ハッチング 孵化

予想以上にホラーで、予想外にグロテスクだった(ToT)。
主人公の女の子ティンヤ(シーリ・ソラリンナ)が可哀想でならなかった(ToT)。もう、そんな母親の言うことを聴かなくていいと思うのだが、子どもにとって親の影響力というのは絶大だ。父親は毒にも薬にもならないから結局これも毒親なんだろう、というか親以前の未熟な大人(子ども?)だ。見ていてほっとするのは弟だけだった。あ、母の愛人も普通の人みたいでほっとした。

ティンヤの母(ソフィア・ヘイッキラ)は確かに強烈な個性だけれど、愛人の子どもには優しかったし、息子はまだ幼いせいか毒にはなってないみたいだ。それが、娘と同化して過剰に期待し、支配していることに気づいてなくて、愛人の情報まで共有するなんてのは思春期の娘にとってはかなりな毒だろう。

ティンヤが温めて孵化した巨大な鳥(名付けてアッリ)は、もちろんティンヤの分身だ。ティンヤの野生であり自然な心が具現化した生き物だ。幕切れは、よい子のティンヤが死んで野生のアッリがティンヤの姿を得た。そして、ここから後編の始まりだ。母とティンヤ(アッリ)の思春期壮絶バトルが繰り広げられるだろう。あの母親と、アッリだったティンヤだから殺し合いになりかねない(^_^;。ちょっとコメディタッチにしたらどうかと思うが、あまり争う話は見たくない。アッリは鳥だったんだから翼があるだろう。さっさと巣だって飛翔してくれ。飛べ、飛ぶんだティンヤ(アッリ)!
(2022/09/12 あたご劇場)

長崎の郵便配達

あたご劇場でロングラン。お陰で何とか観られてよかった。
フランスで俳優をしているイザベル・タウンゼントが、亡くなった父ピーター・タウンゼント(著名なジャーナリストらしい)の長崎での足跡をたどるドキュメンタリー。本作を観ると、郵便配達中に16歳で被爆した谷口稜曄(スミテル)さんについての著書「長崎の郵便配達」の内容(スミテルさんの身に起こったことから、その考えや核廃絶のための活動まで)がわかるようになっていると思う。また、歌にも歌われた「精霊流し」の舟が歌のイメージと掛け離れていることがわかったり、資料館でスミテルさんの背中の治療中の動画をイザベルさんたちが観ているシーンなんか本当に生々しくて「こんな子どもが・・・」と耐えがたい思いをさせられたり、爆心地に近い浦上天主堂の被爆マリア像もちゃんと挿入されていたりしていて、長崎の風土・風習と被爆についての基本的な情報が無理なく映像化されていると思った。

そのうえ、本作を特別なものとしているのがイザベルさんの存在だ。父が遺した録音テープを聴き、「私が亡くなってから読むだろう」と言われていたとおりになった父の著作を読み、父の歩いた長崎を歩く。「もはや観ることできなくなった者の目で観る」景色と思索が、イザベルさんと亡父との新しい交流となっている。父を偲ぶだけに終わらず、父から新しく何かを受け取ったのだと思う。長崎へはイザベルさんのパートナーと娘たちもいっしょに来ていて、イザベルさんもまた娘たちに何かを渡して行くのだろう。亡くなっても続く思いの受け渡しがイザベルさんの家族にとどまらず、鑑賞者銘々の胸に響くのでロングランとなったのではないだろうか。

エピローグは、帰国したイザベルさんが子どもたちが演じる劇の演出を任され、「長崎の郵便配達」をモチーフとして創作・上演する場面だ。有言不実行が得意な私からすると、「こんなことがあったけど二度とあってはいけない。そうでしょう?」という思いを行動に移したことが本当に偉いと思った。また、これが先人から繋がり未来の子どもたちへ出来ることなんだなと思った。
(2022/08/20 あたご劇場)

ヘルドッグス

坂口健太郎の見た目が好きなので、目の保養に行ってきた(^_^)。いや~、眼福眼福。まったく中身のない作品(そんなしょぼいものを取り戻すために潜入捜査かよ)なのに、省略が利いて小気味よく、2時間半があっという間。岡田准一、あつくるしい~と思ったら、色白細長軟体くんが爽やかかわゆい。でも、これだけじっくり見たら、今はこれくらい浅くてもいいけど、もうちょい深い演技をしてくれないと飽きそうな気もしてきた。
はんにゃの金田さんも出ていた。ぜんぜん、笑える役柄ではなかったので、お笑いに向いてないのかも。俳優に専念したらいいと思った。
右近くんも一瞬出てた?
MIYAVIという人の回し蹴りもスローモーションで見られて「うつくすぃ♥」と思った。
北村一輝は長年いろんな役を振られて仕事の切れ間がなくてよかったね(^_^)。
それにしても、ハイセンスなやくざの皆さんだった。オペラとかインターナショナルとか、歌も面白い。警察の方も何かカッコつけて、アメリカナイズされた韓国映画があるとしたら、この映画みたいなのかも(^o^)。
(2022/09/30 TOHOシネマズ高知1)

