ジミー、野を駆ける伝説

ジミー(バリー・ウォード)、男前~(^o^)。
『麦の穂をゆらす風』のその後。
言葉に罪はないけれど、「プロ市民」の使われ方は、何だかイヤ~な感じがするよ。
デモも署名も何にでも、市民が行動するのには、言い出しっぺが必要なのに、
それをプロ市民と蔑むと、市民を分かち弱くする。そうした利益は誰の手に?
ホントはみんな、いざとなれば、誰でもプロ市民くらいには、気軽お手軽身も軽く、ステップ踏んでなっちゃえば。
というわけで、素晴らしきプロ市民、ジミーにつづく若者がいるぞ!というラストが感動的だった。
ジミーたちが集会所でやっていたことは、今で言う生涯学習みたいなことだと思うけれど、そうやって楽しく学ぶってことさえも政治的弾圧を受けてたんだー。
また、ジミーと敵対していた司教が立派だった。意見が異なっても敬意を払える者同士っていいなあ。
(神父さんの一群にBBC「シャーロック」でモリアーティを演じたアンドリュー・スコットがいた。)

(動画配信)

アリス・クリードの失踪

『フィフス・ウェイブ』、見ればよかった。SF青春サスペンスで弟を守るヒロインにクロエ・グレイス・モレッツ。クロエちゃんはパスと思ったのよね~。『アリス・クリードの失踪』と同じ監督と知っていたら見たのに、知らなかったのよね~。

この作品が公開された当時、冒頭の誘拐の準備をするところがテンポよく手際のよい演出のため、彗星のごとく現れた監督と言われていたので見たいな~と思っていたのだった。それで確かに面白かった。じっくりと俳優の演技を見せるので、才気走ったところがない堂に入った演出だと思った。

そ・れ・で!本当に驚いたのが、『おみおくりの作法』のジョン・メイを演じたエディ・マーサンが、なんと誘拐犯!ヴィックという呼び名がピッタリの凶暴そうな人。(世界のヴィックさん、ごめんなさい;;;。)そして、その相棒に『スウィート・シックスティーン』で母恋しの健気な少年を演じたマーティン・コムストン!ダニーという呼び名がピッタリの可愛らしさ。(世界のダニーさん、いやがらないで;;;。)さらにこの二人が・・・なので本当にビックリして面白さ倍増。
なんかあんまり気持ちのいい映画ではないけれど、この二人の可愛らしさで持った。
いや~、マーティン・コムストン君、立派な俳優になって、おばさんは嬉しいぞ(^o^)。
(動画配信) 

ズートピア

テンポよく始まって、ウサギとしては初めての警官ジュディ・ホップス(上戸彩)が電車に乗ってズートピアへ向かう道すがらの景色にワクワクした。動物の理想郷にも偏見やら差別など色々問題はあるけれど、あきらめずにいっしょに生きてゆきましょうというお話で明るい。だけど、何と言ってもキャラクターがいいのだ。狐としては初めての警官となるニック・ワイルド(森川智之)、いいわ~(惚)。暗黒街のビッグボス、最高(^o^)!ナマケモノの暴走族にも笑った。色っぽいガゼルの歌手も何パーセントかはマドンナって感じで(笑)。とても楽しかったが、いっしょに見た母は「まあまあやね」とのことで、私も20年後は楽しいと感じなくなるのかなと思ったりもした。
(2016/04/27 TOHOシネマズ高知6)

スポットライト 世紀のスクープ

調査報道の面白さがぎっしり。文献に当たったり、聴き取りをしたり。ジリジリするような地道な調査と、リリースする前のドキドキ感。スタンリー・トゥッチが演じたアルメニア系の弁護士やユダヤ系の編集局長など、社会の中の少数派ってやっぱり嗅覚が鋭い。虐げられる側から物事を見ざるを得ないところがあるから。虐待を行っている聖職者リストを受け取っていながら(そのときは問題視しなまま)やりすごしていたロビー(マイケル・キートン)のうかつさは苦い。
ただ、私がこの作品で最も強く感じたことは、性的虐待の被害者の苦しみだった。魂の殺人と言われる犯罪の被害者の悲痛さを描いてこそ、隠蔽してきたバチカンの罪深さを描くことにもなるのだけれど、私としては「苦しみ」にスポットライトが当たったように思った。それだけに、ギャラベディアン弁護士が被害者の背中に当てた手の温かさに感動した。
(2016/04/16 TOHOシネマズ高知1)