パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト

やー、面白かった(^_^)。筋書きが弱いし、主役(デイヴィッド・ギャレット)の演技は惜しいけれど、演奏シーンが素晴らしい!引き込まれたーーー!
コベントガーデンでの演奏会は、まるでロック(若しくはグループサウンズ)のコンサートかというくらいに、絶妙のタイミングで「きゃー」と女性の黄色い歓声があがり、わはははは!と笑いが込み上げてきた。悪魔のシルエットの演出も、めちゃ可笑しい(^Q^)。

悪魔のヴァイオリニストの正体は、意外にも純粋で子煩悩、グルーピーは拒まず、博打大好きは本能に忠実なだけ。そういう話だった。もうちょい上手く演出すれば(そして演技が上手ければ)、本当は可愛い人なのに悪魔という評判のため、なかなか教会の墓地に埋葬してもらえず可愛そうだなぁ・・・という感慨が湧いたかもしれない。

あとで知ったが、なんとヘルムート・バーガーが出演していた!ロンドン公演の出資者、バーガーシュ卿!面影ないよ~。男の子を二、三人はべらせていたのが面白かったけど。
ロンドン公演の指揮者ジョン・ワトソン(大泉洋 クリスチャン・マッケイ)は、その名前ーーー!って思った(笑)。パガニーニのマネージャー(ジャレッド・ハリス)は、モリアティ教授だった人だし(笑)。
それとシューベルト「魔王」のアレンジが、カッコイイ。劇中のアリアにはうっとり~。やっぱり音楽映画はいいなあ。劇場で見られて本当に良かった。
クレジットの最後に「ケン・ラッセルに捧ぐ」とあった。ケン・ラッセル、好っきー!『マーラー』見なくちゃ。

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(2016/07/18 あたご劇場)

DVD生活

映画館から足が遠のいてしまいましたが、DVDを見ています。

トゥルー・ディテクティブ

男前なのにそれほどそそられないマシュー・マコノヒー(ラスト・コール役)と、なぜか惹かれるウディ・ハレルソン(マーティン・ハート役)が共演したテレビドラマ。猟奇的連続殺人事件を8話で解決。天才肌の刑事と凡庸な刑事のバディものというので借りたんだけど、この二人はあんまり仲がよろしくない。バディものは仲良しがいいなぁ。猟奇殺人は気持ち悪いし;;;;。面白くないこともないので見続けたら、第5話が突如として面白かった!刑事をやめた二人が別々に供述している内容がピタリと一致。しかし、事実は異なるってことをフラッシュバックで描いているのがワクワクした。第6話では、マーティンの元妻も嘘の供述をしていて、これも事実はフラッシュバック。その後、面白くないこともない感じにもどったが最後まで見た。浮気をしたり何だりで単細胞をさらけっぱなしのマーティンが登場するたび「ほっ」とさせてくれるのと、ちゃんと17年の年月を感じさせるマコノヒーとハレルソンの微妙な風貌の異なり具合が飽きさせなかった要因かと思う。

6才のぼくが大人になるまで

スクリーンで見たかった。DVDだと「長い」と感じてしまった。歳月を積み重ねていく「味わい」があったと思う。母は初めから親だけど、父はだんだんに親になっていくのだな。「ぼく」の類型的でないキャラクターもよかった。

Re:LIFE~リライフ~

軽薄な男を演じてヒュー・グラントの右に出る者なし(^Q^)。軽薄と言うより軽妙と言った方がいいかな。アップになると流石に老けたなぁと思ふ。年齢相応に独立した息子があり、バツイチという役どころ。一発の大ヒット作の後、まったく売れない脚本家が、大学の講師という仕事に遣り甲斐を見いだしていく話も渋く、迷える大人のライトコメディとなっている。
教え子の脚本が認められて注目を浴びている、その側からそっと立ち去るシーンが象徴的だ。返り咲きたい脚本家としては寂しいけれど、生徒に応じたアドバイスをすることで、その子の行く手をサポートする仕事は遣り甲斐がある。生徒が主役で教師は脇役。名脇役を目指すべし。
マリサ・トメイやJ・K・シモンズも出ていて、気軽に見れるいい話。やっぱりヒュー・グラント出演作は良い。(原題:THE REWRITE)

世界の中心で、愛をさけぶ

朔太郎(大沢たかお)と律子(柴咲コウ)は縁があったんだねぇ。
90年代の作品と思っていたら2000年代だった。とても美しい。高校生の朔太郎(森山未來)が同学年の亜紀(長澤まさみ)にたじたじなのが可愛い。世界の中心行きを決めて実行するところは、男子力発揮で頼もしい。単なる純愛・悲恋ものではなく、美しい思い出の持つパワーを感じた。美しいものは生きる力になる。もし、実人生で美しいものに触れる機会があまりなかったとしても、映画や小説などの作品世界で発見し、大事に仕舞っておけばきっと力になると思う。そんなことを感じさせてくれた。

