倫敦から来た男

これぞ活動大写真!
美しいモノクロームの写真がゆっくり動く。あまりにゆっくり動くので、「うげげ、ソクーロフか!」と初めの数十秒くらい心配したけど、ソクーロフより鮮明で難しくもなく、ひじょーに私向きだった。
ワンカット、ワンカットが美しい~。上下左右にカメラが動くのは当たり前。望遠レンズで前後にも動く。また、被写体もいいのだわ。美男美女ではない俳優が美しい~。夜も昼も。いろんなトーンの光も。海も船も汽車もアパートもホテルのカフェバーも。
音と音楽も独自のものがあったと思う。
The Man from London 監督:タル・ベーラ
(高知県立美術館ホール 2011/05/15 高知県立美術館ホール)

ブリティッシュ・ソープ・アワード

先週から今週にかけてのジェームズ。
授賞式の2、3日前から何を着て行ったらいいかと何度もツィートしていて、「ネクタイ買って着けてみたけど、ランチに行くビジネスマンみたいだ」とつぶやけば、「黒シャツ黒ジャケにシルバーのタイで決まりよ。もちろんズボンも黒よ。」みたいなアドバイスもいくつか。お悩み相談コーナー化していた(笑)。私服、ダサイからなぁ(^_^;。
授賞式後はネットにちらほら写真がアップされていて、シャツの第一ボタンを留めてない!っていうか、留まらなかったのか(?)。首、太(笑)。(あ~、ワタシの細首フェチはいずこへ???)
授賞式中は「楽しい~。酒好きだから(^_^)。」みたいなツィートも。
受賞リストで賞の種類を見ているとスペクタクル・シーン賞っていうのがあって、これで「ホリヨークス」でも「エマデイル」でも必ず火事やら事故のシーンがあった訳がわかった。
レッドカーペット・インタビューがyoutubeにアップされていたけど、さながらアカデミー賞の授賞式。こういうのが確か秋にもあったので、英国のテレビ界ってすごいな~。日本より俳優人口は多いかも。
The British Soap Awards 2011 Winners List

風間杜夫の落語とトークショー

出囃子は「蒲田行進曲」(笑)。落語は若かりし頃のバイトの話をしたマクラが面白かった。本題の「火焔太鼓」も、とてもうまくて笑った。玄人はだしというのは本当。マクラの面白さと比べると、「火焔太鼓」はもっとうまくなれる余地ありと思う。古典落語の「芸」というのは、単なる話芸とは違う奥が深いものだとわかった。(落語ほど話し手の人間性の出る芸はないかも。おそろしい。)
トークショーは、子役時代から始まって、『蒲田行進曲』出演のいきさつ、苦手な女優の話などなど、これもまた面白かった。『蒲田行進曲』って東映太秦村で撮影した松竹配給映画で制作は角川なんだと。角川が東映と松竹を取り持って作った作品と言われていた(へぇ~)。
会場には熱心な風間ファンあり。ファンてありがたいな~。多分、うん十年でしょう。
風間さんは昭和24年生まれとは思えない若々しさ。本人曰く、髪の毛がフサフサだからとのこと。私は童顔だからと思う。
東日本大震災のチャリティーで落語の公演(巡業)は続けるとのことだった。
(2011/05/17 かるぽーと)

アンチクライスト

観終わった後、友達も知り合いも、その他の人も皆、「げんなり」しているのが可笑しくてたまらず、ペットボトルのお茶で喉をうるおしながら、お腹の底からふつふつと笑いがこみあげてきて、「トリアー監督、ありがとう」と思った(笑)。
トリアー監督は、女性恐怖症か、それとも恨みでもあるのか、はたまた女好きの裏返しで、「こんな目に遭わされたいけど、現実にはイヤだから、映画でやってみました」なのか。
女性は感覚的で、エデンの園に帰ると本性出して、怖いよ怖いよぉ。妻(シャルロット・ゲンズブール)を殺して、木イチゴ食べて、ほっとしたのも束の間。女がぞろぞろエデンに帰っているではないか!怖いよ怖いよぉ。というところだろうか???だけど、このエピローグには、雪やシャワーの飛沫が宇宙遊泳するプロローグ同様、笑ってしまった。ぞろぞろぞろぞろ、やりすぎなんである。
夫(ウィレム・デフォー)は、自分が妻よりお利口だと思っているから、妻が論文を書くにつき「アドバイス」するのだが、その上から目線が妻を傷つけているのじゃないのかね。
子どもを亡くして「死にたい」という妻には「いっしょに死のう」と言ってやればいいのに。論理的で構築的なものが良いとばかりは言えないのに。もっとカオス漬けになれば~?
それにしても、鹿、狐、烏か~。「セロ弾きのゴーシュ」では動物たちは良い役だったのに。自然は確かに恐ろしいけれど、日本人にとっては畏怖するものであって悪ではないと思う。
「自然=恐ろしいもの=悪=悪魔=アンチキリスト=女」
ほんまかいね、そうかいね(?)。
わかるのは、やっぱり私はトリアー嫌い。それでも次回も観に行くわ。ってことだ(とほほ)。
Antichrist 監督:ラース・フォン・トリアー
(高知県立美術館 2011/05/15 高知県立美術館ホール)