面白かった。話にしても映像にしても、へぇ~、ふぅ~んという感じで。おおー!とか、うわー!とかでないのが感性の鈍磨というか、可愛げがないというか、乗れなかった自分が不憫である。そうすると、昔からある神かくしやUFOも星空間移動なのかもしれないってことだろうか。神かくしとかUFOが異次元世界との行き来であるとは、私が子どもの頃に言われていたことで、なにやら懐かしい。「ライラの冒険」を思い出したりもした。ヴィジュアルもなんか、どっかで見た感じがつきまとっていた。
人類滅亡の危機をいかにして救うかというスケールの大きい命題を父と娘の愛情で解くという泣かせる話であると同時に、絶望の中にも希望を見いだす人間力の話でもあった。
観た後で知ったが、プロデューサーの一人は物理学者で、ブラックホールなど最新の科学でわかっているとおりに描かれているそうだ。そう言われても「ほんまでっか」と思うばかりだけど、そのくせ私はこの映画のSF的なところを楽しんでいたように思う。とりわけ、時間の摩訶不思議がいくつも描かれていてよかった。時間は不可逆なものなのに、「彼ら」として過去に現れることが出来る。わからないのに、やっぱり面白い。
監督:クリストファー・ノーラン
(2014/12/9 TOHOシネマズ高知9)