残暑お見舞い申し上げます

残暑お見舞いの絵

こんにちは。お盆を過ぎたのに蒸し暑くってかないません(ToT)。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。わたくしは、耳を澄ませば耳鳴り、目を凝らせば飛蚊症という馴染みの状況に加え、4月にモノが歪んで見えることに気づき眼科で検査をしたところ視神経に異常がなく病気未満でした。耳鳴りと同じようなものですかね。半年か1年後、若しくは異常がバージョンアップしたときに再度検査に行こうと思っています。

なんか、お見舞いというようり近況報告ですが、以下は虫に噛まれた話と国葬反対と書道の効用についてです。
山の木々もくたびれて、これから桜は紅葉し、虫が鳴き始めますが、まだまだ暑い日が続きます。どうぞ、お身体を大切にお過ごしください。

虫に噛まれた話
先月のとある木曜日、午前1時過ぎ頃足先に鋭い痛みが走り、蚊にしては痛いなあと思いつつそのまま寝ていたら、午前4時過ぎ、左手の親指の元あたりにまた鋭い痛みを感じ、神経系の病気にでもなったのだろうか、困るなあと思って見ると腕に細長い虫がっ!あわてて振り払い、床に落ちたそれをスリッパにしているサンダルでやっつけました。5センチくらいのムカデでした。以降、昼も夜も寝室の窓は閉めっぱなしです。虫除けの薬剤を買いに行くと、パッケージにはムカデの他に蟻、蜘蛛、ゲジ、ダンゴムシなどなど錚々たる虫たちが退治の対象として書かれていました。確かに毎年噛まれて痛がゆい思いをしている蟻はイヤだけど、その他の虫たちには何の恨みもないので買うのをやめました。カマキリ様やトカゲ様が召し上がるモノがなくなってもいけないし、クモ様を退治の対象としているのが解せません。というか、虫は皆殺しになる薬なんだろうなぁ。
ムカデは草ボウボウだったり落ち葉をそのままにしていると居心地がいいのだとか。まさに我が家の庭は居心地がよいのです。屁糞葛もまたあちこちに伸びてきたことだし、冬になったら草刈始めをしようと思います。虫の活動期には勘弁(^_^;。
ちなみに、噛まれたところはムカデが小さかったせいか、3、4時間で痛みも腫れも引きました。蜂や秋篠寺の蟻の方が何日も腫れが引かず重症でした。

国葬反対
安倍元首相は、もちろん誰かにとっては功績があったのでしょうが、私にとっては何一ついいことがありませんでした。日本のマスコミがもう少しまともであったなら、長期政権にもならなかったと思っています。「モリカケサクラ」もイヤなことですが、それより民主主義とはほど遠い政権だったことと差別を助長する人だったことが国葬反対の理由です。第一次政権で学習し、人事を自分の思い通りなる人にしたことが大きく、安保関連法改正で戦争への道筋をつけたことや、私の見た限りですが国会の答弁でも態度でも誠実さを感じるのは難しいことが多く、沖縄では辺野古新基地反対の民意が示されたのに聞く耳を持たず、忖度した職員によって公文書が改ざん、破棄されたり、統計をごまかしたり。相模原の障害者施設での殺人事件の際、「障害者にお金をかけるのはムダ。そのため財政難。」という加害者の言い分に対して一言もなかったのはリーダーとしていかがなものかとも思います。障害者福祉の予算は一般会計の1%ほどで大部分は健常者の給料になっているそうなので言い分は間違っているわけだし、なにより国民の基本的人権を守らなければならない立場なんだから、そういう方向性を示してほしかったです。

書道の効用
字の稽古をしていると血行がよくなることに気がつきました。冬でも足がぽかぽかしてきます。副交感神経が優位になるのではないでしょうか。ヨガは動く瞑想とのことですが、書道もあまり考えず筆に任せて書くことで瞑想状態になっているのかも。暑さでぼーっとしているのに、さらにぼーっとしようと思い、墨をすり始めました。甥のお古は「なんちゃって硯」のため全く墨が降りなくて、書道用品店で安い硯を買ってきてのことです。お店の人が言うには、学校の書道セットは墨液中心なので固形墨も水差しもなしで、セラミック硯になっているとのこと。そうか~、甥たちは墨の匂いを知らないのかもしれないなぁ。
筆を洗うとき、穂の根元をつまむと堅くなっています。これは墨液ならボンド、固形墨なら膠が入っているためです。これをしっかり洗い落とさないと筆が傷むのです。具体的には毛がいっぱい切れたり、穂が割れて平行線で文字が書けるようになったり。それで根元を時々つまんでボンドや膠が落ちているか確認しています。このとき、利き手の指でつまむと根元が柔らかくなっているのに、利き手じゃない方の指でつまむと、まだ堅いのです。おそらく利き手の方がより力があるためでしょうが、左右の手指で感じ方が違うことに人生で初めて気がつきました(^o^)。
あと、書道って芸術なんだそうですが、芸術は自由だということに改めて気づき、趣味の芸術家を続けていけたらいいなあと思っています。皆さんも趣味の芸術家になりませんか?