『マグノリア』
それぞれの登場人物の悩みが
ちゃんとこちらに伝わってきて、
観ている間中、胸が痛かったし、
一つ一つのエピソードに心がこもっていて、
人の心の頑なさや柔らかさに泣けます。
人生いろいろ、お天気もいろいろ。
それにしても、アメリカの俳優の層は厚いな〜。
2000
『マグノリア』にもの申す!
ご覧になってからお読みください。
ちょっとネタをばらしています。
トップへ
『マーシャル・ロー』
米国にら致されたアラブの指導者の解放を目的に、
次々と無差別爆弾テロが起こされたニューヨークシティ。
この異常事態についに戒厳令が敷かれることになり、
FBIのハバード(デンゼル・ワシントン)は、
テロリストやCIA(アネット・ベニング)のみならず
軍部(ブルース・ウィリス)まで
相手にしなければならなくなり・・・というお話。
お話はそんなに複雑ではないのに、作り方が
もたもたしていて非常にわかりにくい作品となりました。
でも、それなりに見所はあります。
一つはFBIとCIAの違いがわかりやすいこと。
FBIは国内の重大事件を扱う正義の味方、CIAは
外国で諜報活動や秘密工作を行う汚い部署。そして、おまけに
軍部は法規を無視して暴走する殺人鬼
という風に笑えるくらいハッキリしています。
二つ目の見所は、アラブ人の扱い方です。
ナチスが悪役だったのは昔の話。今や
アラブ人が悪者のハリウッド映画ですが、この映画では
アメリカ国民のアラブ人はいい人で、テロ活動をするのは
不法入国をしたアラブ人という扱いです。
このようにアラブ系アメリカ人に気を遣っているのは、
政治的な思惑があってのことでしょうか?
三つ目の見所は、3人の大スターです。
ブルース・ウィリスは、悪役じゃーん!(笑)
それにしても、君は何のために出てたの?
もったいない使われ方やね〜。
アネット・ベニングは可哀相すぎる。身体を使って
情報を仕入れ、人の善さから起こした行動が裏目に出て、
果ては・・・むにゅむにゅ・・・・。
これが女工作員の運命ですか。
デンゼル・ワシントン、いいわ〜〜(えへへ)。
あなたは悪役やっちゃいやよ。いつまでもいい人でいてね。
2000
トップへ
『マルコヴィッチの穴』
とあるビルに、その穴はあります。
その穴に入っていくとあなたも俳優ジョン
・マルコヴィッチになれるのです!
この映画を観る前は、出来るだけ情報を
仕入れずに観た方がいいです。
私は上に書いた情報しかしらなくて観て、
あんまり面白くて続けて2回観てしまいました。
私がジョンマルファンだからかもしれませんが、
それを抜きにしても面白かったです。
思い出しても「そこはかとなく」おもしろい。
出演者は、もちろんジョン・マルコヴィッチ、
ジョン・キューザック、キャメロン・ディアス、
キャスリーン・キーナーほか。
監督はスパイク・ジョーンズ。彼はフランシス・F・
コッポラの御令嬢ソフィア・
コッポラと昨年結婚したばかり。
ミュージック・ビデオを何本か撮っているそうですが、
『スリー・キングス』では俳優
として出演していましたね。
2000
ここがおもしろい『マルコヴィッチの穴』
ご覧になってからお読みください。
ちょっとネタをばらしています。
トップへ
『マン・オン・ザ・ムーン』
伝説のコメディアン、
アンディ・カウフマンを愛しく切なく描いた佳作。
監督はミロシュ・フォアマン。
アンディ役はジム・キャリー。本当に素晴らしい
演技で、彼のことを好きになりそうで困ります。
(『トゥルーマン・ショウ』では少し見直したけど、
今まで大嫌いだったのにぃ・・・。)
よかったです。私好みの作品でした。
お客さんの反応を求めて止まない
求道者的生き方と身を切る芸が痛々しく、
見ていると哀しくなりました。
だけど、少数ながら彼を愛する人や
理解者がいる温かさには泣けました。
2000
『マン・オン・ザ・ムーン』の笑い
ご覧になってからお読みください。
ちょっとネタをばらしています。
トップへ
『M:i−2』
今回のイーサン・ハント(トム・クルーズ)の使命は、
盗まれた殺人ウイルスの回収です。
それとロマンスもちょいとありまして。
もちろんアクションは盛りだくさん。
『フェイス・オフ』で泣かせるアクションを撮った
ジョン・ウー監督は、自らスタントをこなすトム・
クルーズに感服したのか、それともプロデューサーでもある
トムに敬服したのか、今回は涙はなしの演出に徹しました。
くるま、くるくるくる〜。
バイク、くるくるくる〜。
イーサン・ハント、くるりんパッ!
