パレードへようこそ

「サッチャーと警察が炭坑夫の敵だ。俺たちLGBTと同じだ。」と閃いた主人公。
そうか、LGBTと炭坑夫は同じ敵と闘っていたのか~(笑)。
LGBTの人たちはカンパを集めて、ウェールズでストを継続中の炭坑夫とその家族に届け、ラストのプライド・パレードではその炭坑労組の人たちが労働組合旗を掲げて応援に来てくれた!
歌と踊りがいっぱいで楽しいうえに(ビル・ナイ様はあいかわらず色っぽいし)、垣根をとっぱらって手を取り合うことがどれだけ力になるかを示してくれた作品だと思う。職を失っても差別されても負け続けても、翻らない。それがプライド。でも、一人では心許ないんだなぁ。仲間がいれば心強い。国境も越えて手を取り合って共通の敵(誰?)と闘えば世界平和も夢じゃない。そういうでっかい気持ちにさせられた(笑)。
(原題:PRIDE 2015年高知オフシアターベストテン上映会 2016/07/02 高知県立美術館ホール)

追記

『パレードへようこそ』の感想を書かなきゃと思い出したのは、『怒り』の感想を書いていて、千葉、東京、沖縄の各地で鬱屈を抱えている人たちはバラバラに悩むしかないのかなぁ(人権感覚が備わった人が行う、もう少しマシな政治であれば悩みは軽減されるのではないだろうか)と考えたから。

怒り

もの凄いパワーのある作品だった。非正規労働、知的障害、性的少数者、借金地獄、圧政集中地域、母子家庭と様々な現代日本の問題が描かれており、ガツンと重いものが残る。あまり愉快でないシーンがいくつかあるうえ、犯人の歪んだ心と足りない考えに嫌~な感じがした。「怒り」はものごとを変える原動力になり得るのに、感情にまかせた結果があれだ。怒りの矛先を間違えないためには考えることが必要なのだ。犯人の八つ当たりっぷりには怒りを感じた。あそこまでの自暴自棄に陥るまでに何か歯止めが必要だと思う。
ただ犯人も含め皆、悩みや鬱屈を抱えて懸命に生きており、作品全体としては何かしら美しいものを見たという印象が残る。後味の重さを払拭するようなよいシーンがたくさんあったのだ。また、不信を乗り越えた人同士の結びつきは、一筋の光明でもあった。

私たちはもっと怒ってもいいのではないか?もっと叫んでもいいのではないか?踏みつけられたら踏みつけ返したり、また別の人を踏みつけるより、愛子(宮崎あおい)みたいに泣き、泉(広瀬すず)みたいに叫べ。
見たばかりのときは、問題丸投げ的な作品に思えて、もう少し解決策のようなものを示してくれたらよかったのにと思ったけれど、今思うのは、芸術は爆発だが生きるってことも爆発だってこと。(生きることが爆発だから、芸術は爆発なのかな。)
(2016/09/17 TOHOシネマズ高知8)

君の名は。

う~ん、面白かったけど、世間の絶賛ぶりには乗れないっていうのは『シン・ゴジラ』と似ている。
いや~、途中までは笑えてよかったんだけど、SFちっくになって驚かされたのもよかったんだけど、時間は異なるけれど同じ場所にいて、声は聞こえるけど姿は見えないっていうあのシーン、あのシーンもうるるんときたんだけど、何でかなぁ。若者向きには嵌れないってことかなぁ。恋愛映画になったのが痒いっつうか、まどろっこしいというか。小さい話が大きくなって、どでかい話が小さくなったというか。まどろっこしく小さい印象。結局、この監督とは、とことん相性がよろしくないのだな。
(2016/09/10 TOHOシネマズ高知7)