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■かるかん>イースタン・プロミス|ブーリン家の姉妹
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イースタン・プロミス
哀しみの街角

いや〜、イイ!ヴィゴ・モーテンセン、これは男も惚れますな。謎の運転手ニコライ。カッコいい〜(はぁと)。ロシア訛りの英語もたまりません〜。寡黙で頭脳明晰、仕事も出来る。ロシアン・マフィアで働いていても非道はしないように思える優しさも垣間見せ、アンナ(ナオミ・ワッツ)が惹かれるのも無理はありません。
風呂場での全裸格闘シーンは、うっとりどころの騒ぎではなく、生身の身体が傷つけられる実感にゾワゾワいたしました。包丁の刃を指先で洗うような・・・・、曰く言い難い感じ(ゾゾゾ)。入れ墨を入れる全裸シーンの方が、そりゃあもう心穏やかに観られますね。そうそう、ヴィゴは『柔らかい殻』『インディアン・ランナー』でも全裸になっておりますし、今後とも鑑賞に堪えうる肉体をキープしていってほしいと思います。

クローネンバーグ監督、いつもワタクシ好みの色気のある男優の起用をありがとうございます。ヴァンサン・カッセルは意外な役でよかったです。ロシアン・マフィアのボス(アーミン・ミューラー=スタール)の息子キリルは、バカだけど憎めないヤツで、あのカッコいいヴァンサンが大変身で嬉しい驚きでした。
クローネンバーグはロマン派ですね〜。現代を描きながら社会派の「社」の字もなく、どこか古風な街角。全編に湿り気を帯びた冷たい空気がただよい、いやでも哀しくなっちゃう。おまけにロシア民謡ですよ(うるうる)。ニコライとアンナのキスシーンでは、切なさに胸がきゅ〜んとなりました。(ニコライとキリルの組み合わせにも胸キュンでした。キリル、可哀相じゃん。)

あたご劇場 2008/10/25
 
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ブーリン家の姉妹
女はつらいよ

えー、ワタクシ、世が世なら(?)オセロを操ったイアーゴのように人心を操る能力があるのではないかと思うことがあるのですが(笑)、そんなワタクシからしてみると、いくらフランスで修行をしてきたアン・ブーリン(ナタリー・ポートマン)と言えども「まだまだぁ〜」でございまして、そんなアンに手玉に取られたヘンリー八世(エリック・バナ)が、やたらとスケールが小さく見え、イメージと違っていたこともあり、なんだか今ひとつの作品だったのでございますが、娘は政略結婚の駒であり、どれほど才気があろうとも女は男の気を引くしか能力の使い道がなく、男は男勝りに馬を駆る女より傷の手当てをしてくれる女(メアリー:スカーレット・ヨハンセン)の方が気に入るもので、世継ぎは必ず男であって王家では男子誕生を切望し、王妃ともなれば生まれた子供が男子でなければ焦り、妊娠しなければ気も狂わんばかりになり弟にその相手を頼み、頼まれた弟を見ては男もつらいよと思い、地位と財産のために仲のよかった兄弟姉妹が不幸になる姿を見なければならないその母(クリスティン・スコット・トーマス)の嘆きにこんな世の中に誰がした(男なんじゃないの〜?)とバイアスの掛かった見方をし、エリザベス女王となる少女のアップで終わったときには、これってフェミニズム映画〜?と面白かったです。ところで、男子を産めなかった哀しみを背負いながらも、品といい威厳といい王妃にふさわしく、己を律し、女性としても尊敬できそうなキャサリンを演じたのがアナ・トレントだったとは!彼女は私の中ではフランケンシュタインにリンゴを差し出した小さな女の子のままだったので、後で知って本当にビックリでした。あのアナちゃんが、もう若くない女性の役を演じるとはね〜。好きになれるいい役でよかったです。

TOHOシネマズ高知4 2008/10/25
 
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