マラヴィータ

きゃははは(^Q^)。これは面白い!好き好き!マフィア映画へのオマージュもあるし、音楽もいい。一人一人が自立していて、嫌なヤツはこてんぱんに・・・・(笑)。何より家族の映画になっている。ファミリーものにめっぽう弱いこちらとしては、コメディで泣いてしまうという一幕も(笑)。『アダムス・ファミリー』以来のビックリ感動家族だ。
妻は神父さんから爪弾き、長女は失恋、長男は学校で問題児扱い。夫については何をかいわんや。今後も引っ越し続きでしょう(?)。でも、家族が車で移動するときって一体感があるよね。お引っ越しは車でどうぞ(^o^)。

フレッド(ロバート・デ・ニーロ)/マギー(ミシェル・ファイファー)/ベル(ディアナ・アグロン)/ウォレン(ジョン・ディレオ)/FBIスタンフォード(トミー・リー・ジョーンズ)

The Family
監督:リュック・ベッソン
(2013/11/20 TOHOシネマズ高知4)

ばしゃ馬さんとビッグマウス

よかった!これは好きだ~!10人中8、9人は楽しめると思う。笑って泣ける小さないい話だ。また、映画好きには、かなり受けるんじゃないだろうか。
脚本家になる夢を持ち、コンクールに落ち続けた34歳の馬淵みち代(麻生久美子)と、大口を叩くばかりで1本も書いたことのない天童義美(安田章大)。考えてみれば私は追いかけた夢なんてなかったので挫折もなかった。なれたらいいな~と思うのは仙人で、なれるとは思ってないので、今後もそういう方面の挫折はなさそうに思う。そんな夢とは無縁の私でもみち代の「どうやって諦めたらいいの???」には泣けた。義美くんも応援したくなった。みち代のモト彼氏で俳優を諦め、今は介護施設職員の松尾くん(岡田義徳)も凄くいい人で、元彼、元彼女の微妙な関係が面白かった。みち代に先んじてプロデビューできそうなときのマツモトキヨコ(山田真歩)も、二人の間の優越感やら嫉妬やらの微妙な空気が可笑しかった。他にも真面目そうな映画監督、26歳の監督、中華料理店のワンさん、金券ショップの同僚などアクセントとなる人物がいるので本作が愛しくなる。夢に向かって頑張るも良し、諦めて新たな一歩を踏み出すも良し。人生の小さな応援歌として楽しめる作品だ。

監督:吉田恵輔
(2013/11/20 TOHOシネマズ高知2)

悪の法則

う~ん、イマイチ。残念。壊れているし(それはいいとしても)、私には観念的すぎたかな。最初、弁護士(マイケル・ファスヴェンダー)とローラ(ペネロペ・クルス)がシーツの中で「イイコト」していたので、そういうエッチな方向性の映画かと期待したら、どうやら「イケナイコト」の一つという意味で描かれていたようだ。主人公の弁護士が、もっとイケナイコトを試して泥沼にはまり、別の弁護士に相談するというお話だった。ライナー(ハビエル・バルデム)もウェストリー(ブラッド・ピット)もローラも死んでしまうが、弁護士だけ生かされる。どうして彼だけ生かされたのか。彼に殺人DVDを送りつけたかったからなのか。
誰を殺して誰を生かすか、そういう選択をするのは人間だけだ。チータは、獲物になりやすいものを選ぶということはあっても、いかにして狩るかなんていうバリエーションはあまりなさそうだ。チータのシンプルさにある種の美を感じることはできても、人間の行いは複雑すぎてムカムカしてくる。
悪の華マルキナ役のキャメロン・ディアスは、とてもよかった。この人、前から演技派だと思っていたけど、どんどん役の幅が広がっていく。

THE COUNSELOR
監督:リドリー・スコット
(2013/11/20 TOHOシネマズ高知4)

天使の分け前

面白かった。さすが、ケン・ローチ。立ち位置がブレない。
樽の中のウィスキーは、毎年2%ずつ蒸発するのだとか。幻のウィスキーを競り落とした金額が115万ポンドというとおよそ1億8千万円。ロビー(ポール・ブラニガン)たちが知恵を絞って汗かいて、樽から抜き取った一瓶を10万ポンドで売って4人で分けると400万円くらい。落札金額の2%くらいか。よくできてるな~(笑)。1億8千万円は汗水たらして稼げるお金じゃないからね。労働者の稼ぎから蒸発していったものをお金持ちが蒸留しとるんじゃろ(笑)。お金持ちと貧乏人がいたら、貧乏人の側に立つのがケン・ローチなのだ。落札したお金持ちが鼻の利かない人で本当によかった。食品偽装でお腹立ちの人は、お金持ちに同情するかな?
最近、どっかの国会議員がマスコミを批判して、「マスコミは中立でなければならない、二項対立があるとしたら両論併記するべき」みたいなことを言っていたけれど、権力者と市民が対立しているとき中立でいては権力者の味方をしていると同じだと思う。マスコミも色々、立ち位置も色々。ケン・ローチくらい立ち位置をハッキリしてくれるとありがたいなぁ(笑)。
それにしても、この映画を観ていると、日常ってこんなにもサスペンスフルなんだと驚かずにいられない。ロビーたちの一挙手一投足にハラハラした。保護司(?)のハリー(ジョン・ヘンショウ)にロビーからの贈り物が届いてめでたし、めでたし。こんな甘い話はそうそうないけど、結婚とベイビー誕生のご祝儀として私もありがたく分け前をちょうだいした。

THE ANGELS’ SHARE
監督:ケン・ローチ
(シネマ・サンライズ 2013/11/15 高知県立美術館ホール)

高知県立美術館ホール前はこんな感じ。草間彌生の「永遠の永遠の永遠」展を開催中だった。