ロゴ
・映画情報→ ・上映中&予定 ・カレンダー ・グループ ・ピックアップ
・趣   味→ ・くりからもんもん ・鬼の対談 ・ベスト・キャラ ・かるかん
space
■かるかん>メメント
[←もどる] [すすむ→]



 
 
メメント
哀しみの復讐劇
MEMENTO
監督:クリストファー・ノーラン
レナード:ガイ・ピアース|ナタリー:キャリー・アン・モス|テディ:ジョー・パントリアーノ|db

●予告編を見て
じゃーん!都市圏で公開されヒットした作品がようやく高知にもやってきます。うれひー!
妻が暴行され殺されたショックで記憶が10分しかもたない男が主人公。彼は10分間の記憶をポラロイド写真におさめたり刺青をしたりして記録し、これらのバラバラの記録をもとに犯人をつきとめようとします。果たして犯人をつきとめられるのか?(それより、刺青をしている間に記憶がなくなるのではないのか!?)
主演は『L.A.コンフィデンシャル』のガイ・ピアース。『マトリックス』のかっちょいー姉ちゃん、キャリー・アン・モスも出ています。

●本編を見て
おもしろい!映画自体がバラバラのパズルのようだ。いろんなシーンを思い出せば思い出すほど「なぜ?」「どうして?」という疑問が山ほど湧いてきて、それを確かめるため、また見たくなる。ミステリーやジグソーパズルがお好きな人には、たまらない作品だと思う。しかし、私にとってこの映画のおもしろさは、主人公が記憶を保てず、覚えているのは生前の妻の姿あるいは死に行く妻の姿で、彼には復讐するしか他にすることがないという悲しみがひしひしと伝わってくることにあった。これは一重に主役のガイ・ピアースの演技の賜物だと思う。不安げで悲しみを湛えた瞳に胸キュン、刺青映えする肉体に見とれっぱなしだった。

●ネタバレ感想
そもそもレナードは、ジョン・Gという犯人の名前をなぜ知っているのかというところからしてわからない。ミステリーは大の苦手、考えることが大嫌い、そのうえ字幕に頼るしかないというハンディキャップを持っている私にしては、一晩も反芻してバラバラの場面をつなげることを試みた。しかし、つながるはずの場面が微妙に異なっていたりするからな〜。何かもう、どうでもいいやという気になってくる(笑)。ホントに辻褄が合うように出来ておるのかね、この映画?
おそらく友達とのオフミでは、「あーでもない、こーでもない」と侃侃諤諤やることだろうが、ここでは別のことを書いてみたい。

映画を観ている最中は、犯人はレナードではないかと疑ったこともあったし、最後では誰を信じていいのかわからず頭がぐるぐるした。しかし、結局、私は同情すべき主人公は疑わず、主人公の味方として映画を反芻することにした。そうすると、テディは(私はテディが犯人だと思っているが、この際、そんなことはどうでもいい。)、もし、犯人でないとしてもレナードを利用して殺人まで犯させたあくどい奴である。それだけならまだしも、更にあくどいのは、レナードが生きるよりどころとしている記憶を撹乱させたことだ。
レナードの思い出で彼が妻の腿をつねって戯れるシーンがあったが、テディの撹乱作戦によって、つねっているのか注射をしているいるのかわからなくなってしまう。レナードの確かだった記憶がテディの一言によって、たちまちあやふやなものとなる。宝物のような記憶を悪意ある人によって不確かにされてしまうのだ。レナードにとって記憶障害になる前の記憶を犯されることは、アイデンティティの危機と言ってよいのではないだろうか。レナードがテディを殺す動機には十分だと思う。

ただ、確かだと思っていた記憶が実は思い違いだったということは往々にしてあることや、人間の頭って不思議なもので、忌まわしい記憶だと自分に都合のいいように書き換えてしまうことがあることを私だって知っている。テディはあくどい奴には違いないが、彼が言ったこと(レナードの妻が糖尿病でサミーは詐欺師)が本当だとすると、この哀しい映画が更に哀しくなる。レナードは自ら創作した記憶をよりどころに生きていることになるからだ。しかも、自分がインシュリンの打ちすぎで過失死させた妻の死を強姦殺害にすりかえている可能性も出てくるし(^_^;。
あの〜、レナードが燃やした妻の思い出の品にクマのぬいぐるみ、置時計、読み古しの本の他に注射器入れってなかったよね????なんか、長四角の箱のようなものもあったような気がするな〜;;;;;。
う〜ん、感想を書き始めたときは、「その後、レナードはどうしているのだろう(うるるん)。」といった感じでしっとりと終わるつもりだったが、やっぱ、「もう一度見に行きます(く〜っ)。」で、お、し、ま、い。


あたご劇場 2002/04/13


  [うえ↑]



ホームサイトマップサイト内検索リンク自由|byお茶屋(連絡先)