とにかくシャロン・テート(マーゴット・ロビー)が可愛い。自分が出演した映画を観に行くところとか(観客の反応を楽しんでいるのもイイ!)、『テス』の初版本を夫に贈ろうとしているところとか(本をそのまま持ち歩くのもイイ!)、レコードをかけるところとか。何より男性の好みが一貫しているというところが(マックィーン(ダミアン・ルイス)も形無しで(笑))、好感度大である。そんな生き生きとした彼女が(妊娠もしているのに)、惨殺されるところは見たくないな~と思いながら観ていたが、隣がリック(レオナルド・ディカプリオ)邸だからして、もしかして・・・と思うのは当然である。果たして、ほぼ予想どおりにそうなったが、その場面は偉大なるタランティーノ印が付いており、私は「うげ~っ」となりながら、「ははは!」と笑い、また、その倍くらい「うげっ、うげーっ」となった。リックとクリフ(ブラッド・ピット)が、隣のテート邸に助けに行くというパターンも考えられたが、この方がイイ。事件後、平穏なテート邸にリックが招かれて幕切れというのは、シャロン・テートに対するタランティーノ監督の優しさに思えて味わい深かった。
あとはいつもどおり、役者の魅力が5割増しというタランティーノ作品。ブラピはカッコよかったし、何よりディカプリオには笑わせられながら泣かされた。ブルース・ダーンとダコタ・ファニングはどこに出ていたか分からなかった(^_^;。後で分かってビックリ。
小ネタがいっぱいで、小ネタで仕上げた作品と言っても過言ではない。
ナチスに火炎放射する劇中劇で、ハーケンクロイツの意匠をこらした柵に気がついて、凝っているなー、気合い充分だなーと思った。他にも色々凝りに凝っているだろうなーとは思うのだが、残念ながらあまり気がつかなかった。
(2019/09/12 TOHOシネマズ高知8)