ユアン、可愛いよー。やっぱり世界一チャーミングな俳優だよ。でも、世界一の座が、あぶなかったよ。アーサー(犬)がめっちゃ可愛かったから~。
思えばそれだけの映画だったよー(笑)。
オリヴァー(ユアン・マクレガー)/ハル(クリストファー・プラマー)/アナ(メラニー・ロラン)
BEGINNERS
監督:マイク・ミルズ
(市民映画会 2012/09/20 かるぽーと)
ユアン、可愛いよー。やっぱり世界一チャーミングな俳優だよ。でも、世界一の座が、あぶなかったよ。アーサー(犬)がめっちゃ可愛かったから~。
思えばそれだけの映画だったよー(笑)。
オリヴァー(ユアン・マクレガー)/ハル(クリストファー・プラマー)/アナ(メラニー・ロラン)
BEGINNERS
監督:マイク・ミルズ
(市民映画会 2012/09/20 かるぽーと)
中高年向け喜劇。お客さんが少なくて笑い声は一つもなかったけれど、私は心の中で(あるいは口は開けても声を出さずに)何回も笑った。
はて、何が可笑しかったのか。う~ん、忘れた(^_^;。←年
そうそう、メアリー(イザベラ・ロッセリーニ)がえらく年齢を気にして、寄る年波に備え電話機なんか文字が大きく見やすいものを買ってきたり、浴室に手すりなんかを付けたり。夫のアダム(ウィリアム・ハート)はえらく反発して、まだそれほどの年ではないわいと電話機を返品しろといいつつ、浴槽に入るとき、つい、手すりを握ったり(^m^)。そんな些細な年齢に関する意識の相違から別居生活に入ったのだった。アダムなんか早々に若い女性から予期せぬお誘いがかかり、(興奮よりまずは戸惑い)それで返って自分も年を取ったなぁと自覚したり(笑)。
二人の子どもたちが、両親の離婚の危機を回避させるため密かに奮闘(?)するのが微笑ましかった(ツボ)。
メアリーの老いた母ノラもいいキャラクター。めちゃカッコイイばあさん。孫に対するその態度(^o^)。死に際(拍手)。
メアリーの独り者の友だちで、孤独をまぎらわすためボランティア活動にいそしんでいる女性は、将来の私なのか(?)。
一組の夫婦を中心に老後の楽しみ方(「こういう心持ちで行けばいいんじゃないかな」という提案)を描いた作品で、遅咲きというより、もう一つ花を咲かせましょうという感じだった。
LATE BLOOMERS
TROIS FOIS 20 ANS
監督:ジュリー・ガヴラス
(市民映画会 2012/09/20 かるぽーと)
映像がとても美しい。東京の風景をとても美しく切り取っていること、朝も夕も夜もやわらかな色合いに仕上げていること、カメラワークも凝っていること、スローモーションや音の付けたかなど、西川作品で初めて監督の存在を感じ、うまいなぁと唸った。
里子(松たか子)も貫也(阿部サダヲ)も瞳が黒々と静かに輝いていて、二人の姿形、動きを追っているだけで面白い映画だった。観て楽しむ分には西川監督の最高傑作だと思う。ただし、物語としては、あまり後に残らない感じがした。
里子としては、「自分以外の女性と寝れるのね、ああ、それなら、好きなだけ寝ればいいじゃないの」という怒りと、「何をぐだぐだやってんだか、あなたは魅力があるんだから、前を向いてたぶらかしてきなさい」と後ろ向きの夫に自信を取り戻してほしい思いと、「また店を持ちたい」と夫の夢を自分の夢として叶えたい気持ちがあったのではないかと思う。それで詐欺の提案をしたわけだが、「夢を売るのよ(相手のためにもなるのよ)」と罪悪感をごまかすのがうまい。
貫也が自分の掌で詐欺っているうちはよかったが、ひとみちゃん(江原由夏)あたりから、貫也自身が考えて行動するようになると、もう、貫也にとって自分はいらない存在ではないかと心配になって、ついにハローワークの職員(木村多江)のところへ乗り込んでしまったのだろう。