ビフォア・ザ・レイン

梅雨時になると、面白かったことを思い出す。でも、それしか覚えていないので、もう一度見たいと思っていた。それで、やっぱり面白かった。マケドニア(とロンドン)が舞台の1994年の作品。ユーゴスラビア連邦から次々と国が独立宣言をして、内戦状態が終わった頃か、まだくすぶっていた頃に制作されたようだ。見た当時は、そういう背景は全く意識していなかった。今回は「もしかして」と思って特典映像を見たら、監督(ミルチョ・マンチェフスキー)がそう言っていた。紛争に巻き込まれそうで、撮影が大変だったみたい。関係ないけど、監督、男前やった。

備忘メモ

第1話「言葉」
沈黙の誓いを実行中のキリスト教修道士の男の子キリルと、修道院に逃げ込んできたアルバニア人女の子の悲恋もの。女の子はマケドニア人に追われているらしく、キリルはロンドンのおじを頼って行こうと二人して修道院を出るが、途中で女の子は身内に殺される。

第2話「顔」
ロンドンの編集者アンとその夫の破局もの。夫はレストランで乱射事件の犠牲になる。犯人はレストランで仲間と話しているうちに喧嘩になって追い出され、銃を持って仕返しに来た。

第3話「写真」
キリルのおじであり、アンの不倫相手である写真家アレキサンダーが、ロンドンからマケドニアに帰郷。好きだった女性の子どもを救うため、その子が捕らわれている小屋へ赴き、その子を逃がすことは出来たが、自分は同じマケドニア人に殺される。

蜘蛛女

このタイトル、いいと思うなぁ(笑)。レナ・オリン怪演だ~。主役でしょう。
ジュリエット・ルイスは、今いずこ。
ゲイリー・オールドマンは、『裏切りのサーカス』の続編を制作中とのことで楽しみ。
『トラック29』、見たいなー!
(原題:ROMEO IS BLEEDING)

女相続人

ヘンリー・ジェイムズ原作「ワシントン・スクエア」の映画化。
映画単体で見れば、面白い。ただし、キャサリン(オリヴィア・デ・ハヴィランド)が原作とは少し異なるキャラクターになっているような気がして残念だった。あんなに怖いほど豹変したっけ(^_^;?
モーリス(モンゴメリー・クリフト)と父(ラルフ・リチャードソン)は原作のイメージそのまま。特にモーリスは、財産目当てなんだけど、「もしかして本当にキャサリン好き?こりゃ、本人、欺されるのも無理ない」と思わせる好青年ぶりで感心した。目からウロコだったのが叔母(ミリアム・ホプキンス)で、叔母はモーリスが財産目当てと了解しながら、二人が結ばれるようにと願っている。能天気な印象しか残ってなかったので、ちょっと読み返してみたくなった。

妖精たちの森

ヘンリー・ジェイムズ原作「ねじの回転」の前日箪。
町山智浩さんの「トラウマ映画館」入りの作品だけあって、なるほど、これはトラウマになるわ。
「ねじの回転」では、家庭教師のジェスル先生と下男のクイントは幽霊として登場するけれど、本作は彼らが死ぬまでのお話。
ジェスル先生(ステファニー・ビーチャム)とクイント(マーロン・ブランド)は階級が異なるので道ならぬ恋ってわけで、ことは簡単に運ばない。また、下男であっても二人の子どもにとって一番身近な大人はクイントで、彼の影響は大きい。彼が直接子どもたちに教えたことは、よかったんだけど、こっそり見ちゃったんだよね。夜のジェスル先生とクイントを。純粋で怖い子どもの話というだけでなく、身分違いの恋の話としても面白かったし、「ねじの回転」へのつながり具合やブランドの演技もなかなかよかった。

チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室

アントン・イェルチン君、追悼。
イェルチン君、可愛いよぉ。
ピアノ弾いているよぉ。髪の毛、ふさふさだよぉ。背筋が伸びててセレブだね。
繊細で軽い。この軽さが好きなのよね~。
我らが青春スタアのロバート・ダウニー・JRが、校長先生で父親役。何やら感慨深い。

