イッタラ展へ行ったら

イッタラ展の半券の画像

カイ・フランクのデザインスケッチの葉書画像(トリミングしている)

カイ・フランクのデザインがすっきりしていてよかった。竜安寺の石庭とか好きなんだそうな。うえの画像はいずれもカイ・フランクのデザイン。

あまり期待してなかったが、説明書きを読みながら見ていくとけっこう面白かった。特にガラス製品の作り方!吹きガラスはテレビなどでよく見ていてわかりやすい。それ以外の鋳型に材料を流し込んで作るのは、木製と金属製の型があって昔は木型だったそうな。木型を使うと溶けたガラスが高温のため型が焦げて、その焦げ目がガラスの模様になっているのが面白い。(50年くらい前、我が家にもそんなグラスがあったような気がするが、イッタラ製を真似たものだろう。)焦げると次には使えないわけだから、今では金属製の型を使うことが多いのは無理もない。けれど、両方の型のものが展示されていたアルヴァ・アアルトがデザインした花瓶は、木型で作られたものの方が歪みがあって味がある。美術館の売店で販売していたのは金属製の型のものだろうが、売り切れていてホッとした。ちょっとほしい気がしていたが、花瓶が1万円超えとなると私には不相応だ。ただ、製作の過程を知ると手作りのうえ行程も多いし、人件費も日本より高いだろうから納得できる。地名(フィンランドのイッタラ村)を社名にしているのも好感がもてた。製品のリサイクルにも取り組んでいるし、コンペティションで国籍を問わずデザイナーを発掘してきたことも良いことだと思った。良いものは作り続ける姿勢もとてもよいと思った。
(2024/05/29 高知県立美術館)

没後100年 黒田清輝の系譜展

「没後100年黒田清輝の系譜展」のチラシ画像

黒田なのに黒が嫌いで、藤田嗣治が黒で描いた自画像を「悪い見本だ」と言ったというエピソードが面白かった。昔のこととは言え、あんまりいい師匠じゃないなぁ。(藤田嗣治のエッチング2点。観れてよかった。)

小さな美術館だから小さめの作品が45点。解説も読んでいったのだけれど、あまり頭に残っていない(^_^;。帰宅して山田五郎さんのyoutubeを見て復習した。

【黒田清輝】日本洋画界に明治維新を起こした男【湖畔】【舞妓】【智・感・情】←山田五郎オトナの教養講座

いっしょに観た妹はよく観ていて、黒田清輝の「舞妓羽子板」は舞妓の視線がチラシと実物で違って見えることを教えてもらって驚いた。チラシでは右側を見ていて横目になっているが、実物は前方のやや下の方を向いているのだ。その視線のお陰で実物の舞妓は上品に見える。

妹大賞「冬の月」紙本墨画 横山大観・・・・描かれているのは月だけなのに色んなものが見えてくる。
姉大賞「福樹」水彩 吉田博・・・・沖縄?奄美?掌より少し大きいくらいの絵なのに高密度。
妹家に飾りたいで賞「風景(万里の長城)」油彩キャンバス 北蓮蔵・・・・見飽きない。
姉家に飾りたいで賞「海辺にて」木版画紙 香月泰男・・・・のんびり明るい。
姉妹ユーモア賞「大原女の家」木版紙 和田三造・・・・姑が嫁に小言を言っているのを、赤子を抱えた嫁は「またか」といった感じで背を向けようとしている。牛が心配そうに二人の様子を伺っている。竈門の火影が姑に反射していたり、描き込みが高密度。
(2024/04/13 中土佐町立美術館)

出品_令和6年高知県書芸院展

この3月で書道歴丸3年となり、4月からは4年生です。鏡で自分の顔を見て笑える性格のせいか、「お恥ずかしい」とは言いながら下手な字がそれほど恥ずかしくありません(^_^;。下手であたりまえと思っているせいでしょうか?最近では皆が上手になったらつまらないなぁと思いだしたせいもあるかもしれないです。毎年、県展と同時期に開催されるアールブリュット展の書道に感動しているのも一因でしょうか。

