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2001年きまぐれ日記2月22日
『シベリアの理髪師』

う〜ん、やっぱモーツァルトの「フィガロの結婚」くらいは聴いておくべきだったなぁ(笑)。知らなくても楽しめたけどね。
オーソドックスな恋愛映画でね〜。こういうメロドラマ好きです。ああいうふうに恋に狂ってみたいですねぇ(笑)。たとえ、冒頭の少年兵が誰の息子か最初から察しがついたとしても、また、いろいろ詰めの甘い描写や挿話があったとしても、2時間40分たっぷり楽しめました。

今作の付加価値は、19世紀末のロシアの上層階級の描写でありました。ものすごく大らかで、ロシア人気質かくありきといった感じでした。ドストエフスキーの小説の登場人物などと違和感がなかったもの。
ヨーロッパの他の国々からは少々立ち後れ、洗練されてないけれど素朴で熱をもったロシア人の雰囲気が伝わってきます。
もちろん、この頃のロシアは、日々の暮らしもままならない、たくさんの貧しい人がいたはずなのですが、その辺はあっさりと大公暗殺団に代表させているだけでした。
これだけ大らかに描かれると、今のロシア人がいかに大らかさを奪われ息苦しい思いをしていることかと暗に言われているような気もします。それはアメリカでの軍事訓練の描写でも感じたことで、「昔はよかった」と年寄りくさいつぶやきの聞える作品でもあります(笑)。

それにしても、ロシア映画を観るたびに出てくる オレグ・メンシコフは、まるで役所広司みたい(笑)。他に役者はいないのでしょうか?たいへん魅力的な役者さんで、観るたび目がハート型になってしまうのですが。(注=役所広司には免疫があるのでハート型にはなりません。)
ホント頑張っていましたね〜。頑張りが見えるところがつらいですが、若干二十歳の仕官候補生を生き生きと演じていました。
だけど、映画って残酷です。メンシコフだけなら、マジで二十歳で通用したかもしれませんが、脇の仕官候補生が本物の若さで輝いていると、どうしても比較する結果、「二十歳には無理があるっしょ」ということになってしまいます。
キャサリン・ヘップバーンが『旅情』で30代の独身女性を演じたときは、50代でしたっけ?そりゃあ、演技力と念入りなライティングによって、30代に見えたんだと思いますが、回りに比較の対象がなかったことも重要なポイントだったのだと思います。
んで、メンシコフの話にもどると、年相応の役を演じた『太陽に灼かれて』サイコーだったな〜。もう一回観たい。
『コーカサスの虜』も思い出しますが、男二人が退屈をもてあまして殴り合うシーン。あれ、エロチックでしたよね〜。
最後にもう一人の主役、ジュリア・オーモンド。彼女ってレベッカ・デーモネイに似てませんか?途中までレベッカ(『ゆりかごを揺らす手』)女史だと思って見ていました。


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