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■かるかん>半落ち|ミスティック・リバー |
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半落ち 片落ち |
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監督:佐々部清|原作:横山秀夫|脚本:佐々部清、田部俊行(2004年 日本 121分) 梶聡一郎:寺尾聰|原田美枝子|木樹希林|柴田恭兵|伊原剛志|吉岡秀隆|鶴田真由 |
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「原田美枝子と木樹希林が姉妹?うっそー!」とか細かいツッコミは色々あるのですが、よく出来た映画だと思います。それに、かなり泣けたし。 でも、どうして泣けたのか、今振り返ると、ようわからんな〜(笑)。 この映画の独自でおもしろいところは、梶(寺尾聰)の身柄が警察、検察、裁判所と移って行くと同時に、まるでバトンタッチするみたいに主人公がどんどん変わっていくところじゃないでしょうか。 妻殺しを自首してきた梶を取り調べる警察官(柴田恭兵)、送検された容疑者を取り調べる検察官(伊原剛志)、被告の罪を裁く裁判官(吉岡秀隆)、そして、全編を通じて事件を取材する新聞記者(鶴田真由)というふうに、それぞれがみんな、その時点で主人公だと思います。準主役でもいいけど。 そして、銘々が抱える問題は個人の問題に止まらないものなので、社会性を帯びた娯楽映画になっているところがよかったと思います。 例えばどんな問題かと言うと、警察が威信を保つため事件の真相解明に及び腰であることや、警察と検察又は警察と新聞記者の裏取引など、さもありなんですし、女性記者が社内で置かれている立場からは女性差別の問題が仄見えるし、果ては介護する者が陥る悲しくつらい感情から人間の生死についての考察など。1本の映画に無理なく収めたなあと感心しました。 ただし、手放しで誉められない点もあります。 |
●私の解釈とどうしてもわからない点 (ネタバレ感想です。) 結局、この映画はいくつか疑問が残るんですよね〜。それについての私のとりあえずの解釈を書きますと・・・・・。 ・死ぬつもりだった梶は、なぜ、新宿に行った後にでも死ななかったのか。→息子とも思える少年を見守りたい、それが妻の遺志でもあると思い直した・・・・・・・・、ということにしておこう。 ・梶が最後まで新宿に行った理由を言わないわけ。→少年のために、骨髄提供者が人殺しだということを少年や少年の周りの人に知らせたくなかった・・・・・・・・、ということにしておこう。 ・志木(柴田恭兵)が少年に骨髄提供者を教えたわけ。→少年が感謝していることを梶に伝え、梶に生きてほしかったし、少年とは「提供者が誰だか知りたい?」「はい、例えその人が人殺しであってもお礼が言いたいです。」という会話があった・・・・・・・・、ということにしておこう(汗×汗)。 で、どうしてもわからない点というのは、新宿に行った理由を言えば刑罰が軽くなるという(風に見える)話の展開です。まさか、骨髄を提供したから減刑されるというわけではないでしょうし、空白の二日間を自供しないから刑が重くなるというわけでもないでしょう。 新宿に行った理由(空白の二日間を自供しない理由)と刑罰の軽減は切り離して描くべきじゃないかなあ。 このあたり釈然としないまま泣いていましたね、わたくし(苦笑)。 それとこの映画は、警察が充分な真相解明(というか証拠集め)をしない理由を「警察の威信を保つ」ということに重きを置いているので、自白についての映画でありながら、自白偏重に対する批判がどうしても薄くなるのが残念でした。 高知東映 2004/1/8 間借り人の映画日誌の『半落ち』をめぐる往復書簡編集採録もぜひ、お読みください。 |
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ミスティック・リバー それでも川は流れる |
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MYSTIC RIVER 監督:クリント・イーストウッド|原作:デニス・ルヘイン|脚本:ブランアン・ヘルゲランド(2003年 アメリカ 2時間18分) ジミー:ショーン・ペン|デイヴ:ティム・ロビンス|ショーン:ケビン・ベーコン| ホワイティ:ローレンス・フィッシュバーン|セレステ:マーシャ・ゲイ・ハーデン|アナベス:ローラ・リニー|ケイティ(ジミーの娘):エリー・ロッサム|ブレンダン(ケイティの恋人):トーマス・ギーリー |
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怖いですね、怖いですね〜。切ないですね〜。この渋味と苦味、よろしいですね〜。ミステリーとして大変おもしろく、人間ドラマとしては、その倍以上のおもしろさ。三人の主人公が、失ったものの大きさと背負ったものの重さが、淡々とした演出と俳優陣の確かな演技を通して、見る者の心に静かに染み入ります。(もちろん、脇役にもそれぞれドラマがありました!抜かりがないねぇ。) 行間を読ませるといいましょうか、描かないことによって描いているといいましょうか、スクリーンには映ってないけれど観客に想像を喚起させるものがあり、それがあることによって深い映画になっていると思います。 こういう映画は、吹替えでも見たいですね〜。台詞とその意味合がとても大事だと思うので。字幕でも良い台詞があったけれど、字数制限があって訳し切れなかったでしょうし。 役者は皆いいですが、私は特にケビン・ベーコンがよいと思いました。こんなに色っぽいベーコンは、初めてだもん(えへへ)。それに、彼の演じた役柄は、精神が壊れもせず、犯罪者にもならず、三人の中では最も見せ場が少なそうな一般的なキャラクターですよね。普通を演じるのが一番難しいって言うじゃありませんか。それをあんなに自然に演じるなんて役者やのぅ。人生に疲れ、虚しさを抱えている様子が、何とも哀しく見えました。 ●ちょっとネタバレ おしまいのコンクリートの署名の場面は、なくてもよかったかな。冒頭で十分印象に残っていますので。 川を低い位置から撮っているラストシーン、いいですね。表面は穏やかでも水中はどうなっていることやら。いろんなものを飲み込んで、海に向って流れつづける川。 もう流れることのない川、リバー・フェニックスを思い出してしまいました。 高知松竹3 2004/1/10 |
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