上映会場である平和資料館「草の家」の場所を知らないので、
電車通りの南の道筋を東へ西へとあみだくじをたどるように
歩いて、「もう、ここで升形は終わりだがなあ」というとこ
ろで見つけました。
スクリーンは白布、座席は折り畳みのパイプ椅子で20席く
らい、部屋の周囲の壁はシネフェス2000のポスターやチ
ラシのほかに、平和資料館らしく戦争の犠牲となった子供の
写真や戦時中の習字など戦争に関する資料が張り巡らされて
いました。
入場料はカンパ。貯金箱のように口が小さいのですが、上か
ら見るとお札が結構入っていそう。でも、気のせいかも。お
客さんの数は十数名といったところだから。
上映にあたっては「小夏の映画会」を主宰する方から前説が
ありました。ちと長いな〜と思いつつ、薔薇族という言葉は
この映画から来ているとの説明に「ほぉ〜」。次回は自由民
権記念館で、高知出身のプロデューサー大塚和さんと今村昌
平監督が初めて組んだ作品(すみません題名を忘れてしまい
ました。)を上映するそうです。
さて、映画の感想は、なかなか面白かったです。ゲイボーイ
(と映画の中で呼ばれていました。)を始め、奇怪な絵の展
覧会、マリファナでの乱交パーティーなどの素材や、時制を
バラバラにしたり、フィルムの早回し&サブリミナル効果を
狙ったかのような短いカットの挿入、音楽の使い方などによ
る素材の料理の仕方には、退屈はしないけれどそれほどの刺
激も受けませんでしたが、何がおもしろいかといって、ピー
ター、あなたは化粧がうまい!そして、ごめん、やっぱり研
ナオコに似ています。
それにしても16歳ですか。私はつい『御法度』の松田龍平
君と比較してしまい、ピーターの凄さを感じ入りました。
あと、路面電車が走っているのに驚いたし、淀川長治さんの
登場のしかたには爆笑だし、オイディプスの悲劇をあそこま
で引用したのに至っては呆然でした。すごく無理があると思
う(笑)。わからんではないけど。
とにかく、面妖な映画というのは、そのとおりだと思いました。