ロゴ
・映画情報→ ・上映中&予定 ・カレンダー ・グループ ・ピックアップ
・趣   味→ ・くりからもんもん ・鬼の対談 ・ベスト・キャラ ・かるかん
 
■ピックアップ>2005年オフシアター・ベストテン
 
外国映画55本
順位 映画名 主催者 観た人 × ポイント
(◎-×)
1 父、帰る シネマ・サンライズ 14 1 11 10
2 モーターサイクル・ダイアリーズ 市民映画会 12   9 9
3 ドリーマーズ シネマ・サンライズ 11 1 8 7
4 ライフ・イズ・ミラクル ムービー・ジャンキー 6   6 6
5 バッド・エデュケーション ムービー・ジャンキー 8   6 6
6 ビハインド・ザ・サン シネマ・サンライズ 9   6 6
7 運命を分けたザイル シネマ・サンライズ 11   6 6
8 スーパーサイズ・ミー ムービー・ジャンキー
四国文映社
11 2 7 5
9 やさしくキスをして シネマ・サンライズ 11   5 5
10 サマリア 高知アジア映画祭実行委員会 9 2 6 4



日本映画94本
順位 映画名 主催者 観た人 × ポイント
(◎-×)
1 運命じゃない人 県立美術館 6   6 6
2 カナリア シネマ・サンライズ 8 2 7 5
3 Little Birds〜イラク 戦火の家族たち〜 自衛隊イラク派遣差止訴訟高知原告の会 8 1 6 5
4 ある朝スウプは 県立美術館 6   5 5
5 赤ぱっち クラブ旭ワンコイン上映会 9   5 5
6 美女缶 県立美術館 3   3 3
7 世界大戦争 県立美術館 4   3 3
8 WEEKEND BLUES 県立美術館 6   3 3
9 青〜chong〜 県立美術館 3   2 2
10 約三十の嘘 ムービー・ジャンキー 7   2 2
  ジョゼと虎と魚たち 朝日新聞高知総局 13   2 2
  ゴジラ 県立美術館 13   2 2
  東京原発 映画「東京原発」と講演実行委員会 12 4 5 1
  父と暮せば 高知市総務課国際平和係 13 4 5 1
  チリダンス CLUB8実行委員会 4 1 2 1
  モル 県立美術館 5 1 2 1
  雨月物語 県立美術館 5 1 2 1
  wiht…若き女性美術作家の生涯 高知バリアフリー映画会実行委員会 5 1 2 1
  火火 高知バリアフリー映画会実行委員会 6 1 2 1
  日本国憲法 平和憲法ネットワーク高知 6 1 2 1
 
■概況

1月29日(日)に朝日新聞高知総局の会議室で、2005年高知のオフシアター・ベストテン選考会が開かれました。オフシアター・ベストテンは、自主上映グループの皆さんが1998年から始め、朝日新聞が主催者に加わってからは4回目の開催となります。

参加者は、自主上映に携わる方々と公募により参加した映画ファンの計16名でした。今年は、初参加が4名と多く、定員までもう一息となりました。

結果は、朝日新聞高知版のページに、1月30日(月)に速報が、2月2日(木)に詳細が発表されていますが、私も参加しましたので以下にレポートします。

なお、第1位の作品『父、帰る』『運命じゃない人』は、4月7日(金)、8日(土)に高知県立美術館ホールで高知未公開作品とあわせて無料で上映される予定です。

■ルール
選考方法は以下の1から7までのとおりです。このルールの最大の特徴は、ベストテンに入れたくない作品に対して拒否票を投じることができることです。
うえの表の◎欄はベストテンに入れたい人の数、×欄は拒否票の数、ポイント欄はベストテンに入れたい人の数から拒否票の数を差引いた数です。

  1. 投票権は一人10票までで、1作品1票。
  2. 拒否権は一人3票までで、1作品1票。
  3. 投票結果を見て、拒否権を使いたい人がマイナス票を投票。
  4. 投票数とマイナス投票数の差引きポイントで順位を決める。
  5. ポイントが同点の場合は、得票数の多い作品を上位とする。
  6. ポイントも得票数も同じ場合は、観た人の少ない作品を上位とする。
  7. 投票をするまえに、自由に推薦や批判の弁を募る。

