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めざめ
ちょっと眠った
監督:デルフィーヌ・グレーズ/フランス、ベルギー、スペイン、スイス/2002年/132分

何とも珍妙な作品だった。闘牛士の肝臓を一突きした牛が解体され、角やら骨やら目玉やらが色んな人のところへ渡る。その色んな人の人生の一コマが、まったりとしたテンポで描かれる。当人たちにとってはアイデンティティに関わるような深刻な事柄が、とぼけた調子で描かれており、私は若干笑えた。妻が身ごもっているのは五つ子(不妊治療)とわかったとたん産気づき、配達にきたピザ屋といっしょに妻を抱えて階段をエサホイサッサ(笑)。近所の子どもとピザをつつきながら分娩を待つ。剥製作りの母子も、女優志願と自殺志願の男女も、犬を飼っている一家も、保育士とその母も、どこかしら可笑しい。悩み事も俯瞰すれば喜劇ということだろうか。また、牛の取り持つ縁とでもいうか、例の牛のステーキを食した後、走行中の車の前に飛び出して亡くなった人の肝臓が、瀕死の闘牛士に移植されたりなんだりで、登場人物がつながっている。つながっていると言えば、場面と場面もいろんなアイテムでつながっている。闘牛士の「ピンク」の靴下が印象的と思ったら、次のシーンは「ピンク」のタイツの女の子。女の子が発作で「床に」仰向けになっているかと思ったら、俳優のオーディションで「地面」での「格闘」シーンにつながり、お次は床で「いちゃつく」シーンというふうに前後の場面を何らかで関連づけて数珠つなぎにしているみたいなのだ。このことからも、作り手は「つながり」を意識しているように思った。『バベル』や一連のキェシロフスキ監督作品のように「みんな、どこかでつながっている」というようなことを描きたかったのかもしれない。

シネマ・サンライズ 高知県立美術館ホール 2010/11/17
 
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