貫也の方は、咲月(田中麗奈)など始めの方はよかったが、詐欺という心身ともに疲弊するハードワークに、これは浮気の罰だと感じ始め爆発する。このとき里子は、夫と自分の夢を叶えるためにやってきたことが、夫に対する「復讐」だったと初めて自覚したのかもしれない。貫也に爆発されて、「あなたのためにやっているのに」と里子も言い返しかけたが、そういやそうかもと気がつくと、もう、そう思うなら思われてもいいわと口をつぐんだのではないだろうか。
この場面あたりから二人の心のすれ違いが顕著になって、これだけ意思疎通ができないでいると、いずれ別れるぞ、いつ別れるんだと思って観ていた。
詐欺という復讐により自分たちの夢を切り売りしたため、二人の夢はなくなり、一人の夢でもなくなるのではないか。
ところが、別れるどころか、里子は第1番目の浮気の相手(鈴木砂羽)に夫が借りたお金を妻として返済するのだ。(いろいろ解釈はあるだろうけど、私は「いちかわ」と書いた封筒で返済したのは里子だと思っている。)
しかも、ラストシーンでは、里子と貫也は別々のところにいるらしいのに、二人が同時に同じもの(かもめ)を見上げたような演出がほどこされているものだから、「作り手は二人の気持ちが通じているとでも言いたいのか?」という気持ちにさせられた。
そうなると、夫婦というものはわからんなぁという気持ちがのこり、考えてもわからんだろうから考えないことにして、物語としては後に残らない作品とあいなった。
監督:西川美和
(2012/09/19 TOHOシネマズ高知1)
幾重にも面白かった。
まずは、やはり健さんだろう。ひかえめ、誠実という美徳を備え、不器用に理想の日本人を演じてきた(というほどは見てないが)。ファーストショットが富山の刑務所だったので、すわ、健さん、また入っているの???と思った自分が可笑しい(笑)。こんだけキャップが似合う80歳はいないだろう(カッコイイ)。浅野忠信より背が高い(驚き)。俳優のアンサンブルもよかった。綾瀬はるかと三浦貴大がお似合い。
次は、富山から長崎までのロードムービーとして(夕焼けシーンがやたらと赤く回想シーンと見分けがつかなくなりながら)、竹田城址など素晴らしいショットに喝采をおくった。
人物の多面性を描いているところも面白い。イカめし販売の兄ちゃん(草薙剛)とその相棒(佐藤浩市)。もと国語教師(ビートたけし)。
倉島英二(高倉健)と洋子(田中裕子)夫妻のストーリーとしてもよかった。夫婦であっても全てをわかり合えているわけではないというセリフや、妻と死に別れその後の人生を一人で生きるというのは、夫婦に限ったことではなく色んな関係に言えることだ。一人一人が個人として生きていて、様々な関係において時間を共にすることがあり、その関係性を大切にしながら(助け合いながら)、やっぱり個人として生きているのだということが描かれているのが嬉しい。しかも、洋子が夫に依存せず、個としてふんわりと生きているのが、またよかった。夫が自炊できるようにレシピメモを作ったり、あるいは花瓶の置き場所も作ってねとお願いしたり。
そして、山頭火のダメ押しだ。
このみちや いくたりゆきし われはけふゆく
この道は、単なる道でもあるし人生とも考えられる。
目的地があって帰る場所があるのが旅で、目的地もなく帰る場所もないのが放浪ならば、人生は放浪ではないだろうか。そうか、みんな放浪しているんだ。国語教師になりたかったコソ泥に、えらいことを教わった(笑)。
この道を、何人が通ったことか。私は今日行く。
妻を亡くした倉さんは、一歩踏み出すのであった。
監督:降旗康男/脚本:青島武
(2012/09/16 TOHOシネマズ高知3)