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■かるかん>害虫|模倣犯
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害虫
はかなげな魔少女の運命やいかに
監督:塩田明彦
北サチ子:宮崎あおい|緒方智:田辺誠一|
沢木哲|天宮良|石川浩司|蒼井優|伊勢谷友介|りょう

おもしろいです。
観る前は『リリィ・シュシュのすべて』のような胸が痛む青春残酷ものだろうと覚悟していました。また、予告編を見て主人公の女の子は、自分のことを誰にも振り返ってもらえない邪魔者の害虫だと自覚していて、小学校の担任だった田辺誠一との文通だけが心の支えというような暗い作品かと思っていたのです。
ところが、観てみれば魔性の少女に出遭った男という男がふらふら〜と惑わされてしまうという作品で、たいへん面白く観ることができました。

確かに、この映画に盛りこまれたエピソードは、少女の寂しい家庭環境や学校での疎外感など明るいとは言えないものだし、その他にもいじめや援助交際の微かな断片を感じさせるものではあります。
だから、見終わった直後の感慨は、これから彼女はどうなるのだろうと何ともいえない先行き不透明な心持でした。
けれども、私はすぐに、本人にはまったく害意がないのに周りの男を惹きつけ、色んな意味で害してしまう魔少女を描いたエンターテイメントと割り切ってしまったので(だって、宮崎あおいに密着したカメラがそう言っている(笑))、私にとっては楽しめる作品となりました。

田辺誠一なんか可哀相ですよ〜。彼は、宮崎あおいが小学校のときの担任で彼女に恋してしまうのですが、相手は小学生で、しかも教え子です。彼の動揺ぶりを想像すると、可哀相で可哀相で・・・・・・嬉しかったです(笑)。光源氏みたいに自分好みに育てちゃったらいいんだよって、フェミニストらしからぬアドバイスをしてあげたくなりました(笑)。でも、無理でしょうけどね。いっしょに破滅するならともかく、魔性を手なずけるって至難の技でしょう。

話がそれてしまいましたが、ラストシーンのあと宮崎あおいはどうなるのでしょう。落ちるところまで落ちるのでしょうか?でも、落ちるってどうゆうこと?仮に苦界に身をやつしても、彼女は彼女のままで少しも変わらないような気がします。それは落ちるということではないでしょう。

(本物の害虫は駆除できますが、この害虫は駆除できませんというか、してはいけません。そういう意味では、この映画のタイトルは『天災』でもよかった?(^_^;)

あたご劇場 2002/06/30


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模倣犯
平凡な人間の勝利

監督、脚本:森田芳光
網川浩一(ピース):中居正弘|栗橋浩美:津田寛治|高井和明:藤井隆|
前畑滋子:木村芳乃|有馬義男:山崎努|塚田真一:田口淳之介

あまり評判がよろしくないようですが、私はおもしろく観ました。


●ネタバレ感想
非凡人対凡人の対決という風に観ると感動的ですらあります。また、あのラストに至っては、ピースという奴はそこまで考えてたのか、とんでもない最悪の犯罪者だと思っていたけれど、彼にも彼なりに人類全体というか人間性について絶望もしきれず、かといって希望も持てなかったのだな、有馬に希望をたくしたのだなと思いました。また、ピースは、自分のことだけではなく人間とはいかなるものかということを、世間に知らしめようとしていた珍しい犯罪者だとも思いました。 自らを一般の人々より高いところに位置付けて、自分でも本当の答えはわかっていないことについて説教するための犯罪だったのかと。

この映画については、言いたいことがたくさんあります。たとえば、ピースと浩美の食事の不味そうなこととか、肉ばかり食べちゃいかん、畳に座って豆腐を食べんと(笑)とか、ピースと浩美に馬鹿にされていた高井が意外と鋭いやつだったことや、病院の廊下で娘婿の発言に脱力している有馬が可笑しかった(山崎努うまい)ことなどなど。
また、例の(○○○が自爆したときの)CG処理について、私はたいへん気に入っていることも言いたいことの一つです。あれをリアルにやられたらたまりません。あんなシーンをリアルには見たくもないです。あ、そうそう、ピースが登場するまでの犯人の言動には、本当に胸がむかつきました。←これも言っておきたい。
むかついたと言えば、あの編集長も。ったく・・・・・。

他にもいろいろ言いたいことはありますが、一番感動したシーンについて書いて終わりにします。それは、犯罪の被害者の遺族としての思いが伝わってきたシーンです。テレビで「事件は解決しました。」と言われて「解決なんかしちゃいない。終わらせるつもりか!」と声を荒げる有馬。それに対して「終わらせてください。」と震える声でいう塚田真一。抱き合う二人。いや、もう、思い出しても涙がにじみます。
犯罪の被害者の遺族についての作品であったとも思います。

高知東宝1 2002/07/01


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