なるほどぉ。ターザンってこういうお話だったのか。ゴリラに育てられたことさえ知らなかった。
サミュエル・L・ジャクソンが出ていて嬉しい。化けるよねー。
クリストフ・ヴァルツが悪者~(笑)。必殺ロザリオ(^_^;。
アレキサンダー・スカルスガルド、鍛えたね!ラブシーンまであってサービス満点。
貴族ジョン・クレイトンとしての顔にターザンだった頃の古傷がいくつもあったのがよかった。
ゴリラは服従の姿勢を見せると殺すまでのことはしないが(でも、あんなに噛まれたら普通の人間は死ぬと思う)、人間同士はよく殺し合いをするのが印象的。
CGふんだん、全編アクションシーンで退屈する暇はなかった。
(2016/08/06 TOHOシネマズ高知8)
カテゴリー: 映画の感想
人魚伝説
海に潜るシーンが美しい。抒情的な音楽とあいまって「伝説」という物語性(ファンタジー)を感じられる作品だった。
殺された夫の仇を討つ海女のお話。
エロとバイオレンスがグロい昭和の作品だ。こういうのは苦手なはずなのに、やりきっているので、いっそ清々しい。しかも物語性が損なわれず、うまくつながっている。
みぎわ(白都真理)の全裸での殺戮シーンは驚愕した。こりゃあ、『イースタン・プロミス』のヴィゴ・モーテンセンに教えてやらねばと思った。
歩道橋での延々と続く殺戮シーンより怖くて面白かったのは、プールでの殺しだ。何せ海女だから息が続くので、これは上手い殺し方だった。
原発に対する怒りがあったから作られたのだろうけれど、原発に限らなくても圧倒的な力を持つ者に対する孤軍奮闘伝としての悲哀がある。また、柵で囲われた浜辺の無残な景観や、お地蔵さんへの願い事や美しい潜水シーンが印象深いので、作り手の自然に対する愛着(畏敬?)の念も感じた。
こういう力のある作品を見ると、表現の自由って大切だと思う。
もちろん、無防備に見ると傷つく人がいるだろうから、それなりの商品説明的な表示なりアナウンスは必要だと思う。
エロとバイオレンスの他には、もしかしたら原発推進派の人が傷つくかもしれないと思ったけれど、それについてのチラシの表示は充分だったと思う。
小夏の映画会主宰の田辺浩三さん渾身の上映会だったので、その模様をレポートした格好にもなっているヤマちゃんの映画日誌を、ぜひ、ご覧ください。
間借り人の映画日誌『人魚伝説』
(小夏の映画会 2016/06/26 龍馬の生まれたまち記念館)
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なぜ、前後編に分けるのだろう。近年、そういうのが多いが、水増しして儲けようとしているように思えて仕方がない。
でも、文句はそれだけで、オールスターキャストの熱演ぶりに面白く見られた。佐藤浩市、はまり役。永瀬正敏、やっぱりいい。
それに終わってみたら、容疑者割り出しのために電話をかけ続ける父に涙なのだ。
警察の広報担当と記者クラブの攻防は興味深かった。
情報の蛇口は権力者の手にあって権力者は開閉自由。都合がよければ情報を流すし、悪ければ隠す。だから、記者たちが実名発表などにこだわるのはわかる。広報官(佐藤浩市)は記者と権力者の板挟みになるわけだ。ただ、蛇口をこじ開けることも必要なのかもしれないけれど、それほど蛇口頼みなのかという気もした。
この作品で最もむかついたキャラクター。妻がピカピカに磨いた広報官の靴を「汚れている」と言うことで、見下しているということを表現した県警本部長(椎名桔平)。
(2016/05/22、2016/06/19、TOHOシネマズ高知8、TOHOシネマズ高知4)
孤独のススメ
日本に富士山があるように、ヨーロッパにはマッターホルンがあるのだなぁ!誰も皆、孤独だけれど、誰かとつながらずにはいられない。その誰かが誰でもマッターホルンは、エブリバディOK。綺麗だし音楽もイイし、感動でした。
追記:冒頭、「音楽は難しくない。正しい時に正しい鍵盤を叩けばいいだけ。byバッハ」というクレジットが出て、「その正しい時がわからんのじゃよぉ!」と一人ツッコミを入れ、やっぱりバッハは嫌いだと思いながら見はじめたのだけれど、使われていたのはバッハの曲のようで、どれも割と耳にするいい曲なのでバッハを好きになったかもしれない。それより、「主よ、人の望みの喜びよ」だけ聴いて嫌っていたのだからバカなことである。
フレッドは変なやつテオと共同生活を始めたことで、みんなとは違う少数派になった。少数派は偏見や差別にさらされることがままあり、フレッドも彼の息子と同様に偏見の目で見られる。フレッド自身も息子を追い出していたのだから、バカなことであった。自分がバカであることに気づき、正しいことをするのは容易ではない。バッハの言葉は逆説的な意味だったのだなぁ。よく修練しなさいということだったのだ。
天涯孤独な者同士と思っていたテオに帰る家があり、待っている人がいたことを知ったフレッドが、逃げ出すようにテオの家を去る。そのときの涙にもらい泣きしそうになったが、おしまいには息子との関係もよくなりそうで歌の力もあり胸がいっぱいになった。
久々に省略が利いて、かつ、行間のある美しい作品に会えた。88分。
ダイヤル式電話のかけ方がわかるよ。>若い人
(2016/07/29 あたご劇場)