「大丈夫だよ」と佳が言う。「子どものときに、私が生まれなかったらお母さんは生きてたのにと考えたもの」と続けるのだが、そこで、それまでの佳の明るさがさんざっぱら悩んだ末に獲得した「強さを兼ね備えた明るさ」だったのだなと感じることができた。父の謝罪を受けとめる優しさと、つらい過去を乗り越えた強さを見せてもらえて良いシーンだった。

あと演技者で良いと思ったのは、若くはないという自覚があり、これまでの私はなんだったのか、これからどうなるのかと屈託を抱えた女性を演じた鈴木京香、エロ作家(長門裕之)とのコンビネーションも抜群でややこしいと言われる女性を演じて名コメディエンヌぶりを発揮した田中麗奈の二人だ。蒼井優は可憐。竹内結子は明るい表情がよく、仲間由紀恵は声がきれいだった。

TOHOシネマズ高知7 2010/6/20
 
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