アジャストメント

う~ん、よくわからなかった(しょぼ~ん)。
政治家が主人公でどんだけスケールの大きい話になるのかと思ったら(しょぼ~い)。
運命に抗うって私の柄ではないのだ。流れに身を任せる方が楽ちんだもの。
しかも命がけで運命に抗うって(^_^;。
それが恋愛って(ひゅるる~)。
いやいや、浪漫派の命がけの恋愛っていうのは好きなんだけど、普段、命をかけてもいい対象として考えているのは溺れている子どもを助けるとかで、それもイヤだけどしょうがないというくらい命をかけるのに消極的なのだ。(だから、命がけで誰かを助けるなんてことも結局出来ないと思う。)
そんなわけで、図書館みたいな調整局とか、いろんな建物がきれいで目には楽しませてもらったけれど、わからなかったというのが正直なところ。
デヴィッド・ノリス(マット・デイモン)
エリース・セラス(エミリー・ブラント)
ハリー(アンソニー・マッキー)
リチャードソン(ジョン・スラッテリー)
チャーリー(マイケル・ケリー)
トンプソン(テレンス・スタンプ)
THE ADJUSTMENT BUREAU 監督:ジョージ・ノルフィ
(2011/05/28 TOHOシネマズ高知5)

小三治

感動した。
芸をきわめるうえでも、人間を磨くうえでも大切な金言がたくさんあったと思う。でも、どんなこと言ってたか・・・・忘れた;;;。
小三治はCDで二つくらい噺を聴いたことがあるだけの人でよく知らなかったが、このドキュメンタリーでわかったことがたくさんあった。噺のゆったりとした間に感心。ある程度自信がないと、あんなに間は取れない。(この映画の間も素晴らしい。)芸にも感心。聴かせるねぇ!魅せるねぇ!鰍沢などチャレンジする姿にも感心。いやはや感心しきりであった。
歌唱トレーニングで普段弟子に言っていることをコーチから言われているとぼやくのが可笑しかった。なんて言われてたっけ(^_^;、忘れたけど、何でも道を究めようとするときに大切なことは大体同じなんだな。
兄弟弟子とステージ上で対談風に話したとき、小三治はその兄弟弟子の存在に救われていることを笑いを取りながら婉曲的に話していた。裏を返せば、どれだけ厳しくしんどい思いをしているかの表れでもあったわけだが、兄弟弟子はそれをわかっていて、「アイロニーだね。悲哀があるね。」と言っていた。これには思わず落涙。ちゃらんぽらんに見える兄弟弟子だったが、わかっていてくれたんだー。
えーと、なんだっけ。小三治が50歳を過ぎてわかったと言っていたことは。そんなこと、とおから私はわかっていたよということだったんだけど、これは私の驕りだと思った。おそらく頭でわかることと、本当に身をもってわかることは違うのだと思う。だから噺家は50からが勝負だね。(噺家に限らず50過ぎてからの人相は怖いな~。)
噺家は厳しく怖いと思うわけ。
映画の中で志の輔が、尊敬できる噺家は皆落語と格闘していると言っていたけれど、それは本当だと思う。だからね~、そういう噺家は目つきが鋭いんだなぁ。それで、この鋭さが取れてくると名人なんだなぁ。
なにも人となりが芸に出るのは落語だけじゃないけれど、目つきが鋭いのは噺家に多いから厳しい芸だと思う。
行き当たりばったりに書いていると長くなった(^_^;。
大方忘れた小三治の台詞だけど、一つ覚えているのは弟子の真打ち昇進時の口上で「先が楽しみだ」と言ったこと。楽しみというのは、どんな素晴らしい噺家になっていくのかということだけでなく、こんなことしてたら、こんなになっちゃったというのも、また楽しみというものだ、とまあ、そんなことを言っていた。成功しても失敗しても弟子は弟子。成功しても失敗しても善しという師匠、あっぱれ。見守ってくれる師匠がいるというのは、たとえ文字どおり見守るだけであったとしても、ありがたいことだと思う。
監督:康宇政
(2011/05/27 喫茶メフィストフェレス)

阪急電車 片道15分の奇跡

や~、感動したなぁ、もう。
一人じゃないって素敵なことね。
卑近な『デカローグ』みたいな。
原作は読んでないけど、有川浩原作というのが頷ける。2、3冊読んだが、設定とか登場人物とか文章の押しが強い印象がある。喜怒哀楽が濃く、ガンガンのエンタメだ。「図書館戦争」は、読みながら本当に何度も吹き出し、声を上げて笑った。映画『阪急電車』もある種の押しの強さがあったと思う。笑いもあったが、私的には涙の比率が高かった。原作はもっと笑えるのではという気もするが、それでも有川テイストを感じさせるのは、作り手が原作を尊重しているからなのでは(?)。
翔子(中谷美紀)・・・・彼氏に彼女が、彼女に子どもが出来た。
ミサ(戸田恵梨香)・・・・DV彼氏にさようなら。
カツヤ(小柳友)・・・・ケータイが急所なのか?
康江(南果歩)・・・・胃薬はお早めに。
権田原美帆(谷村美月)・・・・野草オタ。
圭一(勝地涼)・・・・軍オタ。
悦子(有村架純)・・・・進路で悩む。
竜太(玉山鉄二)・・・・待ちの態勢万全。
亜美(芦田愛菜)・・・・心地よい声は、おばあちゃん譲り。
時江(宮本信子)・・・・元教師(?)で現役教師。
監督:三宅喜重
(TOHOシネマズ高知1 2011/05/21)

誰ガタメノ剣[追記]

終演後、「酔うた」とおんちゃんと兄さんが言い合いながら帰って行ったのが可笑しかった。
あれほど、台詞をがなりとおされたら、悪酔いするよなぁ。
声が割れて聞き取りにくいし。親泰を演じた人は、落ち着いて話していたので聞き取れたけど。そのせいか、親泰だけが演技ができていたような印象だ(^_^;。
信長と秀吉の場は、可笑しかった~(^Q^)。声に出して笑っちゃたよ。信長はヘビメタで秀吉はサンバ(笑)。もちろん、信長が生きている間はサンバはない。
その他の場も、うまくいけば笑えて楽しいお芝居になるんだろうな。場内、結構笑いが取れていたので、好き嫌いが分かれるのかもしれない。私は嫌いじゃなかったけど、台詞が満足に聴き取れないのじゃいかんせんであった。
驚いたのは満席だったこと。帰り美術館から公道に出るのに渋滞で、車のナンバーとか見ていたら、愛媛とか北九州とか(更驚)。人気の劇団なのね。
[追記]
職場で「どうだった?」と尋ねられて答えるうちに、いいところもあったじゃーんと思えてきて、追記しておこうという気になった。
登場人物の皆が皆、「戦わなければ」と思っているのは、いくら戦国時代といえどもイヤな感じがしたけれど、主人公のはずの元親が主人公らしく描かれておらず、むしろ家臣や領民(それも女たち)が主役のようだったのが新鮮だった。元親は、戦で犠牲になった者を思って悔やんだり、なんやかやと悩んだりの意外なキャラだったのがよかった。このように家臣・領民が元親を盛り立てるような構図だから、秀吉から土佐一国のみ与えられ、領民に合わせる顔がないと思いながら帰高した元親を、領民が喜んで迎えるラストは、うまくいけば感動できたように思う。
シアターキューブリック
(高知県立美術館ホール 2011/05/21 夜公演)