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■かるかん>Mr.&Mrs.スミス|Jの悲劇
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Mr.&Mrs.スミス
殺し合うより、愛し合おう!
MR. AND MRS. SMITH
監督:ダグ・リーマン(2005年/アメリカ/118分)
ジェーン・スミス:アンジェリーナ・ジョリー|ジョン・スミス:ブラッド・ピット|ヴィンス・ボーン

楽しかったです〜。ゴージャスな夫婦ですね〜。私は、ブラピもアンジーも好きなので大いに楽しみました。アンジーがカーテンを取り外すところ(バランス芸)は、どうやって撮影したのでしょうか?特訓したのかな?それとも特撮?どちらにしても「わお〜(拍手)!」でした。(ヴィンス・ボーンの唇も可愛い・・・・(笑)。)

敵対する組織の殺し屋同士が、相手の素性を知らぬ間に結婚したという、これぞ正しく娯楽映画のシチュエーション。アクションバリバリ、お笑いソコソコ、スタアの輝きピッカピカ。
二人の激闘シーンで思ったのは、「あー、こりゃ男は本気出せませんなー」ということ。アンジーのフルパワーに対してブラピは無意識に手加減しているように見えました。女性より強いと自覚している男性は、大人が子どもに手加減するように接してしまうのね。というか、アンジーの凄まじい形相のせいで、「アンジー=全力、ブラピ=手加減」と思ってしまったのかもしれません。
全体的に容赦のないアンジーに、ちょっと甘めのブラピという感じで、夫が妻の尻にしかれるくらいが、うまくいくのかなと(笑)。(アンジーの方は、愛しているのにその愛を否定するというアンビバレントな演技の見せどころがあって、役者としてお得でしたね。)

でも、ちょっと長かったような気がします。そこで、考えたお茶屋バージョンの結末は・・・・。

●ネタバレ感想
映画の結末は、ブラピとアンジーが自宅での激闘の末、熱〜く結ばれてから、二人ともお互いの組織から狙われることとなり、組織に真っ向勝負を挑み勝利を収めるというものでした。二人には、高飛びという選択肢もあったのですが、ここで逃げると一生逃げ続けることになると言って勝負に出たのです。
でもね、自宅で結ばれてから後のカーアクションや激しい銃撃戦などは、見ていて私は、いささかダレ気味でした。
で、お茶屋が考えた結末では、二人は高飛びするのです〜。組織は、海外に逃げた二人の殺し屋の始末する費用対効果を考えて追ってこないのです。これで暢気に暮らせるかと思いきや、箪笥貯金が信条だったブラピは、あわてて高飛びしたため一文無し。どうやって妻を養おうかと冷や汗たらりのところ、アンジーは余裕の笑みでスイス銀行にヘソクリがあることを明かして、めでたしめでたし。
我ながら、いい結末だと思うのですが、いかがでしょう。

TOHOシネマズ高知6 2005/12/3


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Jの悲劇
JからJへ。理知への挑戦状
ENDURING LOVE
監督:ロジャー・ミッシェル(2004年/イギリス/101分)
ジョー:ダニエル・クレイグ|クレア:サマンサ・モートン|ジェッド:リス・エヴァンス|ロビン:ビル・ナイ

時間つぶしに見た映画ですが、ビル・ナイ様が出ていらしたのね〜(ハート)。う〜ん、いろっぽい。
サマンサ・モートンにリス・エヴァンスと、まあ、けっこう知っている俳優が出ていて嬉しかったです。エンドクレジットに出てきたリス・エヴァンス、男前〜!(びっくり。)そして、何と言ってもダニエル・クレイグ。あー、わたし、次の『007』は、必ず見ますわ〜。確かに、ジェームズ・ボンド役にはクライブ・オウエンの方がよいと私も思っておりました。でも、D・クレイグ、いーじゃありませんか。華はないけど、色気はある。タッパはなさそうだけど、スタイルはよい。ジェームズ・ボンドが地味でも、いーではないか!(いや、よくないか(笑)。要するに私好みってことでご勘弁。)

ジョー(ダニエル・クレイグ)は、大学教授で無心論者で、心の問題も科学的見地から分析してしまう学者バカ。そのジョーが、気球事故で自責の念に駆られ思い悩む姿は、初めは誰もがそういう悩みを持つであろうという範囲なのですが、だんだんに理性を欠いていき、恋人には去られ、変な男に執拗に追い求められるストレスも加わって、ついには病の域に達するという、なかなかの心理サスペンスです。「愛も親切もない。あるのは生物学的な何とかだ。」(←「何とか」じゃなくてちゃんとセリフがありましたが、すみません、この辺難しくて頭に入りませんでした。愛は、生物である人間が生殖を行うために備わった感情とか何とか。)と言っていた学者が、心理的に追い詰められていくと、それまでの彼の説は机上の空論ではないかと思うと同時に、インテリゲンチャのもろさと、体験することの重要さを感じました。

ジェッド(リス・エヴァンス)が謎の存在ですごく面白かったです。ジェッドとジョーは赤の他人ですが、気球事故という寝覚めの悪い体験を共有しています。だから、ジェッドがジョーに近づいたのは、その体験を語り合うことによって、自責の念を緩和しようとしているのではないかと思いました。あるいは、信心深いジェッドは、ジョーが無心論者だと知って、ジョーの悩みは深かろうと信者の情け(おせっかい?)から近づいたのかと思いました。若しくは、寂しさから近づいたのか。もちろん、ジョーもそう思っていましたが、「愛も親切もない」と講義している人ですから、体験を語り合うことは無用、信者の情けは更に無用で相手にしておりませんでした。しかし、ジョー自身の悩みが深まり、ジェッドの執拗さに根負けしたせいもあって、話し合ってみると・・・・。話にならない(がーん+ぞぞぉ〜っ)。
そんなわけで、自責の念で苦しむサスペンスからストーキングされるサスペンスに転じていくのですね〜。

●ネタバレ感想

「愛も親切もない」と語り、何でも論理的に説明できると思っていたジョー。しかし、気球事故で自責の念に駆られ自信喪失。そのうえ、ストーキングされて大打撃を受けます。
しかし、ラストでは、事故の体験を乗り越え、自責の念から解放されています。(赤ん坊を生殖行為の果実として見るのでなく、可愛い存在に思えるようになっているし。)他人の心のもつれを解きほぐすような、かつて彼がおせっかいと思っていたであろう行いを実行できるようになっています。
彼のことですから、事故の体験を振り返り、体験に裏づけされた何がしかの論文を書くことは可能でしょう。しかーし、果たして刑務所のジェッドから届くであろう手紙を動揺せずに読めるでありましょうか!?
エンドクレジットで筆を執るジェッドの不敵な笑みは、理知への挑戦とも受け取れるのでございます。

シャンテ・シネ3(日比谷) 2005/12/7


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