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■かるかん>永遠の語らい|ジョゼと虎と魚たち |
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永遠の語らい 女の出番 |
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監督、脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ(2003年/ポルトガル、フランス、イタリア/カラー/95分) ローザ=マリア:レオノール・シルヴェイラ|娘マリア=ジョアナ:フィリパ・ド・アルメイラ|ジョン・ワレサ船長:ジョン・マルコヴィッチ|実業家デルフィーヌ:カトリーヌ・ドヌーブ|元モデルフランチェスカ:ステファニア・サンドレッリ|女優ヘレナ:イレーネ・パパス |
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いやー、驚きましたねー。オリヴェイラ監督作品が95分(短い)!しかも、わかりやすい! 若い母親と7歳の娘が、ポルトガルの港を出て地中海を東へ。母子は、マルセイユ、ポンペイ、アテネ、イスタンブール、エジプトの名所旧跡を見て周り、スエズ運河を通過してインドのボンベイで夫(父)と落ち合う予定です。 母子といっしょに観客の私たちも船旅の気分。景色はいいし、歴史の勉強にはなるし(?)、船にはドヌーブ、サンドレッリ、イレーネ・パパスの有名人が乗り合わせ、それに船長はジョン・マルコヴィッチです(ニコニコ)。 しかし、そんな暢気な気分で、いつまでいられることでしょう? ●ネタバレ感想 ラストシーンをばらしています。 ネタバレ、御注意ください。 いや〜、船長、つらいですね〜。つらい。 この船長は見たところ、これまで乗客と航行の安全を守る職務を全うしてきたし、人間味溢れる名ホストでもありました。 ところが、彼は取り返しのつかないミスをしてしまいます。どれだけ自責の念に駆られることか、心中を察するに余りあります。(自分の贈り物のせいだとは知らないでしょうが、知れば益々悔やまれるでしょう。) この映画の舞台が2001年7月の設定であることを冒頭で耳にしたとき、私は即座に9月11日のアメリカでのテロに関連した作品だと思いました。そして、思いもよらない展開ではありましたが、その勘は、みごと当たっておりました。あの船長の驚愕は、9月11日に世界貿易センターの二つのビルの崩壊を目の当たりにした世界中の人々の驚愕に重なります。 この映画は、貿易センターの崩壊を驚愕するだけではなく、「戦争を繰り返し、滅んだうえに新たな文明を築いてきた西洋文明の行きつくところが、また戦争(テロ)。どこかで間違った舵取りをしたのではないか。」と、あの船長が自分のミスを悔やみきれないように、9月11日以降の世界を悔恨で包んでいるような気がします。 それと同時に(3人の女優に個人史から世界史まで語らせたことなどから)、「これまで男性主導で動いて来た世の中を、これからは女性にたくそう。」とささやかなメッセージが込められているような気がするのですが、気のせいかな? シャンテ・シネ(日比谷) 2004/5/24 |
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ジョゼと虎と魚たち めだかと深海魚の恋 |
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監督:犬童一心|原作:田辺聖子|脚本:渡辺あや(2003年/日本/カラー/1時間56分) 恒夫:妻夫木聡|ジョゼ(くみ子):池脇千鶴 |
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おもしろかったです。 ジョゼの祖母などのかなり濃ゆい登場人物も関西弁をしゃべると何の違和感もなく、恒夫の弟など普通のキャラクターも適所に配置され、教科書の持ち主のエピソードなど笑えるところもありながら、しっかり本体(メダカのように浅瀬ですいすい生きている男の子と、身体に重い障害があり世間と接触せず深海魚のように生きてきた女の子の恋愛)が描かれていて、ほんと、感動しましたー。 恒夫とジョゼが、初めてセックスするとき、恒夫のそれまでの発散型セックスと異なって、ジョゼを愛しいと思う気持ちが伝わってきて、ジョゼの方の喜びも伝わってきて、大変微笑ましかったです。 元彼女が言うところの立派な人でない恒夫が、身体障害者のジョゼと暮らすのは、立派だからではなく、本当に好きで彼女のために何かしてあげたいからでしょうね。 しかし、元彼女も自分自身の醜さを自覚してしまって、つらかったろうな〜。恋ってつらいのね。 ●ネタバレ感想 恒夫は確かに逃げました。でも、私はジョゼも逃げたんだと思います。恒夫と結婚できるわけがない、いずれ別れのときは来ると自分に言い聞かせたのは、ジョゼの逃げ。そういう逃げ道をこさえてないと、さすがのジョゼも恋の終りは耐えられなかったであろう、と私は思うわけであります。 だからね、ジョゼもか弱い女の子なのよ。 う〜ん、恋ってやっぱり、ちょっと悲しいね。(でも、ジョゼの次の恋は、きっとバージョンアップしているでしょう!恒夫は、・・・・・あんまり変わらんかも〜(笑)。???) 間借り人の映画日誌の『ジョゼと虎と魚たち』をめぐる往復書簡編集採録も是非、ご覧ください。 シネマLTG 県民文化ホール(グリーン) 2004/5/25 |
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