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■くりからもんもん>とっておきの青春(5)『トレインスポッティング』 |
トレインスポッティング 登場人物は、左から・・・・
若者に仕事がないという問題はUKに限ったことではありませんが、時と場所が移って社会的な問題が解消されたとしても、人生の岐路に立つ若者はレントンと同じように悩むような気がします。
レントンが切り捨てたもの、それはドラッグ、故郷、友だちです。ドラッグは切り捨ててよかった、故郷にはそれほど未練はない、でも、友だちスパッドとの別れは胸が痛いです。単に仲が良かったからというだけじゃなく、残していくスパッドの状況が絶望的に思えるからです。 この映画は、田舎のどうしようもない閉塞感と、無傷ではいられない青春の一コマを描いた作品ですが、その描き方たるやポップというかサイケというか汚物というか(笑)。内容は鬱積したものがありますが、表現方法は発散型で、笑いを取りながら疾走するようなテンポで進んでいきます。その笑いには毒があって汚物も出てくるので、万人受けする映画ではないようですが、私には複雑なテイストの青春映画として深く胸に残っています。 |
●サントラ必聴 #1
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ソフィーの選択 実は『トレインスポッティング』以前に「選択=切捨て」の痛い映画を観ていたのでした。でも、悲劇として観ていたので、その選択にいくら胸を痛めても所詮は自分の身に降りかからない他人事だったのです。 作家志望の青年スティンゴ(ピーター・マクニコル)は、ユダヤ人生物学者ネイサン(ケヴィン・クライン)と影のある女性ソフィー(メリル・ストリープ)のカップルと仲よくなります。ともに過ごすうち、スティンゴは二人についての色んなことがわかってきます。ネイサンは実は統合失調症らしいということも。それを知って彼はソフィーに求婚します。ソフィーはそんな彼にアウシュビッツから逃れたときのことを話します。二人の子どもを抱えて逃げようとしたが、「子どものうち一人を手放せ、さもなくば二人とも焼却炉行きだ」と言われ、小さい方の子を手放したと。スティンゴとソフィーは、その晩結ばれますが、求婚されたソフィーが選択したのは・・・・・。 アウシュビッツでの選択は本当に胸が痛みます。でも、選択肢はそれより他にあったでしょうか。ソフィーは生涯その選択を乗り越えることが出来ず、その後の人生でよりよい選択肢があっても悲劇的な方を選んでしまうのです。 |
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