まるで演舞のごとく華麗なる回転を繰り広げ、
歌舞伎のごとく豪華絢爛。
人間業とは思えぬ曲芸撃ちに、
炎めらめら、爆弾ドッカーン!
ハードロックに乗せられて、
「うっそー!きゃははは!」と笑っているうちに
終わってしまった、後に残らぬおもしろさ!
やっぱ、暑さで溶けた脳みそには、
こういう映画が一番です。
2000
トップへ
『ミッション・トゥ・マーズ』
火星で行方不明になった仲間の救出に向った
ゲイリー・シニーズ一行が見たものは!?
人類の起源にまで迫る(?)SF大(失敗)作!
「なんじゃこりゃ〜!?」というお話、
呆気にとられるラストシーン。
しかし、なぜか嫌いになれないのは、
ブライアン・デ・パルマが監督だからでしょうか?
普通の意味では面白くないです。
でも、悪人顔のゲイリー・シニーズを初めて
可愛いと思わせてくれたし、
宇宙空間での動作のゆっくり具合は、久々にジリジリ
させてもらい、スローモーションがお得意の
デ・パルマ監督の面目躍如といった感じ。
終始シラケた感じで熱気がなく
映画のテンポを遅く感じさせるのは、
この映画の欠点ではありますが・・・・。
いや、それにしてもあの「THE END」マークの出し方は
本当に拍子抜けしました。クレジットの長さからしても、
ものすごいお金をつぎ込んだ大作のはずですが、
そんなことを微塵も感じさせない、よくいえば潔い、
悪くいえばしょぼい終わり方。この終わり方ゆえに私は
この映画を愛しく感じるのであります。
2000
トップへ
『ミート・ザ・ペアレンツ』
『メリーに首ったけ』のベン・ステイラーが、
付き合っている女性の両親に会って
結婚の許しを乞おうとするが、
彼女の父親(デ・ニーロ)が壁のように
立ちはだかるというお話。
そこそこはおもしろいです。
でもね〜、『メリーに首ったけ』の
ファレリー兄弟監督の作品だし、筋からしても
もっと楽しめるコメディーかと思っていましたが、
ちと、やりすぎの感あり。
引いてしまいました。
『メリー〜』の方は笑いの中にも哀愁があり、
ギター弾きの兄ちゃんたちが登場したりで
語り口がよかったですが、
今回は可愛げのない作品となってしまいました。
残念。
2001/04/07
鼻持ちならんな〜『ミート・ザ・ペアレンツ』
ご覧になってからお読みください。
ちょっとネタをばらしています。
トップへ
『ミュージック・オブ・ハート』
実話を基にしたお話。
離婚し二人の子どもを抱えるロベルタは、
ニューヨークのイーストハーレム小学校の
臨時教員に就職し、子供たちにバイオリンを教えます。
イーストハーレムだけにいろんなことがありますが、
発表会までこぎつけ大成功。
瞬く間に10年が過ぎたところへ、突然、
市の予算が削られるため、バイオリン教室がたたまれる
ことになったという知らせが!
音楽の課外授業を守るため、
断固闘う決意のロベルタに多くの人の支援が寄せられ・・・。
やはり、ロベルタ役のメリル・ストリープは、
大した演技者です。好みの俳優さんでないにもかかわらず、
彼女の演技に乗せられて楽しく見ることができました。
ロベルタは、音楽を愛する単なるいい人ではなく、
去って行く夫に未練タラタラ、
ヒステリーを起こすときもあれば、悪いと思っても謝らない、
でも、ちゃんと相手の痛みを理解できるという風に、
欠点もあれば美点もある立体的な人物に出来上がっています。
他にバイオリン教室の模様や、楽しい発表会の模様、果ては
最近では『マン・オン・ザ・ムーン』や
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』でも舞台となった
カーネギーホールまで出てきて、入場料のもとは
十分とれたと思いました。
2000
トップへ
『みんなのいえ』
あこがれのマイホーム。ついに家を建てるぞ!
大学の後輩にデザインしてもらって、
大工の父親に建ててもらおう!
と思ったのが大間違い!?
デザイナーと大工が主張を曲げず、
家は立たずに腹が立つ(笑)。
果たして、どんな家が完成するのか?
監督&脚本の三谷幸喜が、
家を建てたときの体験をもとに作った
みんなの映画。
安心して笑えるコメディです。
三谷監督、うまいな〜。
ちゃんと笑えて、しみじみさせて、
気持ちよーく映画館を後にできる
コメディの王道を行っています。
職人(田中邦衛)とアーティスト(唐沢寿明)
の狭間で、彼らに嫉妬さえして
小さくなっている施工主(ココリコ田中)。
彼は脚本家であり、
ものを作る立場の人なのですが、
彼が自分の仕事に満足できないでいる姿を
描いたことによって、奥行きのある
つつましい映画になりました。
田中邦衛、はまり役!
2001/06/10
トップへ