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■かるかん>ミス・ポター|レフト・アローン(第1部)
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ミス・ポター
正統派

「ピーターラビットのおはなし」の作者ビアトリクス・ポター(レニー・ゼルウィガー)と、その編集者であるノーマン・ウォーン(ユアン・マクレガー)の恋愛物語であり、ヴィクトリア朝の女性が自由を獲得する話であり、何よりも自然(映像)が美しく気持ちのよい正統派の映画でした。

恋愛映画としては、二人の胸の鼓動が聞こえるような盛り上がりが素敵でした。いや〜、歓喜の涙がこぼれましたわよぉ〜。
女性が自由を獲得する話としては、ヴィクトリア朝の女性の不自由度のみならず、三男坊の悲哀や階級意識なども盛り込まれていて面白かったです。
お目付け役の元、いかように関係の進展を試みるかというのは、当事者にはたまったもんじゃないですが、観客としては楽しかった〜(笑)。
ノーマンの姉ミリー(エミリー・ワトソン)のキャラクターもグー。「結婚なんて不自由の極み」と言いつつ、「結婚するのよ!逃しちゃダメ。」←あの気迫、泣けました。
未完成のプロポーズに対して返答をしたビアトリクスは、自活はできてなかったけど自立した女性だったと思います。心の自立にはお金は必要ないのです。
でも、ラストの啖呵では、やっぱり自由になるお金がないと、不自由を強いられるよねと思ってしまいました。
映像については、タイトルバック(青い絵の具)から美しいー。印刷所もおもしろかったし、ウォーン家の小さな庭も素敵。もちろん湖水地方の景色は最高です。
監督は『ベイブ』のクリス・ヌーナン。『ベイブ』も好きな映画だし、名前、覚えておこうっと(^_^)。

TOHOシネマズ高知9 2007/9/17
 
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レフト・アローン(第1部)
論争好き向き

よくわかりませんが、既成左翼(日本共産党など)とは思想を異にして、1968年頃新左翼運動を始めた若者たちが、三十数年を経て当時を振り返って色々話しているのを撮影したドキュメンタリーのようです。まあ、みなさん、ようしゃべります。しかし、聞いたこともないような単語がポンポン出てくるので、話の内容はほとんど理解できません。わかったことと言えば(間違って理解しているかもしれませんが)、フルシチョフのスターリン批判に端を発してハンガリー動乱に至ったことや(←これはインタビューではなく、日本の新左翼もスターリン批判が端緒となっていることの解説として挿入されたもの)、旧左翼と新左翼の間で激しい論争があったこと、新左翼の間でも様々な考え方があり、なんだかお互い相容れない雰囲気だったことなどです。観る前に予想していた「観念先行で生活後回しみたいな匂いがする」は、見事的中。政治運動は、庶民の生活に根ざしたものでないと意味がないと思っているお茶屋にとっては、このドキュメンタリーよりケン・ローチ作品の30分間が、政治運動としてずっと意義があると思いました。しかし、このドキュメンタリーは、政治運動を目的としたものではないことは明らかです(あ、でも、大学の自治に掛かる圧力には何か言いた気)。・・・・・で、何を目的にしているかというと、
・・・・・わかりません(・_・)。わからないなりに思ったことは、ここに登場する左翼(あるいは元左翼)の人たちにとっての左翼運動というのは、精神的支柱としての政治運動であって、宗教みたいなものかもしれないということでした。特に早稲田大学の非常勤講師でありながら、学生と共にサークルスペース(って何かもよくわからない。)移転阻止の拳を振り上げていた人物の背中には、左翼の他に居場所がなさそうな寂しさを感じました。

<<その他、いろいろ思ったことのうち覚えていること>>

  • 入力出力:登場した人たちは、パソコンのCPUに当たる情報処理能力(頭の回転)がよいのでしょう。そのため、平均的なCPU人間の何倍も本を読んだりして、入力した情報量が膨大になっているのだと思います。人間の生理としては、入れたら出す、出したら入れるは必然なので、膨大な情報を入力したら、それに匹敵する出力をすることになるのではないでしょうか。だから、あんなによく喋るのだと思います。
  • 全体主義:人間を組織化すると、組織の統制のため全体主義的になるのですね。悪く転がると、拷問などの暴力につながったりするわけで、とっても嫌ですわ〜。「意識改革」などと言って「かような意識に改革すべし」と意識の額縁を差し出す方が存在しますが、全体主義的では?「自分を変えろ、大地震で」と言って「どう変えるかは自分で考えるべし」という、ボ・ガンボスは好きです〜。『未来世紀ブラジル』の拷問されながら「頭の中は自由だ!」という寂しい抵抗も支持します。
  • 流行:全世界的な流行というか時代の潮流があって、『レフト・アローン』や『初恋』の時代は、左翼が流行っていたのですね。人間て同じ情報からは似たような発想をするものなのね。
うらりゅう・ピクチャーズ メフィストフェレス 2007/9/17
 
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