■外国映画の順位について
『父、帰る』がダントツの支持を得て第1位となりました。支持票11票は、2003年の第1位となった『ボーリング・フォー・コロンバイン』の10票を抜いて歴代第1位です。
支持する理由は、「次にどうなるのか目が離せなかった」「父親の果たすべき務めが、わずか数日の間に凝縮されて描かれていた」「青緑を基調とした絵画的な映像が美しい」というものでした。「作品としての完成度が高く、好き嫌いを別として支持せざるを得ない」という極めつけの意見に相槌を打っているうちに、拒否票の理由を忘れてしまいました(スミマセン)。
(と書いたところ、選考会に参加された方から、拒否票理由について、当サイト掲示板に書き込みがありました。ありがとうございます〜。拒否票理由の記憶を辿る

『ドリーマーズ』は、ベルトルッチ監督が息を吹き返したと支持票を集めました。ところが、「それほどのものではない」として上映した当人から拒否票が入りました。この方は、自分が上映した作品であっても、当人の予想以上の順位になったときは、拒否票を投じておられるようです。今回も第3位は上位すぎると思われてのことでしょう。しかしながら、1票の拒否では順位は不動。ベルトルッチファンは、胸をなでおろしました。

『スーパーサイズ・ミー』『サマリア』の拒否票は、順位の調整のために入ったものです。例えば、「『ライフ・イズ・ミラクル』より『スーパーサイズ・ミー』が上位なのは許せん」とか、「『サマリア』より『ビハインド・ザ・サン』が好き」という意見があったとご想像ください。

特筆すべきは『ライフ・イズ・ミラクル』でしょう。見た6人の全員が支持しており、「1位を争うくらい力のある作品」とまで言われましたが、見た人が一桁では支持票の伸びようがありません。勢い「クリスマスイブ(12月24日)に上映したのが悪い」「暇な人しか見に行けん」とか言われました。
「暇な人」と言われたも同然の6人の方(お茶屋を含む)、暇でよかったねー(笑)。お陰で、よい映画を見れました。

■日本映画の順位について
2005年のオフシアター上映は、外国映画が55本、日本映画が94本でした。日本映画の上映数の方が多いのは、2005年が初めてです。しかし、94本のうち、旧作が38本、前年又は同年の劇場公開作品(先に県民が選ぶ映画ベストテンの対象となっていた作品)が5本ありますので、実質的にオフシアター・ベストテンの対象となるのは51本と言えるでしょう。

選考結果にもそのことが現れており、うえの表のうち拒否票が入ってベストテン圏外に弾き飛ばされた『東京原発』『父と暮せば』『火火』は、前年又は同年の劇場公開作品です。また、同じく『wiht…若き女性美術作家の生涯』は近年の作品ですが、2003年に既に自主上映されています。『雨月物語』に至っては、1953年にヴェネチア国際映画祭において銀獅子賞を受賞した名作ですから、“2005年の”オフシアター・ベストテンには相応しくないとして拒否票を投じられても文句は言えません。

このように“2005年の”ベストテンには相応しくないとして圏外に飛ばされた作品がある一方で、1961年の『世界大戦争』が第7位になっています。
この作品は、高知県立美術館が主催した特撮映画大会で上映されました。上映されたのが、8月6日(広島に原子爆弾が投下されたと同じ日)であったこと、映画の内容も核戦争を取り扱っていたことなどにより、戦後60周年に当たる2005年のベストテンに残してもよいのではないかという意見があり、拒否票を投じられることなく第7位に踏みとどまりました。

7票の支持を集めた『カナリア』は、暫定第1位でした。親や社会に捨てられたような子どもたちの声にならない慟哭を、痛ましくもじっくりと捉えた胸を打つ作品でした。拒否票が2票入っていますが、『カナリア』を落とすためのものではなく、2票とも『運命じゃない人』を第1位にしてアンコール上映させんがためのものです。また、『Little Birds〜イラク 戦火の家族たち〜』に拒否票が入ったのも、第3位にまで沈んだ『カナリア』を浮上させるためでした。

第1位となった『運命じゃない人』は、見た6人の全員が支持しています。支持の理由は、「ビリー・ワイルダーとジム・ジャームッシュを足して割ったような作品」「正直者が救われるコメディ」「ストーリーを話せないが、とにかく脚本・セリフがいい」「アンコール上映で、ぜひ、多くの人に見てもらいたい」などです。
監督の内田けんじは、第8位の『WEEKEND BLUES』も監督しており、「久々に名前を覚えようと思った監督が現れた」という意見に同感であります。

第10位争いに最後まで残った『日本国憲法』は、拒否票が入り圏外となりました。その理由は、「意義の有る映画かもしれないが面白くなかった。面白くない映画をベストテンに入れたくない。」というもので、ベストテンの原点に立って爽快でありました。