君が生きた証

アントン・イェルチン君、追悼。
イェルチン君、可愛いよぉ。
ギター弾いてるよぉ。歌も歌ってるよぉ。
チャーリー・バートレットとは姿勢がまったく違うね。まるめた背中が内気だよ。
イェルチン君目当てで借りたけど、主人公はサム(ビリー・クラダップ)。銃乱射事件で息子を亡くし、失意のうちに数年経過。その間、悲しむことが出来なかったんだろうなぁ。この父を悲しませてやってくれ(ToT)、そういう話だった。最後の歌は、泣けた。『チョコレートドーナツ』のアラン・カミングにも感動したけど、ビリー・クラダップも素晴らしかった。
(監督:ウィリアム・H・メイシー/脚本:ケイシー・トゥエンター、ジェフ・ロビンソン、ウィリアム・H・メイシー)

るろうに剣心

面白かった。でも、う~ん。女の子は可愛かったけど(←武井咲ちゃん。蒼井優には、化かされた~。ぜんぜん気がつかなかった(^_^;。)佐藤健に魅力を感じないなぁ。吉川晃司は、いいわ~。それよりも何よりも体力が弱るとバトルに付いていけなくて閉口だ。剣心は舞のような殺陣がきれいだったけれど、スローモーションで無重力シーンのような音(音楽)にしてほしかった。(そうすると、ウォン・カーウァイ『グランド・マスター』?)

ジギー・スターダスト・アンド・ザ・スパイダーズ・フロム・マーズ ザ・モーション・ピクチャー

1月に引っぱり出して見ようとしたら、あららら~、ペネベイカー監督とトニー・ヴィスコンティのコメンタリーがあるではないか。気がつかなかった(^_^;。聴いてみたら色々と面白かった!もう1度聴いてもいいな。一番「へぇ~!」と思ったのは、ボウイの歌詞は難解だと言われていたこと。
遺作の「★」は手元にあるけれど、まだ聴いていない。

殿、利息でござる。

ウェルメイドな作品でござる(^_^)。
山びこのところが笑えた~。
あとはホロリと(;o;)きた~。

なんか知らないことばかりで色々と勉強になったけど、「ええーっ」となったのが、銭と小判。
千両相当の寛永通宝ウン万枚と金の小判の値打ちがちがうということに驚いた。
百円札が今なら百円以上の値打ちがあることや、国際通貨のレートが変わることといっしょか。
お金の値打ちって相対的なものなんだ~。

それと出資した人たちが、お金を出したからと言って偉ぶらない(出資したことも内緒)という決まりを守っているのがよかった。
それで思い出したけど、私はネーミングライツというのがあまり好きではない。市民の財産にはそれにふさわしい名前がいいと思う。何とかホールとか企業名をつけるのは感心しないな~。企業名を付けるのは、建ててからにしてほしい。
(2016/05/15 TOHOシネマズ高知2)

レヴェナント 蘇えりし者

冒頭の場面、川に近いところで一団が動物の皮をはぎ、肉をむさぼるのを見て、その食べ散らかしように「なんて野蛮な」とどん引きだった。その野蛮人から「野蛮人」と呼ばれているのが、原住民のインディアンなんだけど、野蛮どころか大自然の恩恵にあずかり又は脅威にさらされながら智恵をみがき、誇り高く生きている。作り手のインディアンに対する敬意を感じて、「インディアン=悪者」から『ソルジャー・ブルー』『サンダーハート』『ラスト・オブ・モヒカン』などを経てここまできたかの感がある。これは現代文明があまりに人間中心に発展しすぎて環境破壊が進み、このままでは人類の存続さえ怪しくなってきた今、自然とともにあったインディアンの生き方に注意が向けられたということではないだろうか。そんなわけで、映像も音も自然の描写にたいへん心を砕いているのだろう。とりわけスケール感があったのがよかった。

もう一つ、「今どきの作品だなぁ」と思ったのは、同じ種で闘う愚が描かれていることだ。グラス(ディカプリオ)は息子の仇フィッツジェラルド(トム・ハーディ)と掴み合いの死闘をくりひろげるのだが、熊との闘いと比べて「それ、本当に必要?」と思わされた。
それにしても、復讐は人事にあらずという智恵を持つインディアンたちも、仲間同士で争っており、侵略する方にとっては思うつぼだ。『セデック・バレ』とかもそうだったけど、支配者は仲間同士を争わせてうまいことやるなぁ。

ディカプリオは悲願のアカデミー賞主演男優賞を受賞できてよかった。私の中では『ギルバート・グレイプ』『グレート・ギャツビー』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に次いで4個目のオスカーだけど(^o^)。
トム・ハーディが出演していたとは全く気がつかず。トム・ハーディの見分け方を教えてくださいm(_’_)m。

(2016/05/03 TOHOシネマズ高知2)