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P.S.アイラヴユー
明るい喪の仕事

愛する夫ジェリー(ジェラルド・バトラー)に先立たれ、哀しみの日々を送る妻ホリー(ヒラリー・スワンク)が、夫からの手紙や母や友だちなどに支えられ、人生の再スタート地点に立つまでを描いた「アイ」がいっぱいのコメディ。

「アイ」というのは「愛」であり、アイルランドの「アイ」だ。ジェリーが音楽好きの陽気な酒飲みアイルランド人ということで、お葬式からして傑作だ。ホリーの母(キャシー・ベイツ)が経営するパブに集まった友人が一杯ずつグラスを空けて、一言添えながらフック付きの骨壺にグラスを引っかけていく。もちろん、BGMは一般のお葬式にふさわしいものではない。一番湿っぽいはずのシーンがこの調子で、もう可笑しくてたまらなかった。

いい台詞がいっぱいだったし、ホリーの友だち(ジーナ・ガーション、リサ・クロード)など個性的で愉快、愉快。
母の過去は台詞だけでしかわからないけれど、娘に同じ苦労はさせたくない、幸せになってほしい気持ちがよく伝わってくる。
ホリーとジェリーの馴れ初めはホリーが19歳のときだが、箸が転んでもおかしい年頃をキュートに演じていてヒラリー・スワンクって素晴らしい!
ホリーのことを密かに思うバーテン(ハリー・コニック・Jr)との結末もイイ。
そして、アイルランドの美しい風景、これはちょーオススメ!大画面で観てよかった。ジェリーの両親に対面するシーンもサラリと味わい深い。
いっぱい笑ったし、ちょっぴり泣いた大好きな作品だ。

TOHOシネマズ高知2 2008/10/30
 
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ぐるりのこと。
こうして夫婦になっていく

まわる〜、まわる〜よ、ぐるり〜とまわる〜。
というわけで、妻は足のマッサージ、夫は靴の修理から始まって、夫婦が陽の当たる畳のうえで素足を絡めるラスト付近まで、ぐるり。カナオ(リリー・フランキー)が法廷を見回す、ぐるり。翔子(木村多江)が絵を描く季節が、ぐるり。良いときもあれば辛いときもあるけれど、ぐるりのことの積み重ねで関係が出来ていくのだなぁ。絆も強くなるのだなぁ。

橋口亮輔監督の作品は、いつも繊細で優しい。そして、ユーモアがある。翔子の兄夫婦、困った夫婦だけどお似合いだ〜(笑)。売春事件の裁判、可笑しかった〜。
カナオは確かに女にだらしなさそうだけど、絵描きだけあって周りをよく観察している。翔子の兄夫婦も裁判もその他のことも観察するだけにとどまらず、先輩絵描き(寺田農)にちょっとしたプレゼントをしたりする。どうしてこんなに優しいのか。親に自殺されて捨てられたという思いで苦しんだから強くなったのか。強い人は優しいねぇ。
翔子のこともよく見ている。言葉には出さないけど心配している。重く受け止めているから言葉に出来ないってこともある。

いろんなことが重なって翔子は心の病を患った。サイン会場で作家の補佐をする翔子の横顔。もう限界のあの表情。(←私は血の気が引きました。)本屋をグルグル回って、終いには座り込んで泣いてしまう。凄まじいシーンで胸が痛んだ。
病気の翔子にカナオの優しさを感じる余裕はない。とにかく時間が必要なことってあるからなぁ。トンネルの中は現状維持で耐えるのみ。だけど、時が経ち、カナオの口より雄弁なスケッチを見つけたとき、それが快復の始まりなのか、快復に加速がついたのか。

ラストシーンは、裁判所の窓から外を見るカナオ。
ぐるりのことを今日も観る。

あたご劇場 2008/11/10
 
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