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■かるかん>借りぐらしのアリエッティ|インセプション
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借りぐらしのアリエッティ
ジブリはジブリ
監督:米林宏昌/日本/2010年/94分

美しい〜〜。庭の緑、アリエッティの部屋、ドールズハウス。巨人が近づく音。「借り」の冒険。お話にそれほど心を動かされはしなかったけれど、大いに楽しませてもらった。これは目で観て楽しむ映画だと思う。あ、そうそう、「君たちは滅び行く種族だ」なんて、予告編から何回も聴かされて、失礼なことを言うヤツだと思っていたら、アリエッティが胸の空くような啖呵を切ってくれた(ちょっと涙)。翔もアリエッティの「生きる宣言」に感化されたようでよかった、よかった。
「借りぐらし」は「狩りぐらし」。ハルさんは泥棒と言っていたけれど、まあ、確かに拝借して返却も見返りもなしだからねぇ。でも、映画を見終わってデヴィッド・ボウイが大昔にインタビューに答えて「人間が所有意識を持ったのがまずかった」みたいなことを言っていたのを思いだし、小人たちが人間界のものを拝借するのは、人間が自然界のものを拝借するようなものではないかと思い至った。小人たちが「借り」と言って謙虚なのに対して、人間は自然の「恩恵」を忘れているのではないか。そう考えると、この映画はまさにジブリブランドなのであった。

TOHOシネマズ高知6 2010/7/18
 
[うえ↑]
   
インセプション
自分さえ良ければ
監督:クリストファー・ノーラン/アメリカ/2010年/148分
コブ:レオナルド・ディカプリオ|サイトー:渡辺謙|アーサー:ジョセフ・ゴードン=レヴィット|モル:マリオン・コティヤール|アリアドネ:エレン・ペイジ|イームス(変装名人):トム・ハーディ|ユスフ(鎮静剤担当):ディリープ・ラオ|ロバート・フィッシャー:キリアン・マーフィー|ブラウニング:トム・ベレンジャー|マイルズ:マイケル・ケイン|モーリス・フィッシャー:ピート・ポスルスウェイト|ナッシュ:ルーカス・ハース

わけがわからんが面白かった。私の直感は、この映画は胡散臭い(ロジック壊れ。ご都合主義。独自のルールを自ら破っているようなところがある。)と言っているけれど、勘が当たっているかどうか検証する気はない。怒濤の映像パワーと個性豊かな俳優のアンサンブルに寄り切られたという感じだ(どすこい)。映像パワーは、予告編を凌いでいることがまずもってめでたい。俳優はみんな良かった。トム・ベレンジャーとルーカス・ハースは後で彼らだとわかってビックリだった。童顔王ディカプリオが、アリアドネに対し妻とのことを話すときの表情には、一定の経験を経た者の深さと穏やかさがあって(アリアドネの初々しさとの対比も効いていて)、大人になったなぁと改めて思った。キリアン・マーフィーの繊細な演技にはノックアウト状態で(笑)、こんな可愛らしい人を陥れるなんて、いけないことだと思う。コブとモルの「とことんラブな世界」を私は気に入っているので、コブを何とか帰国させてやりたいという気持ちはあったが、そうなることで結果的に企業間のアンフェアな競争を是とする作品になっていることに居心地の悪さを感じる。

TOHOシネマズ高知6 2010/7/23
 
[うえ↑]
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