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神様のパズル
悩める青少年の皆さまへ

相性のよろしくない三池崇史監督作品なのに、これはイケた。あほあほパワー全開の綿貫喜一(市原隼人)が笑いを取りつつ、世界の破滅か自死かという瀬戸際パワー炸裂の天才少女ホミズサラカ(谷村美月)を一直線に救出するお話で私は泣けた。『20世紀ノスタルジア』で生死の瀬戸際に立っていたチュンセ(圓島努)をポウセ(広末涼子)が救った、あれの変形版だ。ツボなんである。

ホミズサラカの孤独に様々な理由をくっつけることは可能だ。天才ゆえとか。でも、天才でなくとも、生きていることに意味を見いだせなかったり、夢も希望もないと、孤独ってやつは他人を殺すか自分を殺すかってことになりかねない。だから、「自分一人ではない」と知ることが必要だ。ホミズサラカの場合は綿貫喜一がいた。近くに綿貫喜一がいなくても文芸作品や映画などがある。古今東西の作品の中には、必ず自分と似たような人がいるのだ。秋葉原のK君も自分と似たような人を見つけるまで、探し続けたらよかったのにと思う。

綿貫喜一は双子の弟に差をつけられ、親からも期待されていない。なかなかそうは見えないが、痛みを知る人だ。自らを叱咤激励、時には鼓舞して力強く生きてきた。「あほ」の一言でかたづけるにはもったいない漢だ。今後とも深く考えず(?)たくましく生きていってほしい。
で、お勉強も出来て要領がよくてチャラチャラモテモテの双子の弟がインドに嵌って放浪するオチも、なかなかにグーだった。もう、ずーっと帰らずに精神修養して哲学者にでもなるのかな(笑)。

TOHOシネマズ高知1 2008/6/20
 
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