この展覧会は、師匠が所属しているグループの年に1度の発表会です。昨年までは高新画廊で開催されていましたが、同画廊は閉鎖されてしまったのでかるぽーとに移ったようです。40名ほどが出品しています。県展の無鑑査作家の出品もあります。
入場無料です。よかったら見に来てくださいね。

日時:令和6年4月2日(火)~4月7日(日)
   10時から17時(最終日16時)
場所:高知市文化プラザ かるぽーと 7階第3展示室
主催:高知県書芸院

伊藤神谷「書の世界」展7ほか

伊藤神谷「書の世界」展7/<併催>橋雅会選抜展

伊藤神谷「書の世界」展7のチラシ画像

伊藤神谷(しんこく)は、いの町神谷(こうのたに)出身の名誉町民であり、川谷横雲(川谷尚亭の兄)に師事した人です。紙博(いの町紙の博物館)には売店の奥に常設展示場があります。
今回の展覧会は、一字書あり条幅あり屏風あり。書体もいろいろ。篆書の「紫陽」は、墨の色が違う?滲みが柔らく温かい。そう、だいたいの書に温もりを感じました。太字もありましたが、痩せた字が印象的でした。「いろは歌」(屏風)なんか楽しい(^_^)。線が震えているのも好きです。
比田井天来、川谷横雲、川谷尚亭、川崎梅村の書もありました。横雲の「洛陽城東」など、程よい文字ですごく好き♥。
橋雅会(はしみやびかい)は、神谷先生の功績を称え、その足跡から学ぼうとしてスタートしたグループだそうです。県立美術館でグループ展を開催しているようですが、この選抜展はバラエティに富んでいて何れも見応えがありました。
テーブルには神谷書集があって、あとがきにお弟子さんが記したものだと思いますが、天来先生が「速く書いて書けないものが遅く書くと鈍重になる。遅く書いて書けないものが速く書くと浮滑になる」と言っていたので神谷先生は「痩をもってよくし得ないものが肥に過ぎると醜怪となる。肥をもってよくし得ないものが痩に過ぎると寒険となることは言えないだろうか」と言っていたそうです。
私は速く書くと紙を捉えられず上滑りになるため遅く書くしか能がないのですが、それで鈍重なのか(笑)。結局、両方できて一人前ということなんですね。険しい道です。趣味なのでそこは目指してないのでご安心を。楽しく書いて、いつも「あー、面白かった」で終わっています(^_^)。

今回のお茶屋の見方
書って筆脈・気脈が大切なんだそうです。お師匠様には、楷書でも墨継ぎをせず一文字は書くようにと言われています。連綿でなくとも筆脈を途切れさせないように書くのが大事なんだとか。ということは、線が切れているように見えても空中での筆の動きを含めば「書は一筆書きである」ってことですよね。だから、作品に向かい合ったとき、まず、書き始めはどこか探します。そして、筆がどう動いて行ったか後を追っていきます。中には書き始めさえわからず、多分ここだと思うけどと自信がないものもあって、そんなときは作品のタイトルに目をやって「やっぱり!(正解だったか)」と答え合わせをしたりします。文字数が多い作品は、目についた文字だけ。そうやって観ていくと筆の動きが想像できて楽しいんじゃないかな。

安芸市立歴史民俗資料館>川谷横雲
安芸市立歴史民俗資料館>川谷尚亭

あじさいの会 色鉛筆画展

同じ階で色鉛筆画もやっていました。プレバトで芸能人が描く色鉛筆画に負けない絵もたくさん。すごいな~。

第17回全国土佐和紙はがき絵展

第18回全国土佐和紙はがき絵展の募集チラシの画像

3階でははがき絵展も。はがきサイズとは思えないくらいスケールの大きい絵もありました。大賞や受賞作の一部は次回の展覧会の募集チラシに載ったり、お持ち帰り自由の絵はがきに印刷されていました。印刷よりも断然オリジナルが美しいです。

第17回全国土佐和紙はがき絵展:大賞やその他の受賞作の画像があります。
第18回全国土佐和紙はがき絵展:現在は募集要領が記載されています。


いの町紙の博物館では手作り紙芝居のコンクールをやっているようです。面白そう!
【観覧可】手づくり紙芝居コンクール本選のお知らせ(3/24)
(2024/03/09 いの町紙の博物館)