ナイトクローラーって大ミミズって意味なのか~。
夜、這い回る人でもあるのでしょう。
どちらにしてもお天道様は苦手でしょう。
ルー・ブルーム(ジェイク・ギレンホール)は、吸血鬼の形相だった。これは狙っていると思う。人の生き血が飯のタネ。
彼以外の人たちも、お天道様に顔向けできなさそうな人が揃っており、「世も末」感たっぷりで、むかむかするのに面白いという、実に困った作品(時代の映し鏡)である。
事件、事故の報道は大概無用、衝撃映像特集も大嫌いというのは少数派なのか、需要があるから供給がある式にそういうニュースや番組が引きも切らない。ニーズに合わせて売れるニュースを提供するのは自然な流れなので、ニーナ(レネ・ルッソ)を責められたものではない。彼女が職(生業)のために自尊心まで売り渡すはめになったのは、そういうワイドショー的なニュースを求める私たちのせいでもある。
教育とは良心を育てることだと言ったのは、なだいなだだったけれど、法に触れなければOKというニーナも、法に触れてもバレなければOKというルーも、倫理観はどこにいったのか、どうやら充分な教育を受けてないみたいだ。拝金教がはびこってお天道様や神様の部が悪くなっているんじゃないだろうねぇ。
ルーは特異なキャラクターだ。勉強熱心で自己実現のためというか有能さをアピールするためにこの仕事をしているように見えた。能力を発揮できる仕事に就けて喜ばしいことだ。彼にとって報酬は有能さのバロメーターだから言い値は際限なくつり上がるぞ。それにしても彼の能力ってなんだろう?考えて倫理観の欠如ぶりではないかと思った。時流の波に乗って飛ぶ鳥を落とす勢いのルーだが、おごれるものは久しからずで、そのうち刑務所でまた別(?)の能力を発揮することになるだろう。
(2016/05/07 あたご劇場)