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■かるかん>名もなきアフリカの地で|シービスケット
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名もなきアフリカの地で
亡命一家、それぞれのアフリカ
Nowhere in Africa
監督、脚本:カロリーヌ・リンク|原作:シュテファニー・ツヴァイク(2001年 ドイツ 141分)
イエッテル:ユリアーネ・ケーラー|ヴァルター:メラーブ・ニニッゼ|レギーナ(幼少):レア・クルカ|レギーナ(十代):カロリーネ・エケルツ|ジェスキント:マティアス・ハービッヒ|オウア:シデーデ・オンユーロ

大変おもしろかったです。アフリカでのロケーションは、美しく、スケール感がありました。
主人公一家は、ナチスの迫害を逃れてアフリカ(ケニア)へ亡命したユダヤ人であり、一家がアフリカにいた1940年から47年の間のドイツの状況が、ラジオや手紙で間接的に把握できるという工夫がよかったです。また、ケニアでは一時期、英軍に敵性外国人として収容されたり、英軍に入隊したりという歴史的背景があってのドラマとなっており、大河浪漫を愛する会二代目といたしましても満足、満足。
異文化への理解と環境への適応のし方の個人差や、夫婦の微妙な問題など、どこを取っても見応え十分な一本でした。

何と言ってもキャラクターが立っているところがいいですよね。オウア、かっちょいー!マラリアを治せるは、料理はできる、専門外の水運びや散髪を手伝ってやる心の広さもある、歩いてレドリッヒ家の元へやって来たときは、彼の身体と心の強さに感動しました。「強い」は「優しい」なんですね〜。現地の人であるという利点を除いても、やはりオウアは出来た人だと思います。

イエッテルは、いかにもお金持ちのお嬢様で世間知らずで、オウアに対しても差別意識まるだしでしたが、この人の成長はめざましかったです。女は開き直ると強い?イギリス兵との関係も屈辱的なものではなく、あくまでも取引であるという割り切りが感じられました。生白かったのに日焼けして心身ともに逞しくなって、この映画でもっとも学習した人、経験が糧になった人だと思います。こうなったら一人でも生きていけるよね〜。夫のヴァルター危うし(笑)。

イエッテルに恋したジェスキント、控えめすぎるんだよぉ〜(涙)。イエッテルとヴァルターの絆には隙があったんだから、奪っちゃえばよかったんだよぉ。一度しか言わないプロポーズの言葉も控えめで、他人が困るようなことを言えないし、出来ない人なんです。こんないい人には、何としても幸せになってもらいたいのですが。ううう、ジュスキント、私がいっしょに泣いてあげるわ。

ヴァルター、いや、もう、この人、可っ愛いーーー!!!イエッテル命のところも可愛いけれど、それ以外でも現地の人をちゃんと尊重するでしょう。さすが弁護士。この理想主義的なところも十分可愛いです。こういう人は、いつまでも若いだろうな〜。いつまでも純粋でいてほしいな〜。でも、悪く言えば大人になれないということでして、世界が広がらないのではないでしょうか。環境に応じて生き方を変える逞しさは持ち合わせていないし(自分は自分というよりも、自分は弁護士という意識から離れられない)、弱い人でもあります。何より妻も娘もアフリカの美しさに気づいているのに彼は気づいていません。これは確かに指導の余地ありです(笑)。

レギーナは、骨の髄までアフリカを吸収しましたね。これが子供の強さかなあ。

シネマ・サンライズ 県立美術館ホール 2004/1/22


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シービスケット
不況の時代も主人公
SEABISCUIT
監督、脚本:ゲイリー・ロス(2003年 アメリカ 2時間21分)
トビー・マグワイア|ジェフ・ブリッジズ|クリス・クーパー|エリザベス・バンクス|ゲイリー・スティーブンス|ウィリアム・H・メイシー

上品な語り口が、実に気持ちのよい正統派娯楽映画です。きちんと製本さた綺麗な単行本って感じかな。
それにしても、馬の走る姿、美しい〜。クライマックスの競馬シーン、手に汗握ってドッキドキ。
息子を亡くした自動車王、時代に取り残された調教師、親に棄てられ阿修羅となった騎手、負け組の烙印を押された暴れ馬。彼らが三位一体ならぬ四位一体となって、大恐慌の波をかぶったアメリカ市民の希望の星となったお話。
「少し傷を負ったからといって殺すことはない」という台詞がいいですね〜。傷を負ってささくれ立った若者の心を和ませたのは、痛みを知る大富豪の度量というのもグー。

●ネタバレ感想
最後の山場となった復帰レースで完全に遅れをとったシービスケットとレッドを見ながら、「勝つだけがすべてではない、こういう結末もいいか」と思いました。何せ、高知競馬で百戦連敗中のハルウララは、負けても走りつづけることによって、この不況の時代の人々の励ましになっているくらいですから。
でも、シービスケットは勝ちました。娯楽映画は、勝たなきゃ終われないよね、やっぱり!それがアメリカ映画なんだな〜。

高知東宝2 2004/1/24


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