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■ひきだし>屋久島「宮之浦岳」登頂記



屋久島「宮之浦岳」登頂記 11月24日
 
11月22日の晩に高知を出発して深夜にフェリーで九州に渡り、早朝に鹿児島に到着。朝焼けの桜島が美しー!そこからフェリーで4時間かけて23日のお昼に屋久島に到着。
いや〜、山の稜線が奇怪な形で実におもしろい。それが壁のように立ちはだかっている。迫力のある島だ。海岸線を車で一周2時間半の小さな島なのにスケールが大きい。杉は千年たたないと屋久杉とは言わない。千年未満は小杉だそうだ。緑生す季節に来ていたら、さらに迫力があるだろう。キングコングがいそうな感じ。
しかし、島にいる大型動物はシカと猿だけだそうだ。海岸線の県道をバスで半周したときに出遭った猿は、小顔で上品そうだった。屋久島環境文化村センターでわかったことだが、屋久猿は、本州の日本猿に比べて小さいのだそうな。島の特産物のパッションフルーツが好物で、猿害に苦慮しているとのこと。ちなみに、パッションフルーツのワインは、甘くて美味。
このワインの他に「縄文水」というミネラルウォーターが売られている。宮之浦岳に登ったとき飲んだ山の水と同じ味だ。ラベルには、超軟水と書かれていた。「縄文水」は、泊ったホテルの自動販売機で500ミリリットル180円の高値。屋久島環境文化村センターの売店では、うろ覚えだが130円だったか。フェリーでは150円くらいだったかな。よりによって一番高いところで買ったのが癪だが仕方がない。山から下りたばかりでものすごく喉が渇いていたので。
屋久島環境文化村センターというのは、帰る日(25日)に立ち寄ったのだが、説明付で展示物を案内してくれてなかなか勉強になった。それにIMAXシアターがあって、残念ながら立体ではなかったが、屋久島の四季や水の循環について巨大画面で見ることができた。ナレーションは安部寛。この人、色んなことやっているのね。声がちょっと暗かったけど。

さて、ツアーのメインである宮之浦岳は、実に変化に富んだ山だった。一日で五つの山に登った感じ。風邪を引いていたので、洟をかみかみ、朝の6時から夕方の5時まで歩きに歩いた。


宮之浦岳
投石平(半分よりちょっと進んだところ)からやっと山頂が見えてきた。といっても写真ではどれが頂上かかわからないかも。ここまで来るのに3時間以上かかっている。
写真はないけど、ものすごく透き通ってきれいな淀川(よどごう)を渡り、小花之江河(こはなのえごう)、花之江河(はなのえごう)の紅葉した高層湿原を通り抜け、備え付けロープを頼りに「せっかく登ってきたのにぃ」とか言いながら急坂を下り、また登りしてきた。この投石平の手前あたりから、背の高い樹木はなくなっている。
登りはじめは朝の6時で真っ暗だった。明るくなると下はうねうねとした木の根っこだらけ。杉やその他の樹木は思い思いに枝を伸ばし、「俺たちゃ自由だぜっ」て感じ。でも、実は厳しい環境ゆえ、生き延びるためにあっちこっち枝を伸ばしていたのだと屋久島環境文化村センターで知った。また、杉かと思えば石楠花の他、何種類もの枝が同じ木から伸びていて、これを着生植物というらしいが、もう、てんやわんやのミックス状態がおもしろい。生き延び方も色々あるものだ。


ロールケーキ
ツアーでいっしょだったおじさんが、「おやつにはロールケーキがあるきね」と言っていたが、この岩のことだった。他にも子豚の形をした岩やクマのような岩があり、島全体が岩でできていることがわかる。そういや、フェリーでロッククライミングの道具を背負ったグループを見かけたっけ。
石の名前など小学校の理科で習ったときは、まったく関心がなくつまらなかったが、屋久島は花崗岩が隆起してできたのだと聴き、また、その花崗岩の中に色の違う真四角の石があるのがおもしろく、俄然石に興味が湧いた。


宮之浦岳
投石平から投石岳、安房岳、翁岳、栗生岳の山腹を通っていく。翁岳のところは湿原が広がっていた。この辺は高低差があまりなくて、ケルンを置く余裕があるのだろう。もちろん、私にそんな余裕はないが、かろうじて写真は撮れた。
(道は、板を敷いたりしてかなり整備されている。これは人が歩く場所を限ることになるので、自然を保護することに役立っているし、人も迷うことがない。ケルンのような道標は必要ないほどだと思ったが、もしかしたら冬に登る人のためかもしれない。)


頂上
やった〜〜〜!頂上だぞぅ!!!その証拠写真。標高1935メートル。冬には何メートルも雪が積もるそうな。海岸沿いでは平均気温が20度で、年中ハイビスカスが咲いているというのに。
この日は、11月下旬とは思えないほどの陽気で、山の東側から入道雲がもくもくと、南西には間近に海が見えた。ぐるりの海を見回して洋上アルプスに登った気分を満喫したかったが、南西の海を見られただけでも万万歳だ。一月に35日雨が降ると言われる屋久島。乾季とはいえ、よくばっちゃいけない。
栗生岳から頂上までは、急坂でかなりきつい。頂上に辿り着く寸前に、貧血になりかけてもうだめかと思ったが、なんとか大丈夫だった。
今年は3月からいくつかの山に登ったけれど、最初の頃には酸欠と糖分の不足で貧血をおこしかけた。宮之浦岳でそんなことになっては大変なので、お中を空かさないように歩きながら食べた食べた。おかげでこの日で2キロ増。


永田岳
頂上に着いておにぎりを一個食べるとたちまち写真を撮る余裕が(笑)。いっしょに登った人や、周りの景色を何枚も撮った。特に永田岳はすばらしい眺めだったので、パノラマサイズで撮れることを思い出し、パチリ、パチリ。(パノラマサイズは下の写真です。)
さて、往はよいよい、帰りは怖い。下山は気をつけて。疲れているせいか、下山にも同じくらい時間がかかった。こんな急なところを延々とよく登ったなあと感心しながら降りる。
ツアーには、70代の人が何人もいるが、みんな余裕で降りている。下りなのに間隔が広がる。一番若手の私が一番体力がなく、杖を片手に身体を左右に揺らして降りていく。現役の働き盛りは、残業残業で運動する間もなく、体力のない世代かもしれない。
しかし、70代で登る人がいるなら、私もあと1回は登らなくちゃ。なにせ、『もののけ姫』の森のモデルとなったといわれる白谷雲水峡と縄文杉を見逃しているもんね。

まったくの余談だが、杉で有名なところだから、フェリー乗り場の観光案内所で花粉症の人は多いかと尋ねたら、湿気があって花粉があまり飛ばないせいか花粉症の人はいるが少ないかもしれないとのことだった。花粉症の人も臆することなく、来たれ屋久島へ!てな感じですかな(^o^)。
2001/12/09


 
宮之浦岳登頂記


頂上


永田岳


 
2001/12月


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