■参加しての感想
1 順位について
順当な結果になったと思います。外国映画は上映本数が半分に減ったにもかかわらず、ベストテンになった作品は、2004年の10本に勝るとも劣らず、層の厚さを見せつけられました。
日本映画のベストテンには、高知県立美術館が主催したぴあフィルム・フェスティバル・セレクション上映会から5本も入っています。PFFセレクション上映会がなかったら、ベストテンはどうなったことやら。外国映画に比べて層が薄いのは否めません。

2 アンコール上映の影響について
参加された皆様方はどうかわかりませんが、お茶屋個人としては、第1位の作品がアンコール上映されることが順位に影響しています。仮に、アンコール上映されないのであれば、『カナリア』が第1位のままでもよかったです。アンコール上映されるというので、それなら『運命じゃない人』を第1位にってことで。
また、万が一『バッド・エデュケーション』が外国映画第1位になったとしたら、アンコール上映を阻止するために拒否票を入れるつもりでした。
『バッド・エデュケーション』は、個人的にはもう一度見てもよいくらいですが、アンコール上映で大勢の方にお見せするとなると話は別です。当サイトの紹介で『バッド・エデュケーション』を楽しみに見に来られた方が、途中で帰られたんです。生々しいベッドシーンに耐えかねたのかどうかはわかりませんが、途中で帰る人がいるような作品は、なんだかおすすめしにくいではありませんか。だから、「アンコール上映阻止=第1位拒否」するつもりだったのであります。(そんな展開にならなくてよかったー(笑)。)

3 『ヴィタール』
選考会の楽しさは、他の人の感想を聞くことにもありますので、いろいろ質問してみるのも面白いかもしれません。今回もいい質問がありました。「新作、かつ、有名監督の作品でありながら『ヴィタール』に1票も入っていないのはなぜか?8人も見ていて、ポイント無しとはこれいかに?」
「悪くはなかったけど、塚本晋也監督には、もっと変なものを期待してしまう」「死体解剖とか表現はグロテスクでも、内容は健全で拍子抜け」「塚本監督じゃなかったらベストテン入りしていたかも」などと意見が出ました。
この質問のお陰で話題になってよかったですね。

■『父、帰る』の拒否票理由の記憶を辿る
ヤマさんから(2006/02/14 (火) 22:34)
『父、帰る』の拒否票投票理由の件は、僕の記憶では、確か『モーターサイクル・ダイアリーズ』支持がゆえのものだったような気がします。
ただし、賛同者が他になく順位に影響しませんでしたが…。
ガビーさんから(2006/02/17 (金) 23:34)
選考会で、「父、帰る」にマイナス点が入ったのは、下位の作品を押し上げるためというより、初めて観るお客さんの困惑や、大きな謎が解明されないことに対する不満に配慮しての意見だったと思います。
実際、ミニシアター系の作品を普段見慣れている人にとっては、受け入れがたいことではないのですが、無料上映ということもあり、日頃一般映画しか観ないお客さんにとっては、何コレ?というとまどいは当然あるでしょう。
しかし、Tさんの質問にお答えしたように、上映後のお客さんのアンケートの中には、困惑はあっても、作品がつまらないとか駄目だとか言う否定的な評価はありませんでした。
あの映画は、ちょうどドーナツのような作品で、真ん中に大きな謎がぽっかりと空いているのですが、周囲のリングが強固に形成されているので、それが欠点にならないのです。それを、お客さんも感じ取られたのだと思います。

■選考結果表(情報提供:高知のオフシアター・ベストテン選考会事務局)
ベスト10及びベスト11以下の得点が一覧になっています。また、選考の対象となった作品(2005年に高知のオフシアターで上映されたほとんどの作品)がわかります。
PDFファイルと画像ファイルを用意しましたので、お好きな方でご覧ください。
選考結果表(PDFファイル 115kb)
選考結果表(画像ファイル 約50kb〜70kb×5枚=326kb)

■2004年オフシアター・ベストテン




第51回県民が選ぶ映画ベストテン(2005年12月17日高知新聞より:応募総数1067)
順位日本映画外国映画
1ALWAYS 三丁目の夕日スターウォーズ エピソード3 シスの復讐
2MAZE〜南風〜チャーリーとチョコレート工場
3星になった少年ミリオンダラー・ベイビー
4電車男ターミナル
5交渉人 真下正義私の頭の中の消しゴム
6東京タワーオペラ座の怪人
7NANAオーシャンズ12
8亡国のイージスシンデレラマン
9春の雪宇宙戦争
10ローレライきみに読む物語


2006/2/6


  [うえ↑]



ホームサイトマップサイト内検索リンク自由|byお茶屋(連絡先)