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■かるかん>冬の日|スイミング・プール |
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冬の日 冬の日や ああ冬の日や 冬の日や |
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プロデューサー:島村達夫|企画・監督:川本喜八郎|音楽:池部晋一郎|音響監督:宇井孝司(2003年/日本/カラー/105分) |
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第1回高知ファンタスティック映画祭ということで、『冬の日』『アンダーワールド』『ホフマン物語』の豪華3本立て! 『アンダーワールド』(監督:レン・ワイズマン)は、『マトリックス』の後ではスタイリッシュな映像にもっと工夫がほしいところ。また、私的には、主役のケイト・ベッキンセールにも、彼女が恋をするスコット・スピードマンにも魅力を感じられず、ヴァンパイアの首領(色っぽい爺さん)をもっと見たかったです。 『ホフマン物語』(監督:マイケル・パウエル)は、オペラとバレエが合体したような映画だったので、昔の映画と知りつつも、音がよかったらいいのにと思いながら見ました。視覚的にケン・ラッセル監督作品っぽいと聞いていたとおり、衣裳やらセットに面白いものがたくさんありました。とは言うものの、ラッセル監督の稲妻のような演出とは異なり、ゆったりとした語り口にいささか眠気を誘われながら、詩人ホフマンの幻想悲恋物語を楽しんだ次第です。 そして、『冬の日』、ブラボー!素晴らしいです〜〜。笑いあり涙あり、SF、ファンタジー、色々ありの連句アニメでありました。 始めは、句→アニメ→句→アニメというテンポと、句の中の知らない言葉に付いて行けず、「うおー、教養がないと理解不能の映画だー!」と焦りましたが、まったくわからないと言う訳でもなく、また、アニメーションの表現の種類の豊富さ、表現のダイナミズム、発想のユニークさに惹き込まれ、「ずごい!おもしろいー!」と喜んでいるうちに、アニメは終り、引き続きメイキングに突入。それぞれの句を受け持った35組のアニメーターが、句をどのように解釈し、どのような技を用いてアニメーション化したか解説してくれました。 この解説(タイトル『冬の日の詩人たち』)を踏まえて、次の回でアニメ部分を再見すると、やはり初見よりよくわかり面白く、連句自体を味わえる余裕さえできました。 ただし、解説なしで再見して、自力で理解したかったという思いもあります。解説されると、そういうものかと思って見てしまい、解釈を限定してしまうことになるからです。 それにしてもユーリ・ノルシュテインは、すごいですねー。竹斎がメガネの曇りをクリクリと指で円くぬぐう様子とかユーモアたっぷり、そして、木枯らしに破れ笠がさらわれて空に舞い上がって行くラストは、まさに侘び寂びの世界です。 ノルシュテインから始まって、アレキサンドル・ペトロフまでの全体の3分の1は、本当にほとんど隙がないくらい特に素晴らしいと思いました。 印象に残ったものをあげると、全部あげることになるので、涙を飲んで(?)もう一つだけ。島村達雄のアニメには、度肝を脱がれました。 「偽りのつらしと乳をしぼり捨て 消えぬ卒塔婆にすごすごと泣く」で、乳飲み子を失った慟哭をあんな風に表現するとは。限りなく実写に近そうに見えるアニメですが、実写で慟哭をあそこまでやるとウソ臭くなるかもしれません。圧倒されました。 シネマ・サンライズ 県立美術館ホール 2004/5/23 |
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スイミング・プール 若いっていいな |
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監督:フランソワ・オゾン|脚本:フランソワ・オゾン、エマニュエル・ベルンエイム|撮影:ヨリック・ルソー(2003年/フランス/カラー/1時間42分) サラ・モートン:シャーロット・ランプリング|ジュリー:リュディヴィーヌ・サニエ |
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おもしろかったですー。ミステリーとしてのおもしろさ、妙齢の女性が若い女性をどう見るかのおもしろさ、そして、若さとの対比で自分自身をどう見るかのおもしろさ。1本でいったい何度おいしいことでしょう。 売れっ子だけどスランプのイギリス人作家が、担当編集者のフランスの家で一人筆を進めるも、若い女が現れ・・・・・。始めは反目し合う二人だったが・・・・・・。作家は若い女に関心が湧き・・・・・。疑惑が募り・・・・・。というお話。 全編、シャーロット・ランプリングの魅力が溢れています。『まぼろし』よりもチャーミングで、私は断然こちらが好き。リュディヴィーヌ・サニエの方も『8人の女たち』からは思いもよらぬ魅惑のボディ。看板女優に不足はござらぬ。 若いというのは、それだけで美しいと思う今日この頃です。肉体的な鮮度においてはもちろん、精神の柔軟性、純粋性においても美しいと思います。だから、ランプリングがサニエに見とれるもの無理はありません。 若さは、羨望、嫉妬、引け目の対象になりうる美しさですが、果たして、老いた自分と対比するばかりでよいものでしょうか。自分にだって若い頃はあったはずだし、老いた我が身の中にもまだ「若さ」が残っているのではないでしょうか。 それに若さは、いいことばかりでもないはずです。ランプリングもサニエに接して思い出したことでしょう。傷つきやすいし、暴走もします。 この映画は、主人公が自らの若さを振り返り、その美しさも暴走ぶりも愛しめるようになったうえで、今ある自分を肯定できるまでを描いた作品と言えるかもしれません。そして、それを重層的な構造で表現しているのがおもしろかったです。 主人公をして自作を傑作だと言わしめたオゾン監督。その実力と自信の程もたいしたものだと思いました。 シャンテ・シネ(日比谷) 2004/5/24 |
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