海街diary

葬式に始まり葬式に終わる、美しい作品だった。
桜並木のトンネルや紅葉の坂道。鎌倉のおしゃれなお店も気のおけない食堂も海辺の景色もいいけれど、古い日本家屋に梅酒の瓶、庭先の四季折々の草花に縁側でのひとときと、人の営みのつづく様も美しい。思い遣るということ、辛い思い出を昇華させるということも、また美しい。

もし、幸(綾瀬はるか)がアメリカに移住したとしたら、女子寮の秩序と風紀が乱れただろうか。佳乃(長澤まさみ)と千佳(夏帆)だけだったら心許ないが、末っ子すず(広瀬すず)がいるから大丈夫。すずも幸と同様に長女的な立場で背負ってきたものがあるから、しっかりしてる。二人の姉をしっかり統率するでしょう。

原作は吉田秋生だそうで、そういえば同じく鎌倉が舞台の「ラヴァーズ・キス」があり、こちらも映画化されており結構面白かった記憶がある。(嵐の櫻井翔が出演していたよ!)長編になると壊れてくる吉田作品も、短編(のつなぎ合わせ)は文学的な趣もあり、映画との相性もいいのかもしれない。

(冒頭の生足から寝顔の活写は、是枝がベルトルッチ化(『魅せられて』)したかと思った(笑)。)

マッドマックス 怒りのデス・ロード

シャーリーズ・セロン、カッコイー!!!綺麗~。痺れた!ニコラス・ホルトの可愛い唇が、しわしわ~~(笑)。近年の映画には珍しく、俳優を美しく撮ってくれていて嬉しい限り。少女マンガのように目に輝きがあった。「ジョー様がこっち見た♥♥♥」っていうのは、「きゃー、アクセル・ローズと目があった!!!」というのを彷彿させる(古い;;;)。車とかバイクとかお洋服とか、小物類もハイファッション。炎の使い方が、うまいねー。美しー。火を噴くギターにはやられた。これからのギターリストは大変だ。あのパフォーマンスを超えなきゃお客は満足しないぜよ(笑)。それと、あれ!いいよねー。竿の先にくっついて上がったり降りたりするの。サーカスで道化師がやりそうだ。近頃、映欲減退で、音のうるさいアクション映画はパスするべしでいたのをあまりの評判のよさに迷ったあげく見に行って、始めのうちこそ後悔したが、贔屓の俳優がよい役どころで、全体的に美しく笑えて音楽もよかったので見てよかった。

幸せのありか

いいお父さん、お母さんだった。お母さんが教えた歩くことと、お父さんが教えた怒りの表現の合わせ技に感動した。それにしても、1980年代に電話が来て喜んでいる。ポーランドって、そんなに遅れてたの?新しい電話機に付け替えて喜んでいただけなのかな?福祉施設はのんびりした感じがいいけど、ご飯の介助のとき、仰向けのままっていうのに驚愕!(冒頭の場面で知的障害者を犬に例えていたのにも驚いたけど。)マッサージとかしているのに、食事の介護のノウハウはないの???ノウハウがなくても、自分が仰向けでご飯が食べれるかって話なんだけど。それに、喜怒哀楽の表情があるのに意思疎通できたのが、初恋の彼女だけってのも本当かな???もっと早く意思疎通できていてもよさそうな感じがした。本当はある程度は意思疎通できていたのでは?(泣くと、なぜ、泣くのか気にかけてくれるけれど、あばれると、なぜ、あばれるのかは考えてくれない。小さな声では聞こえないので、大きな声で主張すると怒っていると受けとめられ敬遠される。この不自由さ。)

グランド・ブダペストホテル

ハーベイ・カイテル、ジェフ・ゴールドブラム、ティルダ・スウィントン、わからんかったー。化けたな!
綺麗な砂糖菓子みたいだったなぁ。おもちゃ箱みたいでもあった。凸凹師弟が、いろんなところを走るシルエットが目に焼きついてる(笑)。
本当の本当に暴力反対、ファシストには不服従。完璧な人間はいないから、どんな欠点があっても肝心要がずれてない人物はチャーミングで頼もしい。欠点さえ美点に見える。
そして、物語は語り手と聴き手がいてこそ成り立つ。ウェス・アンダーソン監督は、きっと観客に感謝しているね。
セリフが多くてついていけなかったので、DVDの吹き替えで今一度楽しみたい。