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■かるかん>壬生義士伝|ドニー・ダーコ|レッド・ドラゴン
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壬生義士伝
侍ってや〜ね
監督:だぁ〜れだぁ
中井貴一|佐藤浩市

泣きましたよ、おもしろかったですよ。でも、泣けておもしろい映画が良い映画とばかりは言えないし、好きな映画とも言えません。(だから、「よくも泣かしたなっ」という感じ(笑)。)
主要人物をのぞくと登場人物がみんな漫画みたいに滑稽で、この映画の(というか主人公の中井貴一の)まじめな雰囲気を壊していると思います。また、物語の進み具合はフラフラしており、演出には締りがなく、絵的にも雑然としていて美しくはありませんでした。良かったのは佐藤浩市と中井貴一の演技であり、特に中井貴一はすばらしく、彼は現代の市川雷蔵だと前々から言っている私としては、その意を強くするばかりでありました。

それにしても中井貴一が演じた貫一郎は、家族のために脱藩したくせに、最後には仕事を選んで自滅して行ったのにはガッカリしました。更に、彼の息子まで「義」のために死にに行くのは、むかっ腹が立ちました。
侍って本当にいや〜ね。
『たそがれ清兵衛』には選択肢はなかったですが、あの場面の貫一郎には逃げるという選択肢があったじゃないですか。家族思いのふりをして、家族より「義」という仕事&侍の誇りを選んだ貫一郎。家庭人としての誇りを貫いた方が、ずっとカッコよかったのに。価値観の相違ですかね〜?

高知松竹3 2003/2/1


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ドニー・ダーコ
青春の懊悩とSF
Donnie Darko
監督&脚本:リチャード・ケリー|製作総指揮:ドリュー・バリモア
ドニー:ジェイク・ギレンホール|母:メアリー・マクドネル|ジェナ・マローン

ときおり破壊衝動にかられ、はけ口がなく不安定で、世の中の何でもが偽善に見える青年期の様子を実にスリリングに描いた作品だと思います。
また、タイムトラベルやパラレルワールドのSFや、果ては幽霊説まで、様々な解釈ができて幾重にも楽しめる稀有な作品です。

タイムトラベルとしてのネタが散りばめられているので、私は主にタイムトラベルものとして見ました。端から狂人のように思われているドニーや元教師の近所のおばあさんが、実は真実を知る者であったというのも面白いし。時間の穴を発見したドニーにだけ、自分の命と引き換えに愛する人を救うという選択ができるわけですが、生きる意味を見出せなかったドニーが死に甲斐を見つけたというのが、何とも切ない幸せです。

また、いっしょに見た友人は、パラレルワールドのどこかのですれ違った人たちが、未だ触れ合っていないこの世界で、ふと心の通じ合う瞬間を描いているように見えたとのことで、この見方は、まるでキェシロフスキ監督の映画のようで実に魅力的です。

少し暗くて不思議な味わいで、すぐに忘れてしまうのは、もったいない映画でした。

MovieJunky 高知県立美術館ホール 2003/2/6


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レッド・ドラゴン
悲しき犯罪者とレクター博士の退屈しのぎ
Red Dragon
監督:ブレット・ラトナー
ハンニバル・レクター:アンソニー・ホプキンズ|ウィル・グレアム:エドワード・ノートン|
フランシス・ダラハイド:レイフ・ファインズ|リーバ・マクレーン:エミリー・ワトソン|
ジャック・クロフォード:ハーベイ・カイテル|記者:フィリップ・シーモア・ホフマン

おもしろかったですね〜。登場する皆さんが病的で、大変ワタクシ好みです。

ノートン、ファインズ、ホプキンズと三者三様に病的なのですが、さすがレクター博士、明るいですね〜。牢屋に入って退屈でたまらず、グレアムをいたぶって楽しんでいました。やはり、グレアムくらいの頭脳の持ち主でないと、いたぶり甲斐を感じないのでしょう。レクター博士は、こういう人をこそ、「おいしそう」と感じるんじゃないかと思いますが、さすがに映画はそこまで変態になりきれていません。グレアムとの心理戦を純粋に楽しんでいるご様子でした。

一方グレアムの病み具合は、レクター博士のように突き抜けておらず、少々暗さが漂います。自制心の隙間から、疲れ切って不安定な心がかいま見えるのです。そういう心の裏側がわかると、レクター博士は楽しくてたまらないでしょうね。(私は楽しかったです。)グレアムも博士のようになってしまえば楽なのに、いくら博士に見込まれても、本人が「ああはなりたくない」と思っているので、うつうつと過ごすほかありません。

そして、もっとも痛ましく可哀相なダラハイド(涙)。レクター博士を崇拝し、博士のようになりたかったのに、ダラハイドにその素質はありません。彼にふさわしくない道を選んでしまったそのうえに、無垢なる女性に惑わされ、なかなかレクター道を邁進することができません。彼の嘆きが大袈裟すぎてちょっと可笑しいところがあったけれど、それはほんの数分だったので、私はこの悲劇に気持ちよく(?)浸ることができました。


●ちょっとネタバレ
私的には火災シーンで涙の幕引きだったので、その後の話は「おまけ」にしか思えませんが、「おまけ」でも並の映画のように楽しませてもらったので、これはこれで満足でした。

高知東宝1 2003/2/8


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