この世界の片隅に

素晴らしい。日本映画史に残るんじゃないかな。
日々の営みを大切に愛しく描いている。
『小さいおうち』のように日中戦争から太平洋戦争の終わりまで描いている。
綺麗。明るい。笑える。

すずさんはお腹の子どもも亡くしたと思うけれど、言及されたのは右手と晴美ちゃんだった。最後の女の子が二重に生きてくる。
呉におると決意表明したときのピカ。劇的なあまりに劇的な場面なのにすずさんの決意表明はピカに負けてしまう。(すずさんの決意表明がピカと同時だったとは2回目に見て気がついた。)
玉音放送のとき、「最後の一人まで戦うんじゃなかったのかね」とスパーク。すすざんも戦っていたのだとビックリした。日々の営みも晴美ちゃんや右手を失ったのも、みんなみんな戦いの一環だったのだ。竹槍訓練やバケツリレーや防空壕に逃げ込むことだけが戦いではない。朝起きてご飯を作って洗濯してと今と変わらない生活が戦いだった。

戦後、すずさんは絵本作家になるのではないかと思ったら、ぜんぜん違った(笑)。
海外で見た人の感想をぜひ聴いてみたい。

※「なのにすずさんの決意表明はピカに負けてしまう。」は、言葉足らずで誤解を生む書きようでした。趣旨はコメント欄を読んでいただけるとありがたいです。

オケ老人

楽しかった~!音楽映画はえいねぇ!(^o^)
それに杏ちゃんは、やっぱり魅力があるわ~。
地方にいると一流の音楽家の音楽に接する機会というのは限られているけれど、音楽の楽しさは結構あるんじゃよね。
フランスの有名指揮者がおじいちゃんと意気投合するのも楽しかった。
なんたらデンキの息子とおじいちゃんの孫娘がラブなのも初々しい~。
なんたらデンキの中におじいちゃんの修理コーナーができたというラスト、あったまるぅ。
忘れているところもいっぱいあるけど、テレビで放送されたら、ぜひまた見たい!
(2016/11/16 TOHOシネマズ高知3)

妻への家路

見てから何ヶ月も経つのに、轟音の列車から垣間見える逃亡中のルー・イエンシー(チェン・ダオミン)の姿から始まって、最大の山場である駅の陸橋での大捕物を経て、ラストの家族の肖像に至るまで、様々なシーンが昨日見たかのように思い出される。ユーモアを織り交ぜながら、過剰な説明抜きで文化大革命が、ある一家に残した深い瑕を描ききり、「忘るるなかれ」と心に染みこませるような作りである。バレエやピアノという映画と相性のよい事柄がうまく織り込まれているだけでなく、駅の階段を下りてくる人々の服装や雰囲気で時代の流れを表現したりと、これぞ映画という表現に溢れ、本当に堂々とした素晴らしい作品だ。

フォン・ワンイー(コン・リー)が、夫の顔を思い出せないのは、辱めを受けたことを忘れたくて夫の顔まで忘れてしまったのか、あるいは夫のせいでこんな目に・・・と思ってしまい、その思念を否定するあまりのことか。強制労働に行かされた夫も残された妻も娘もとにかく酷い目に遭わされた。特に教育現場の様子など短時間で要点を描いたうえ、バレエの見せ場まである巧みな脚本だ。(娘は父を犯罪者と思っている。こういう教育をされた娘をワンイーは許せない。)
写真さえあれば、夫が帰ったことがわかるのに、娘のタンタン(チャン・ホエウェン)がアルバムから父の顔をことごとくひっぺがしていたことが残念で可哀想でもあり、子どもらしいことをやったものだと可笑しくもあり。
イエンシーが妻をひどい目に遭わせた仇のところへオタマを持って殴り込み(笑)に行くところは作りすぎなんだけど、加害者も被害者であったこと(文化大革命の本質)を描くため必要なところだったと思う。

ラストは、私にとっては大どんでん返しだった。このどんでん返しによって、どうしても『肉弾』を思い出してしまう。『肉弾』は、戦死者のことなど忘れて浜辺で戯れる人々からそう遠くないところを漂流するドラム缶の中の亡骸(戦死者)がラストショットだった。それと比べると、『妻への家路』はとても静かなラストシーンだが、作り手の思いは同じなのではないだろうか。文化大革命から40年以上を経た中国では、それを知らない人が増えているだろうからこの作品が作られたのだと思う。
歴史を知ることはとても大事なことだと思っているので、文化大革命についても『芙蓉鎮』『活きる』などなど、映画でこうして歴史の事象とそれが人に及ぼす影響を見れることに意義を感じる。ただ、この映画のどこに普遍性があるかといえば、やはり夫婦、家族の愛の物語というところではないだろうか。
(2015年高知オフシアターベストテン上映会 2016/07/02 高知県立美術館ホール)

新春 八つの間違いさがし

オンシジウム満開
オンシジウム満開2

あけましておめでとうございます。
2016年、突如として園芸に目覚めたのでございます。
だから、植え替えやら挿し木やら株分けやら、春になったらやりたいことがいっぱい。
ところで園芸用品として必須なものは手袋ですが(これで虫への恐怖心が幾分和らぐのです)、もう一つは割り箸。つまんで除けて踏みつぶす!
お正月から殺生な話でスミマセン(-人-)。

お口直しに、次の厳選リンク集をぜひご覧ください。
お花のガーデン 日記・・・写真が綺麗!
種まきさんの種まきブログ 沖縄から・・・珍しい植物が!
大きなくりの木の下で-NONとTONのガーデンづくり・・・スケールが大きい!
庭にいます。・・・文章もおもしろい!

間違いさがしの答えは、コメント欄に書き込みますね。