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■かるかん>誰も守ってくれない |
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誰も守ってくれない 事件報道はもうたくさん |
監督:君塚良一/日本/2008年/118分 |
殺人事件の容疑者の妹沙織(志田未来)に焦点を絞って、兄の逮捕後の三日間、彼女がどんなに理不尽な状況に置かれたか、また、その後も彼女にとって厳しい状況が続くであろうということが描かれていた。
三日間に凝縮したのは映画の方便だと思うけれど、ここに描かれたこと(警察の事務的な対応や、マスコミによる家族の追っかけ、ネットでの家族への中傷にとどまらない攻撃)は、ありそうなことだと思った。
クラシカルな音楽をバックにバレーボールに興じる沙織は元気溌剌。警察がやってきても臆することなく、反発心を隠そうともしないその年頃特有の鋭い視線が印象深い。彼女には、このまますくすくと大きくなってほしい。その願いは叶いそうにない状況だけど、それでも肩身の狭い思いをしないで生きていってほしい。もし、それを許さない人がいたら、その人は間違っている。沙織には兄が犯した罪に責任はないのだから、兄と一体視するのは間違っていると思う。勝浦刑事(佐藤浩市)が言うように彼女が家族を守ったとしても、家族としては当然のことであって、兄に面会したり差し入れをしても犯罪に荷担することにはならないもんね。
被害者の遺族が、加害者(容疑者)とその家族を一体視するのは理解できる。それは哀しみや怒りや後悔など様々な感情でいっぱいで、冷静に考えることが難しいだろうと想像するからだ。 マスコミの取材力もモラルが崩壊したネット住人の好奇心には負ける。ネットに負けないためにも(?)、事件・事故の報道より、もっと大事なことがあるだろうと思う今日この頃である。 TOHOシネマズ高知1 2009/2/15 |
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