意外に面白かったですねー!娯楽の王道を行っています。オールスターキャストで楽しめるし。森の石松が温水洋一とは(^Q^)。笑えるところもいっぱい。泣かせどころもしっかり。法印の大五郎(笹野高史)が好きな女の身請けに走るところや、お蝶(鈴木京香)を医者に診せるため、鬼吉(近藤芳正)が親(長門裕之と草村礼子)に金を無心に行くくだりなど泣きました。
睫毛ばっさばさの政五郎(北村一輝)、いかにも頼りになりそうな大政(岸部一徳)、敵役の三馬政(竹内力)など出番の多い役はもちろん、チラッと出ただけのいしのようこなどなど、印象に残るキャラがいっぱい。
そうそう、竹脇無我が出演しているというので楽しみにしていましたが(赤影の次に好きになったのが竹脇無我の姿三四郎だったもので)、どこに出ているかわかりませんでした(汗)。今、公式サイトで調べて、びっくり。あの人が竹脇無我だったのか。そうよねぇ、40年近く前の顔を探してもわかんないわよねぇ(苦笑)。
次郎長役の中井貴一はやっぱり上手いな〜。やくざな渡世人には上品すぎるかもしれませんが、若い頃切れやすく、いっぺん切れて道を外れたら、どんなに器量があろうとも真っ当な道には戻れないのですね。裏街道を行く引け目があるところに悲哀を感じました。
器量も度量もある次郎長ですが、黒駒の勝蔵(佐藤浩市)に、黒船がやってきたこのご時世、どう凌いでいくつもりかと問われるも、先のことなど考えていない。っていうか、勝蔵にバカと言われたことで頭がいっぱいで、話が耳に入らない(笑)。
いや〜、本当に大馬鹿者でしてね。けんかで鶴吉(木下ほうか)を死なせたことで「もう喧嘩はしない」と決心した(えらい!)はずなのに、恋女房お蝶の弔い合戦に行くんです(こらこら)。大馬鹿者だからしょうがないねぇ、娯楽映画だし、まあいいか(笑)。それに、頭がよくて先見の明がありそうな勝蔵みたいなのが維新後も腹黒く生き残って、時の権力者と裏でつながるようになるんだろうなぁと思うと、大馬鹿者の方がいいやと思った次第でござんす。