わははは!なんじゃこりゃぁ~!
変だとは思っていた。葡萄作りを指南する天使ぃ?と。どうして天使がぁ?と。
そうかそうか、天使(ギャスパー・ウリエル)は美味しい葡萄酒が飲みたくて、しがない農夫でありながら醸造家になるなどと宣言した葡萄酒バカのソブラン・ジョドー(ジェレミー・レニエ)を見込んだわけか。
そして、酸いも甘いも噛み分けた最晩年のソブランがものした葡萄酒を味わえたということは、愛するソブランを丸ごと(一生分)味わえたというわけで、めでたしめでたし、よかったね。
ただし、ソブランと天使が戯れるシーンには目が点になった。こんな展開、予期してなかった。天使の手術もどうしてーーーー?飛んでるなぁ!作り手がどういうつもりかわからないけれど、思い出すと可笑しい。
それにしても、この監督さん、女優の趣味がいいと思う。オーロラ(ベラ・ファーミガ)もセレスト(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)もビューティホー!異なる魅力で、ちょっとした眼福だった。(その調子でウリエル君をもっと気合いを入れて撮ってほしかったなー。)
この映画にワインの味わい方を指南されて、「よっしゃ、今後、けっしてガブ飲みすまい」と思ったことだったが、思ったとおりに行動するとは限らないのが人の常、お茶屋の常なのであった。
THE VINTNER’S LUCK 監督:ニキ・カーロ
(シネマ・サンライズ 2011/04/29 高知県立美術館ホール)
薫風
ゴールデンウイークに車の窓を開けて走ると椎の花の匂いがする。今年もした。
ニラの爽やかな匂いや、文旦の苦しくなるほど甘い匂いはまだだけど、もうそろそろだと思う。(というか、そっち方面を走らなくなったのでわからないだけかも。)
いろんな虫や蛙やらが活動を始めるので、寒さがゆるんでも、ぜーーーーったい窓は開けない。これまで運転中に大蜘蛛やカマキリや雨蛙にドッキリ、ビックリしたことが何度あるかわからない。走行中に鳥の落とし物が運転席の窓に当たって、ものすごい音がしたこともあった。秋冬は寒いので、当然密閉だ。
5月(梅雨入りまで)は特別だ。窓を開けないという鉄則を忘れてしまう季節なのだなぁ。
明日へ紡ぎつづけて
昔の若者は輝いていたのだなぁ。仲間というのは、人を元気にするのだなぁ。ってことと、戦後の労働運動史の概略をうまいことまとめてあるなぁと思った。
GHQが労働組合の組織化を推進したこともあり、それぞれの職場で勉強して組合を作り、「本当にこんなことから?」というような要求から始まって、8時間労働などを勝ち取り、別の組合であっても職場を越えて労働者(=若者)同士の交流などもあり、大きな広がりを持っていた運動が、巻き返されてアカ狩りされて(別に共産党員でなくても疑いを掛けられて仲間はずれにされるよう仕向けられるなど)労働者が分断されて、どんどん運動が小さくなってきた様子がよく伝わってきた。今現在運動をしている人たちは、生き生きしていると言ってもおじいさん、おばあさんだ(涙)。おしまいの方は、現在だから映像はクリアなのに、あんまり狭い世界の話になってきて、窮屈さを感じるくらい。昔の白黒の映像や写真の不鮮明さが茫洋とした労働運動を感じさせるのと対称的だ。まるで三角の旗のように先が細ってきた運動を体感させられる作りになっているのが映画的だと思った。
それにしても、紡績=絹=「ああ、野麦峠」の女工哀史と思っていた自分に喝。戦後は輸入綿だったのかぁ~。しかし、野麦峠の明治、大正ときて昭和の戦後まで労働条件は、あまり変わらなかったということか?だとしたら、GHQ様々だ。
戦後すぐの選挙は、毛筆で書いて投票していたのも印象に残った。
監督:山本洋子
(四国文映社 2011/04/29 自由民権記念館)
みどり
一年で緑が最も美しい季節。